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デフレ下の完全雇用
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投稿者 一言主 日時 2015 年 6 月 02 日 12:25:28: AlXu/i8.H/.Es
 

デフレ下の完全雇用

日経新聞によると3月の完全失業率が3、4%になったそうだ。これはバブル時に匹敵し完全雇用に近い状態ということだ。

新聞や、メディヤの解説者や、経済学者たちは、これで賃金が上がるようなことを言ってはしゃいでいるが、そんなのんきな事態ではないかもしれない。

賃金が維持されていても、物価が上昇したり、消費税の引き上げなどにより国民負担が増加すると、生活水準の低下をもたらす。

生活苦がより多くの働き手を出現させたのかもしれないのだ。生活維持のため、普通の経済状態なら働く必要が無かった高齢者が、働きに出なければならなくなった。あるいは学生が学費が捻出できず働かねばならなくなった。あるいは経済的な理由で進学できず、働きに出たのかもしれない。

低開発国のように国民全体の就業率が上がったのかもしれない。

今回の失業率の低下の問題点は、
1、賃金の自然な上昇が伴わない雇用増であること。
2、少子化と高齢化が進み、労働人口が減少している最中の雇用増であること。
3、公共投資による、インフラ整備などの施工数が多くなっており、規模も非常に大きくなっている。それに従事しなければならない労働者もたくさん必要である。

1、は、デフレ下では、低所得化が進み、所帯主の賃金が低下している。そのため、ローンの返済や、消費税の引き上げによる負担増、年金のカット、円安による輸入品価格の上昇などにより、所帯主の所得だけでは生活水準を維持できなくなっている。

それ故、家庭の主婦がそれを補う主な担い手であったが、もはやそれでも足りず、子供や、高齢者も、働きに出て生活水準を維持しなければならなくなって、労働者が増えたのかもしれないのだ。

賃金の政府の要請的な賃上げはあるが、需要増の労働不足から賃金が上昇し、その結果再び働く人が増えたというような話は聞かない。

あるのは大規模な公共投資によって労働不足から雇用の機会が増えていることだ。
そのため仕事を得る機会が増え労働量が伸びている。
それが個々人の所得増になっているかは疑問だ。

消費税の引き上げや、円安による物価高の生活苦から働かなければならない人達が増え、そして求人数の改善から雇用増をもたらしたかもしれないのだ。

デフレ下での労働曲線は右下がりである。(もうそろそろこの定義は正しいと認識できるだろう。バブル崩壊後、所得が低下したのは明らかだ。)

国民負担の増加や、ローン返済の負担によって消費が落ち込み、企業の付加価値がさらに低下する。
企業の付加価値の低下は、企業間競争をより激しくし、それが賃金の低下をもたらす。

賃金の低下は、長時間労働や、時間外労働の増加をもたらすため労働量が増えるのである。

デフレ下では賃金の低下や、国民負担の増加が、雇用を増やすのである。デフレ下では雇用増によって失業率が低下しても、賃金増に直結するもではない。

デフレ下の労働曲線の右下がりは、労働人口の増加が賃金の低下もたらす事を意味しているからだ。

消費税引き上げによるデフレの深刻化は雇用を増やし失業率を低下させる方向に働く。現時点での失業率の低下が、このような事態を招いている可能性が大きい。

この調子でいくと、失業率が3%を切る日が間もなくやってきそうだ。特に消費税を10%に引き上げるなら、失業率2%台は計算に入れておかなければならない。

バブルの最盛期の時でも、失業率が2%台に乗ることは無かった。それはバブルでは、失業率が完全雇用に近づくに連れ、所得が大きくなるからだ。

完全失業率が低下し、完全雇用に近づけば近づくほど、所得が増えていくため、働かなくても暮らせる人が巷に増えるのである。そのため完全失業率が2%台にならなかったのである。

逆にデフレ下では、低所得のため、労働時間を延ばしたり、アルバイトを増やす傾向があり、完全失業率が2%台に突入する可能性が高いのである。

消費税引き上げなどの国民負担の増加が、生活苦を招き、それが労働量の増大に結び付く。それがさらに生産物の付加価値を下げ、低賃金化していく。その悪循環が失業率2%台を実現するのだ。

