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雑感。FIFAとAIIB
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52704001.html
2015年05月30日 在野のアナリスト
FIFA会長選、ブラッター会長の5選が決まりました。しかし会長選の2日前、賄賂事件が発発覚するなど、きな臭い動きもありました。米国が対抗馬であるアリ、ヨルダン王子の支援に動いたことは間違いありませんし、恐らくその中には18年開催の露国、20年開催のカタールW杯への影響も考慮したものなのでしょう。経済圧力をかける露国が、W杯で復活してもらったら困る。米国のシェール革命を保護する目的で、やや原油高に誘導しつつある米国にとって、それで露国まで復活させるわけにはいかないのです。一方、カタールのW杯は炎天下の中での試合となるため、冬に開催時期をずらす、との案があります。しかしそうなると欧州プレミアリーグの開催時期と重なる。欧州が困ったことになります。そこで米国が欧州での協力をとりつけ易くなり、今回の賄賂事件摘発を、会長選前という絶妙なタイミングを見計らって実行に移したのでしょう。
間違えてはいけないのが、不正や腐敗があったら、それは是正されるべきだということです。タイミングがどうだろうと、修正されるべきは修正する必要があります。ただ今回、再選されたことで、次の動きとしてはFIFAに代わる新たな組織の設立、という話になるかどうかです。カタールW杯に、欧州プレミアリーグは選手を参加させない方向ではないか? とも囁かれることから、金権体質により物事が決まってしまうFIFAとは異なる、新たな組織を立ち上げてW杯を開催した方が、欧米にとって利があることになってきた。米国の次の一手、元々サッカー人気が低く、興味のなかった米国が利を見て動かないはずもなく、新組織の話がいずれ出てくるかもしれません。
産経に面白い記事がありました。「中国の代弁者」として、中国主導のAIIBに参加を促すメディア、論者を批判しています。金融面での新たな世界秩序を構築しようとする試みにのるな、と。麻生財務相がADBの融資枠拡大について言及していますが、これが一筋縄ではいかない話です。発言権と、出資額はほとんど比例しますから、仮に新興国や日米以外の出資比率を上げてしまうと、日米にとって面白くない。かといって日米とも、財政負担は増やしたくない。日米以外の出資比率を上げた上で、影響力はこれまでと同じでいたい。そんな調整になるので、以前から困難な話として、ADBの融資枠拡大という話は伝わっていたぐらいなのです。
金融面での新たな秩序どころか、金融面での既存の秩序は、硬直化して極めて使い勝手の悪いものとなっていたのです。それどころか、中国の参加にも極めて冷淡な態度をとった。前出の、出資比率を引き上げても影響力は変わらないよう、日米が主導していたのであり、それを嫌って中国が新たな組織を立ち上げてしまった。もしFIFAで同じ話が出てきたとき、産経は欧米が主導するその組織に「既存の秩序への破壊だ」といって、反対でもするつもりなのか? 既存の組織が弱体化したり、腐敗まみれになっていたり、そうしたことになっているなら、それはもう変革を促すしかない。それが内部からか、外部からか、といった違いでしかないのです。
そもそも論として、AIIBのことを国民にほとんど知らせず、世論が反対している、というのも日本政府の要人が批判しているから、という理由に過ぎません。個人的には、AIIBに参加してもメリットが少ない、とは感じますが、少しでも収益機会を逃したくない、という産業界の要請にメディアが答えることは、これまでも多くみられたことです。それを批判し、封殺しようとするなら、両論併記を謳う放送法にも抵触します。まず行うべきは、賛否の前に国民に伝える義務を、政府や財務省からの圧力で、メディアが怠ってきた点にあるのでしょう。
FIFAとて、サッカー発祥国とされる英国に対抗し、仏国でできた組織です。既存の組織を打ち破ってきたものが、後に優勢となった際に、そちらに注力せずに孤立化したら誰が責任をとるのか? 既存の秩序などというものには、常にそれに挑戦しようとする者が現れるものです。これまでも、これからも。最後に、仏国の諺を記しておきます。「言葉は思うところを偽るために、人に与えられた」 今のメディアが、人を偽るために言葉を弄しているのでないのなら、まず利害得失をしっかり伝える、というところから始めるべきなのでしょうね。
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