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国債利回り、成長率との関連性が不透明に
RICHARD BARLEY
原文(英語)
2015 年 5 月 29 日 17:55 JST
ワシントンのFRB本部 Bloomberg News
4月の国債市場を襲った突風は収まった。米国、ドイツ、英国の10年物国債利回りは、年初来の最低水準を0.5%程度上回っている。だが、他の経済・金融指標との比較を含め、過去の基準からすると異常に低いままだ。
過去にまずまずの実績がある国債利回りの経験則の1つに、国内総生産(GDP)の名目成長率と連動する、というものがある。例えば、10年物の米国債利回りは、1970年代にインフレが高まると名目GDP成長率に後れを取ったが、その後米連邦準備制度理事会(FRB)が物価の抑制に動くと連動して低下した。1980年〜2003年の間、この2つの数値は比較的密接に連動した。
だがそれ以降、この構図には混乱が生じている。10年物米国債利回りは03年〜07年に上昇したが、名目GDP成長率の上昇が示唆したほどではなかった。これがグリーンスパン元FRB議長が直面した「債券市場の謎」の核心にあった。そして10年の初め以降、四半期ごとのデータに基づく米国の名目GDP成長率は平均3.9%、10年物国債利回りの平均は2.5%となっている。米国債利回りは、上昇するとの予想を一貫して裏切ってきた。
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【青】米国の名目GDP成長率、【緑】10年物米国債利回り(四半期平均)
ユーロ圏では、経済への打撃がより大きかったとはいえ、10年物ドイツ国債の利回りが4月に0.05%という非現実的な領域へ低下した。今では0.5%に持ち直しているが、欧州の明るい経済見通しにはまだ一致していない。2020年1月償還のドイツ国債利回りは今もマイナスとなっている。
世界金融危機以降、中央銀行の政策、特に一連の大規模な量的緩和が、国債利回りの水準を本来よりも数段下げてきたのは明らかだ。しかし、それでこうした相違を完全に説明できる可能性は低い。国債利回りは、成長とインフレが永久に抑えられる世界を描いているようだが、長期的に見てそれを正当化するのは難しいと思われる。
新たな金融・経済問題のリスクが投資家を脅かし、国債利回りを圧迫しているのではという見方もある。こうした傾向は、中銀が超緩和政策を継続することで強固になっているのかもしれない。一部の政策当局は低金利継続の理由として、不透明感の高まりを強調しているためだ。
長期国債利回りのさらなる上昇を引き起こす可能性が最も高いのは、金融引き締め政策への移行だ。国債投資家はすでに4月に痛みを経験した。名目GDP成長率と国債利回りの関連性が再び幅を利かせれば、多くの痛みに見舞われるだろう。
https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0CB4QFjAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB11729237550577364065404581015041213772266&ei=QIZoVYG3DuGxmwXGrYD4BA&usg=AFQjCNF0LkMqfzMvSFWKBTlT1WvaY60QcQ&bvm=bv.93990622,d.dGY
失われたインフレを求めて
By PAUL HANNON
原文(英語)
2015 年 5 月 29 日 15:23 JST
60%値下げ!―インフレの芽はどこに? Associated Press
ブラジルやロシアなどいくつか例外はあるが、世界の各中央銀行は二つの差し迫った問題に直面している。インフレ率がどうしてこれほど低いのかと、どうしてインフレ率を上げるのがそんなに難しいのかだ。
直近の統計では、先進34カ国の年間インフレ率は3月にわずか0.6%で、多くの中銀が目標とする2.0%を大幅に下回った。このうち半数未満の国で、消費者物価は前年よりも下がっている。
石油価格の下落が一因だが、低インフレがこれほど長引いている理由の説明にはならない。また、大半の中銀など当局がここ数年、いつも実際よりも高いインフレ率を予想してきた理由も説明できない。
バークレイズのエコノミスト、マービン・バース氏は先週発表した調査リポートで、失われたインフレ、つまり、需給ギャップなど従来なら信頼できたはずの指標で捕捉できていたのに、現在は見つからないインフレを探そうと試みた。この結果、人口動態や金融危機を受けたレバレッジ解消、技術革新、グローバリゼーションを勘案しても、インフレ率が目標に届かない理由の35%は説明がつかなかったと言う。
つまりインフレは一部が失われているのだが、その理由は分からない。このインフレの一部は姿を消したときと同様、再度現れるときも不思議な形で浮上するという可能性がある。また、インフレ要因はどこかに存在しているのだが、それが動き出すよう中銀が積極的に働きかける必要があるにすぎないという可能性もある。
だが、国際決済銀行(BIS)や米連邦準備制度理事会(FRB)、米財務省に務めた経験のあるバース氏は、もう一つの可能性についても示した。それは、中銀が失われたインフレを回復できない、という可能性だ。
「市場や一般大衆の間でさえ、インフレを生み出す中央銀行の力に対する疑問が高まっているようだ」と指摘した。