皮肉なことに、バブル時の高所得の時より、デフレの低所得の方が、雇用数が増え、失業率が低下するのである。

なるほどバブル時の高所得は労働意欲を高め、雇用増を導くが、働かずに暮らせる人も増えるため、日本全体の就業率は上がらない。

しかしデフレ下の低所得は、生活苦から、あるいは生活水準維持のために、働かねばならない人が増え、就業率が上がっていく。そのため失業率がどんどん低下していくことになる。


バブル時の完全雇用は、労働者がその選択権をもっているが、デフレ時の完全雇用は、生活維持のため働かざる負えず、選択権はおおむね企業側にある。

失業率が低下するが、賃金が上がらず、国民の就業率が上昇するのである。

2、少子高齢化で労働人口が減少している。

その中での雇用増である。普通の状態であれば労働人口が減少すると、労働者の取り合いから賃金が上昇するはずである。しかしデフレ下の日本では、賃金が自然に上昇していない。

労働人口の減少しているさなかで、失業率の低下は、国民の就業率が上がったからと考えられる。なぜなら
賃金が増加していないからである。

3、はてしない公共投資によるインフラ整備の増加は、より多くの労働者を必要としている。そのため必要以上に労働者の働く場所が増えている。

デフレの一つの特徴に、所得線が45度以下に下がっていることが上げられる。そのため付加価値が低下しており、生産量を正常な経済の状態よりも増やさなければならない状態である。

そのため多くの労働者が余計な生産に従事していることになる。公共投資の増加はこのような状態をより一層強めるものである。

このようなデフレ下の雇用機会の増加が、失業率を低下させ、日本の就業率を高めているのである。

これから先、デフレスパイラルが深刻化するにつれ、より多くの公共投資が行われるだろう。その結果、雇用の機会が増え、労働量が増えていくが、生産量の増大は低賃金化を招き、さらなる縮小循環になっていく。
もし消費税を10%にするようなことがあれば確実に失業率は低下し、2%台に入るだろう。それは完全雇用という名の国民皆勤の状態である。それでもさらに低所得化していくのである。

消費税の引き上げによるデフレ恐慌が、政府の借金による公共投資をさらに増やすことになる。公共投資による労働機会の増加は、労働量を増やす。

労働量の増大が、失業率を2%台にし、より低賃金化をまねく。

一言主
http://blog.so-net.ne.jp/siawaseninarou/
http://www.eonet.ne.jp/~hitokotonusi/
参照

 

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コメント
 
1. 2015年6月02日 12:37:01 : nJF6kGWndY

>これから先、デフレスパイラルが深刻化する

まだ、理解できず、こんな見当違いのことばかり書いているのか


>デフレ下の日本では、賃金が自然に上昇していない

QEのせいで名目賃金はとっくに上昇に転じていたが

実質すら、原油安などのせいで一時的に上昇に転じている


原油安が終われば、インフレ(コアCPIがプラス)化していくのも確実だ

仮に次の増税がなければ、さらにインフレ率が上昇するが、

増税で、また1年程度は下押しするのは確実だろう


http://nikkan-spa.jp/857360 「国民の所得は増えていない」のウソ

新規雇用者の所得が賃金上昇分を相殺

 安倍首相は「アベノミクスの推進により新たに100万人の雇用が増えました」と、国会などで発言しています。しかし、この新規に増えた雇用100万人は女性と高齢者の非正規雇用が中心であり、フルタイムでは働かないパートの方が多いため、賃金水準は正社員が含まれている平均賃金と比べるとかなり低くなると思います。ましてや新規雇用者は職場のノウハウや知識も乏しい新人です。新人をいきなり平均賃金以上の待遇で迎え入れる企業はまずないでしょうから、アベノミクス以降で新たに雇用された100万人の給料は平均賃金を大きく下回る水準であると推測されます。

 したがって、いかに2014年にベアが実施され全体の給与が底上げされたとしても、新たに加わった新規雇用者100万人の賃金が平均賃金を引き下げてしまうため、ベア分を相殺し、結果として2014年の平均賃金は微減となったというわけです。とへいうものの、ベアが実施されたのは確かですので、その影響が皆無なんてことはありません。ベアがなければ平均賃金はもっと下がっていた可能性もあります。

