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OPECの影響力弱まる石油相場 OPECが警戒する米石油産業
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投稿者 rei 日時 2015 年 6 月 01 日 17:06:11: tW6yLih8JvEfw
 

OPECの影響力弱まる石油相場 
By BENOÎT FAUCON, BILL SPINDLE AND SUMMER SAID
原文(英語)
2015 年 6 月 1 日 14:19 JST

サウジアラビアのヌアイミ石油鉱物資源相は、ここ8カ月の原油相場の下落をOPECは「長期的に」見ていると発言 JASPER JUINEN/BLOOMBERG NEWS
 今週開催される石油輸出国機構(OPEC)総会では、世界のエネルギー市場に変化が生じている中で、主要産油国カルテルの影響力がいかに弱まったかが明らかになるだろう。

 原油相場は、米国の生産がこの5年間で急増する一方、世界の石油需要が弱まる中で、過去8カ月間で急落した。ロンドンのインターコンチネンタル(ICE)先物取引所で7月受け渡しのブレント原油は、29日の終値が1バレル=65ドル程度となった。OPEC加盟国の多くが自国予算を均衡させるうえで必要とする100ドルを大幅に下回っている。

 過去においては、OPECは減産により原油相場を高めたり、危機や戦争あるいはOPECの総意の水準に誘導したいときには豊富に供給することで相場を安定させたりしてきた。

 OPEC加盟12カ国は5日にウィーンでの総会で、これまでとは大きく異なり何もしないという対応を示す公算が大きい。

 OPEC代表団は、過去3年余りで7回目となる会合で、現在の日産上限3000万バレルを据え置く見通しだ。

 元石油企業経営者で現在コロラド州知事を務めるジョン・ヒッケンルーパー氏は先ごろ、「OPECは過去のものだ。世界経済に対する影響力は大幅に低下している。実際にわれわれの命運を握っているのはわれわれ自身だ」と語った。コロラド州は昨年、8600万バレル以上の石油を生産した。OPECが世界の石油生産に占める地位は、揺るぎなかった1979年には50%以上だったが、米国のシェールブームで約3分の1に後退した。

 OPEC幹部は自らの価格決定力が弱まったことを認めているが、一部のメンバーは低い相場水準が終わるまで待つことができると自信を示している。

 国際エネルギー機構(IEA)によると、世界の石油生産は現在、需要を1日あたり約200万バレル上回っている。今年は需要が1日あたり100万バレル以上増える見通しで、米国での生産の伸びは終わる見通しだ。こうした中、OPEC首脳は需給が今後数年で均衡するだろうと述べている。加盟諸国は、これでOPECの影響力が回復することを期待している。

 サウジアラビアのヌアイミ石油鉱物資源相は今年3月、ベルリンでの講演で、北海とアラスカでの生産で世界的に石油が供給過剰になった80年代に、OPECが減産した際のことを振り返った。OPECが減産した隙間を非加盟国が埋めたため、この判断はOPECの利益を損なった。ヌアイミ石油相は「同じ過ちを再び犯すことはない」とし、「われわれは長期的に見ている」と語った。

 それでも、一部のOPEC代表は個人的に、総会の開催を従来の年2回から1回に減らすとのヌアイミ石油相の昨年の提案に動揺した。数人の代表はこの提案を、世界最大の石油輸出国でOPECの盟主であるサウジでさえ、OPECが影響力を失ったと考えている証拠だと受け止めた。

 今週の総会でOPECが一部加盟国に減産圧力を加える兆しは見当たらない。OPECは前回11月の総会で、あからさまに減産を行わなかった。現状維持は、昨年夏まで3年間にわたった1バレル=100ドル超の水準から原油相場が下落したために生じた産油国の財政難を深刻化させるだけだ。

 最近OPEC内の議論で代表者らは、石油価格は当面100ドル台には戻らない見通しを苦々しくも認めた。ある代表者は「これが新たな現実だ。そしてOPECの団結が試されることになるだろう」と語った。

 一方、多くの業界関係者によると、一部産油国の新たな指導者らは、石油の長期的需要が予想よりも早くピークに達するかもしれないと心配し始めている。地球温暖化対策で、消費者や各国の化石燃料によらないエネルギー源への転換が促され、エネルギー効率の高い措置が増える可能性があるためだ。こうした動きに対する懸念は、サウジのほか、アラブ首長国連邦(UAE)やクウェート、カタールといった中核諸国の当局者の間で特に強まっている、とOPEC関係者は言う。

 また、原油相場の下落でOPEC内に亀裂が生じ、アルジェリアやナイジェリアなど財政状況が最も不安定な加盟国は、減産を促そうとしている。アルジェリアは輸出収入の98%を石油に依存しており、アナリストによれば財政を均衡化させるには石油価格が2倍以上になる必要がある。11月の前回総会でアルジェリアの石油相は、加盟国全体の減産に反対するヌアイミ石油相に再考を促したが果たせなかった。一方、ナイジェリアは3月に臨時総会開催を要請したが、サウジがすぐにはねつけた。

