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サムスン起死回生の「折りたたみスマホ」 ディスプレーがグニャリ…アップルも戦々恐々
http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20150601-00000504-biz_san-nb&ref=rank
SankeiBiz 2015/6/2 11:35
カフェのテーブルの上に置いた小型のタブレット端末を、開いていた手帳を閉じるように2つ折りにして、スマートフォンくらいの大きさに変えて胸ポケットにしまう−。こんな格好よくてスマートな近未来の携帯端末を、来年後半に韓国サムスン電子が発売するとの見方が浮上している。サムスンの「ギャラクシー」シリーズは好調な米アップルの「iPhone(アイフォーン)6」に押され、かつての勢いに陰りが見えている。2つ折りのディスプレーを備えたスマホの投入に成功すれば、シェアだけではなく「革新的企業」という代名詞さえもアップルから奪い取れる。サムスンの算段通りになれば、業界に地殻変動が起きそうだ。
2つ折りのスマホそのものは珍しくなく、2013年春に日本でも登場したことがある。NECカシオモバイルコミュニケーションズ(現NECモバイルコミュニケーションズ)が開発した「MEDIAS(メディアス) W」だ。その2年前の11年には、京セラがスライド式で開く2画面のスマホを米国に投入したが、いずれも話題を呼びながらも人気を博するまでには至らなかった。
■壁を打ち破るブレークスルー
両機種とも基本的には2つのディスプレーを開閉用のヒンジでつなげた構造だった。だが、サムスンが開発中の2つ折りスマホは、ディスプレーそのものが曲がるという点で決定的に異なる。折ったり開いたりという動作を何十万回繰り返しても、ディスプレーが正常な状態を保つ必要があり、まさに壁を打ち破る画期的なブレークスルーといっていい。
韓国経済新聞社の記事を翻訳した中央日報電子版によると、サムスン電子傘下のサムスンディスプレーが16年下期から、フォルダブル(foldable)型の有機発光ダイオード(OLED)ディスプレーを量産する計画が確認されたという。フォルダブルは2つに折りたたむという意味だ。記事では、量産に向けて15年末に試験生産を始めるとの見方も紹介している。
サムスンは昨秋や今年初め、米国で一部の投資家や関係者に試作機を披露していたとされる。もっとも、その際には量産までに2、3年かかると指摘されていた。
ところが、李健煕(イ・ゴンヒ)会長の長男で、サムスングループの次期リーダーと目されているサムスン電子の李在鎔(イ・ジェヨン)副会長が「完全に新しい形のスマホでないとアップルを逆転できない」と開発陣を叱咤(しった)激励。量産開始時期の目標を繰り上げたという。
曲げたり折り畳めるディスプレーそのものは、決して目新しいものではない。日本メーカーも研究・開発を進めており、10年5月にはソニーが巻き取れるディスプレーの開発に成功したと発表した。
■首位奪還に燃えるサムスン
ただ、実用化に当たっては変形に対するディスプレーパネルの耐久性を大きく高めるだけでなく、ディスプレーパネルを保護する素材も変形や衝撃に強いものを開発する必要がある。現在、スマホやタブレット端末の保護素材に用いられることが多い強化ガラスは、折り畳むフォルダブル型のディスプレーには全く使えない。
明らかになっていないものの、サムスンはフォルダブル型に適した新たな保護素材の開発に成功したもようだ。
米調査会社のガートナーによると、世界のスマホ販売台数のシェアで14年10〜12月期にサムスンはアップルに抜かれて首位から陥落した。大画面の「アイフォーン6」が好調なアップルのシェアは、前年同期を2.6ポイント上回る20.4%だった一方、サムスンは中国での販売不振が響き、シェアを10ポイント弱落として19.9%にとどまった。アップルの首位奪還は11年4〜6月期以来、3年半ぶりという。
サムスンが4月に発売した新型の「ギャラクシーS6」は、端末の端に曲面ディスプレーを搭載した「S6エッジ」が人気を呼び、足元では好調という。
「6」シリーズを昨秋投入したアップルも黙っていない。例年であればマイナーチェンジの年にあたる今年発売の次期アイフォーンを全面改良に近い形とし、「6S」ではなく「7」として投入するとの観測もあり、“サムスン潰し”に全力を挙げるとみられる。次期アイフォーンには、指の圧力の違いを認識する「感圧タッチ」パネルの採用が有力視されている。
■色あせるアップルの革新性
とはいえ、アイフォーンでスマホという新たな携帯端末の市場を切り開き、「iPad(アイパッド)」でタブレットを世界に浸透させたアップルの革新性は、共同創業者のスティーブ・ジョブズ氏の死去とともに過去のものとなりつつある。
4月に発売した「Apple Watch(アップル・ウオッチ)」の完成度は高いとされるものの、革新的と呼べるほどの熱狂を世界の消費者にもたらしていない。後を継いだティム・クック最高経営責任者(CEO)は手堅く有能な経営者であっても、発明家とはいえず、革新性というアップルの看板は色あせつつある。
冒頭で紹介したカフェのシーンは、サムスンが以前に公開したPRビデオの一部だ。側面が輝くタブレットを操作して美女の気を引こうとした男を横目に、ハンサムな別の男がフォルダブル型の端末をおもむろに手にして畳むと、美女は目を輝かせて関心を示し、その端末を手にする。美女は消費者を象徴し、ハンサムな男はサムスン、タブレットの男はアップルという構図だろう。
■リスク負えない日本企業
まさにアップルに取って代わるというサムスンの意思表示に他ならず、革新的な製品にかけるサムスンの意気込みは強い。2つに折り畳める新型スマホはギャラクシーシリーズの一つに位置づけられるのか、あるいは新シリーズになるのかは未定と伝えられているが、サムスンの製品に比較的関心の薄い日本の消費者も含め、手に入れたいという欲求を引き起こされる製品になる可能性はある。
ソニーなど日本の電機メーカーは、経営の立て直しを優先して利益重視に軸足を移しており、革新的な製品で熱狂をもたらしてくれることはほとんど期待できない。変形するディスプレーの研究・開発では決して後れをとっていないものの、量産化にこぎつける技術的なブレークスルーうんぬん以前に、新たな市場を切り開くような製品を投入するリスクを抱えることができない経営状況にあるからだ。日本人としては、残念至極としか言いようがない。
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