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法人企業統計と、毎月勤労統計
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52704252.html
2015年06月02日 在野のアナリスト
13日ぶりに日経平均が反落しました。しかしここ数日、ムリして上昇を維持しているようでもあり、2万円を超えた水準でさえ、前場少し下落していると日銀がETF買いをいれてくるなど、官製相場だから上げた、という面が否めません。「青い鳥が舞い下りた」など、上昇相場につくことを指す言葉もありますが、今週に入ってからはそんな動きがあったのかもしれません。
昨日財務省から発表された1-3月期法人企業統計、設備投資額が前年同期比7.3%増、という点が大々的に伝えられます。しかし売上高は0.5%減、経常利益は0.4%増と、10-12月期から急減しています。しかも製造業は円安のメリット、デメリットが業種ごとにくっきりと色分けされ、トータルでは1.3%減となった。つまり円安は日本経済にとってプラスにならないことが、数値としても示されます。経常利益も、円安の寄与度が高い輸送用機械の伸びも落ちてきた。今日は対ドルで一時125円をつけましたが、この水準は日本経済にとってマイナス面が大きいかもしれません。
この設備投資をうけ、企業に前向きの動き、とも報じられます。しかし設備投資計画が、今年度11%という推計も出ていますが、昨年度は期初の計画で15%、結局は5%にも届かなかったのであり、今年の11%がどこまで計画通りにすすむかは、経済動向次第です。また1-3月期GDP速報では、在庫が0.5%も寄与するなど、大きな伸びをみせましたが、法人企業統計では在庫投資が例年になく、大きな減少をみせた。毎年1-3月期の在庫投資は減るのですが、GDP統計で示された在庫増の結果とは、大きな乖離があります。設備投資の情報改定ででGDPも上方修正か、とも報じられますが、むしろ在庫投資の大幅な低下の影響で、下げてくるのかもしれません。
厚労省発表の毎月勤労統計、安倍ノミクス開始以来、下げ続けていた実質賃金が2年ぶりに0.1%増です。賃上げや消費者物価の伸びの鈍化、が理由として挙げられます。しかし所定内給与は前年同月比0.6%増、所定外給与は2.3%減、所定内労働時間が1.5%増、所定外労働時間が2.4%減。つまり労働時間の増加が、賃金に反映された結果とみるのが正しい。しかも特別に支払われた給与、これが14.9%増と大幅に伸びたことで、ぎりぎり実質賃金がプラス転換したのです。
所定外労働時間が延びていないので、仕事が忙しくなったわけでもない。雇用も2.0%増ですが、他の統計と合わせて考えれば、伸びているのは65歳以上。今回の所定外労働時間の減少を、日経などは駆け込み需要の反動と報じますが、4月の統計ですから、増産体制は終わっているタイミングです。むしろ反動減を見越して、生産をしぼっていた前年より落ちてしまった。今年度に入ってから、好転を示すような数字は、法人企業統計と毎月勤労統計からは窺えません。
小売、百貨店の売上げは好調です。ただし、これはインバウンド消費と前年の反動増であり、日本経済の好転を示す数字は、未だにないのが現状です。市場が期待する内需の復活、という話にしても、現状では期待にすら届いていない。もし、日本に舞い下りたのが青い鳥ではなく、以前もとりあげたように青い体には星がちりばめられ、翼は白と赤のストライプで彩られた鳥だとすれば、いつ飛び立って、逃げだしてもおかしくないほど、期待とはほど遠い統計の結果なのでしょうね。
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