▼国民の所得総額は増えている

 新規に雇用された100万人が平均賃金を引き下げていることの根拠として、就業者が受け取る給与の総額である「雇用者報酬」の推移(図2)を挙げたいと思います。


http://www.nikkei.com/article/DGXLASDF02H04_S5A600C1MM0000/
4月の実質賃金0.1%増、2年ぶり上昇 賃上げが寄与
2015/6/2 10:44 (2015/6/2 12:19更新)
 
 厚生労働省が2日発表した4月の毎月勤労統計調査(速報値)によると物価変動の影響を加味した実質賃金の指数は前年同月比で0.1%上昇した。上昇は2年ぶり。名目の物価を押し上げた2014年4月の消費増税から1年がたち統計上の影響がほぼ消えたほか、企業業績の改善や人手不足による賃上げも寄与した。家計の実感に近い実質賃金が上向き始めたことは個人消費の追い風となりそうだ。

 調査は、5人以上の事業所が対象。実質賃金は名目の賃金指数を消費者物価指数(CPI)で割ってはじく。プラスなら物価上昇を超えるペースで収入が増えていることを示す。3月は2.7%のマイナスだった。

 実質賃金が急浮上したのは、消費税率が昨年4月に5%から8%へと引き上げられた影響がはげ落ち、前年比でみた名目物価への影響が中立になったことが大きい。

 加えて電機、自動車といった分野で大手企業が相次ぎ過去最高益を更新するなど、好業績を背景に賃金水準を底上げするベースアップ(ベア)も広がった。サービス業を中心とする人手不足も手伝い、賃金の上昇率が見かけ上の物価の伸び率を上回った。

 賃金の名目値を示す1人当たりの現金給与総額は、前年同月比0.9%増の27万4577円だった。業種では、学術研究等が8.2%増と最も高い伸びを示した。不動産・物品賃貸業(5.7%増)や電気・ガス業(5.3%増)、金融・保険業(2.9%増)も増加した。一方、雇用者数が多い製造業は0.5%減とマイナスだった。

 基本給を示す「所定内給与」は0.6%増の24万3293円。ボーナスなど「特別に支払われた給与」は1万1201円で14.9%増えた。

 賃金は目先、強含みとなりそうだ。4月の失業率は3.3%と18年ぶりの低さ。労働市場は引き締まり気味で、人手を確保したい企業が賃金を増やす動きが広がる。

 一方、経団連がまとめた15年の春季労使交渉の1次集計で、ベアと定期昇給をあわせた賃上げ率が2.59%。この分は5月以降の賃金に本格的に反映される見通しだ。バークレイズ証券の森田京平チーフエコノミストは「ベアの効果が行きわたるのは7月で、実質賃金の上昇が続く」とみる。

 労働市場も引き締まってきた。ただ実質賃金が今後も上向き続けるかは、物価次第だ。2日に1ドル=125円台を付けた円安が一段と進めば輸入品の価格が上昇し、物価全体を押し上げかねない。実質賃金を押し下げる要因となり、可処分所得が減った家計が節約に動く可能性もある。

 毎月勤労統計は、速報値では数字が高めに出る傾向がある。正社員に比べ収入が少ないパート労働者の比率が少ないためで、今月中旬に発表する確報値がやや下振れするとの見方もある。


2. 2015年6月02日 13:07:10 : juAPSsCNWg
日本の完全雇用は、2%であるとおぼえておこう。
高級広告雑誌日本経済新聞の言うことは、うのみにしないように。

3. 2015年6月02日 13:49:07 : 1ngw2OuUP6
日銀に国債を直接引き受けさせるようなやり方で捻出した資金を公共投資に積極的に使う。こうして、労働力は足りなくなった。供給能力の不足が輸出を低迷させ、財政ファイナンスが引き起こすゼロの長期金利と過剰な浪費政策が不必要な円安を招く。

経済構造が完全に硬直化した。今のところ、アベノミクスは完全に落第だ。庶民は浪費同然の政策のために働かされる。


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