中銀がインフレを生み出す力を失った、と結論づけるのは早すぎるだろう。こうした少し恐ろしい可能性が今後、否定されるようになれば、欧州中央銀行(ECB)や日本銀行、中国人民銀行などが昨年末以降打ち出した新たな刺激策は、まもなく結果を出すに違いない。
https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=2&cad=rja&uact=8&ved=0CCEQFjAB&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB11729237550577364065404581014823705877608&ei=Q4VoVd-GOaiMmwXwxIKoBA&usg=AFQjCNGxcmduFjOBATxI8b-ps9E1qufz3g&bvm=bv.93990622,d.dGY
英中銀がデフレを懸念しない理由―二つのインフレ指標
JON SINDREU
原文(英語)
2015 年 5 月 29 日 13:22 JST
http://si.wsj.net/public/resources/images/BN-IQ281_RTE_UK_G_20150528103454.jpg
二つのインフレ指標、四半期ごとの前年同期比上昇率(青:GDPデフレーター、緑:CPI) The Wall Street Journal
英国のインフレ率はマイナスに転落したが、イングランド銀行(中央銀行)はさほど気にしていない。英国統計局(ONS)が発表した4月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比0.1%低下し、1960年以来初めて1年前の水準を下回った。だがイングランド銀行のカーニー総裁はこれについて、「一時的な現象」であり、本格的なデフレに突入することはないと自信満々に言明している。
ONSが28日発表した1-3月期国内総生産(GDP、改定値)はイングランド銀行の主張を裏付けるものだった。1-3月期の物価上昇率は、CPIで計算するとほぼゼロだったが、GDPデフレーターと呼ばれる別の指標でみると1.8%だった。
危険なまでの物価下落に見舞われ、家計支出の減速が心配される英国だが、この1.8%という数値を受け、多少なりとも懸念は払拭(ふっしょく)されたはずだ。
しかし、イングランド銀行は正式にはGDPデフレーターをモニターしていない。法律上、CPIを追跡するよう義務付けられているからだ。政府はイングランド銀行に対し、CPIの年間上昇率を中期的に2%に維持することを求めている。
実際には、報道機関を含む大半の機関は通常、CPIの数値に注目している。CPIは毎月発表され、(GDPデフレーターなどより)理解しやすいからだ。CPIの算出にあたり、ONSは消費者が購入する最も代表的な財・サービスのバスケット(組み合わせ)を決め、毎月半ばごろにこれらの品目の価格変動を調査する。
だがこうしたやり方を使うと、数値は海外の動きや一度限りの要因に大きく影響される。例えば、原油や食料品の国際価格動向は、2011年にCPI上昇率を押し上げた一方、現在は押し下げ方向に働いている。一度限りの要因としては、今年のイースター(復活祭)休暇が例年よりも早かったことが挙げられる。イースターの時期がずれたことで、4月のCPIは一見誤解を招きかねない低めの数字となった。
CPIとGDPデフレーターは従来、短期的に若干の違いが生じることはあったものの、長らく同じような数値だった。しかし、2009年以降は著しく異なる傾向を示している。
実のところ、物価低迷の有無を判断する指標としてはGDPデフレーターの方が優れている、というのがエコノミストの一般的な見方だ。CPIとは対照的に、GDPデフレーターは国内要因に基づく物価の動きしか考慮していない。つまり、海外諸国との取引から生じる物価変動は除外しているのだ。また、消費財・サービスの価格だけではなく、全ての価格を対象にしている。
GDPデフレーターは、財・サービスのバスケットではなく名目GDPと実質GDPを基に算出される。
「価格の上昇が原因でGDPが増加し、数量は不変の場合、この増加分は経済成長によるものではない」とONSは説明している。一定の期間中における物価ベースで見た経済の増減と実際に生産された財・サービスの増減との比、つまり、名目GDPと実質GDPの比率がGDPデフレーターに相当する。
しかし、CPIとGDPデフレーターの乖離(かいり)が全く反対のことを意味している可能性を懸念するアナリストもいる。ONSの数値は英経済の力を過大評価しているのではないかという見方だ。ONSの28日の発表で確認された通り、英経済の1-3月期成長率はすでに期待外れの結果だったというのに。
ロイヤルバンク・オブ・スコットランド(RBS)のエコノミスト、ロス・ウォーカー氏は「GDP統計は(他の指標より)修正が入りやすい」と警告する。ONSは現在、名目GDPではなく、物価変動の影響を排除した実質GDPを成長率の基準値として使用しているが、GDPデフレーターがインフレを過大評価しているとすれば、名目GDPは実際には発表値より低いことになる。ウォーカー氏は「根本的な需要が見た目ほど大きいか確信が持てない」と言う。
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