 現在、OPECはさまざまなライバルとの競争に直面している。しかも、その競争は激しくなる余地があり、原油相場に下落圧力を加えるだろう。

 IEAによると、OPEC産石油に対する需要は横ばいないし減少している。競合産油国は自国消費を増やしたり、輸出市場に乗り出したりして、OPEC産石油は不利な立場に追い込まれている。ロシア、ブラジル、中国、ベトナム、マレーシアは、ここ数カ月で生産が大幅に伸びている。こうした中でIEAは最近、世界の石油市場における戦いは「始まったばかりだ」と指摘した。
https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0CB8QqQIwAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB12759595096617873597504581020772309368068&ei=WRFsVZjWEYWL8QXm0YG4Aw&usg=AFQjCNGxq3E-gZg5HHb6A35uvs7u67iaKw&sig2=RVXyayRqdim_f-OeUJl9aQ


OPECが警戒する米石油産業 
By LIAM DENNING
原文(英語)
2015 年 6 月 1 日 15:32 JST

コロンビア国営石油会社エコペトロールの製油所 Paul Smith/Bloomberg News
 原油市場の強気筋は、テキサス州にはびこるタンブルウィード(回転草)がさらに南で発生するよう望みを託している。

 原油価格が昨年の暴落から回復しているという主張は、テキサスなどの州でキャッシュフローに制約がかかったシェールオイル生産業者が掘削装置(リグ)の稼働を減らしたことが主な根拠となっている。原油先物の中心限月が3月半ばから約30%上昇し、1バレル=60ドル近くに達したのには、稼働リグ数の減少が反映されている。

 だが、実際の米石油生産には今のところ目立った減少はないようだ。事実、米エネルギー省の最新推計によると、生産はこの数十年で最高に達している。これらのデータは完全には程遠い。しかし、減少が急に止まったリグ稼働数と共に、米国の生産には今のところ回復力があることを示唆している。

 そのため、原油市場の強気筋は先週、コロンビアから届いたニュースを好感したはずだ。同国最大の生産量を誇る国営石油会社エコペトロールは、2020年の石油・天然ガスの予想生産量を石油換算で日量40万バレル以上も削減した。昨年の生産割合に基づき、その82%が石油だと仮定すると、約35万バレルの供給がなくなることになる。

 これは相当な量だ。国際エネルギー機関(IEA)の中期予測によると、石油輸出国機構(OPEC)以外の生産量は2014年に比べ、20年までに日量340万バレル増加するという。エコペトロールの減産量はその約10%に匹敵する。


米石油採掘・生産部門の株式発行額
 ただ、エコペトロールの不振を予期しているIEAは、コロンビアの油田を当てにしていない。事実、同国の産油量は2020年までに日量15万バレル減少すると見込んでいる。68ドル未満という20年の原油先物価格からパニックの気配は感じられない。

 しかし、予想される生産減少のリスクが実現しないとは言えない。ブラジルを見てみよう。IEAは同国の生産量が20年までに日量90万バレル(OPEC以外の予想増加量の約4分の1)近く増加するとみている。しかし、同国の石油生産の約90%を占める国営石油会社ペトロブラスは、汚職と目標未達の代名詞となっている。しかも同社は、下方修正したとみられる新たなガイダンスを近く発表する予定だ。

 汚職スキャンダルを別にしても、ペトロブラスやエコペトロールは支出を抑制する必要性に苦しめられている。原油価格の低迷でキャッシュフローや資本へのアクセスが制限され、成長計画も骨抜きとなっている。IEAの見通しでは、予想供給量が昨年の見通しと比べても削減されており、削減分のほぼすべてをロシアなどの産油大国を含む新興国が占めている。

 その一方、米国の石油採掘・生産会社にとって資本市場は依然開放されている。調査会社ディールロジックのデータによると、現在の資金調達のペースを年率換算した場合、同部門の今年の借り入れは、平均原油価格が1バレル=94ドルだった2012年以降最大で、株式発行は少なくとも20年ぶりの高水準だという。

 従って、コロンビアやブラジル、イラン、イラクといった地域には強弱の不確定要素が多数ある一方、米国は石油供給面で中心的要素であり続けるだろう。6月5日に定例総会を開催するOPECにとって、資本市場に支えられた米国の石油産業との競争は大きな懸念であり続けるはずだ。OPECには市場シェアを維持する必要があるため、その姿勢が大きく変わることはなさそうだ。

 原油価格が1バレル=60ドルまで回復しただけで、米国のシェール生産削減に歯止めがかかったことを踏まえると、OPECと米国の石油産業の戦いは決して終わっていない。
http://si.wsj.net/public/resources/images/BN-IQ937_oilequ_G_20150529130223.png

https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0CB4QqQIwAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB12759595096617873597504581020873287797178&ei=kRFsVcG1MMjl8AXWzYDIAw&usg=AFQjCNGO6P8axkUDcSBov8Ry39J0Phvi5A&sig2=6boiQ3wVjFzMhDi1E8wVBw&bvm=bv.94455598,d.dGc

 

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