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今年の世界スマホ市場、中国とAndroidが急減速
「iPhone」は市場平均上回る伸びで成長する見通し
2015.5.28(木) 小久保 重信
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スマートフォン市場に2つの転換点が見られるという〔AFPBB News〕
米IDCがこのほどまとめたスマートフォン市場に関するリポートによると、今年の世界市場における年間出荷台数は14億4730万台となり、前年実績から11.3%増加する見通しだ。
Androidは依然断トツ
これに先立ち同社が報告していた昨年の年間出荷台数は13億40万台で、その前年比伸び率は27.7%だった。これと比較すると今年の伸びは大きく減速することになる。
今年のOS別年間出荷台数予測値は、米グーグルの「Android」が11億4930万台で、その市場シェアは79.4%。これに米アップルの「iOS」(iPhone)が2億3700万台で次ぎ、その市場シェアは16.4%。そして米マイクロソフトの「Windows Phone」が4680万台で、シェアは3.2%になると、IDCは見ている。
こうして見るとグーグルのAndroidは依然、世界市場で大きくリードしているが、IDCによると今年はスマートフォン市場に2つの転換点があるという。
中国スマホ市場、伸び率2.5%とどまる見通し
1つは中国における出荷台数の前年比伸び率が2.5%に低下し、初めて世界全体の伸び率を下回ること。もう1つはAndroid端末の前年比伸び率が8.5%となり、こちらも世界のそれを下回ること。これらは決して一時的なものではなく、少なくとも2019年まで続く今後の傾向だとIDCは分析している。
IDCでスマートフォン市場の調査を担当するライアン・リース氏によると、市場には依然多くの成長機会がある。「だが過去何年もの間、世界を牽引してきたこの2つのセクターで成長減速が始まっている」と同氏は指摘している。
IDCは先頃、今年1〜3月期の中国のスマートフォン出荷台数が6年ぶりに前年割れになったと報告していたが、リース氏も「世界最大の市場である中国は、すでに成熟段階に到達しており、かつてのような急成長は難しい状況だ」と述べている。
そしてこのことはAndroidに大きな影響を及ぼすという。というのも中国はAndroidにとって、その成長を支えてきた重要な市場だからだ。
例えば昨年はAndroid端末の全出荷台数の36%を中国市場が占めた。こうした中国市場の成長減速を背景に、同国のスマートフォンメーカー各社は今、次の成長市場である国外市場に目を向けていると、IDCは報告している。
iPhone 6の市場投入で状況一変
なおアップルのiPhoneも昨年までの3年間は同様に、出荷台数の伸び率が業界全体のそれを下回っていた。ところが昨年の最終四半期近くに市場投入した大型の「iPhone 6」「同6 Plus」が即効的な効果をもたらし、状況が一変した。
IDCの分析によると、Androidユーザーのかなりの部分は、画面サイズの大きな端末を求めてiPhoneからAndroidに乗り換えた。アップルは今、そうしたユーザー層を取り戻すことに注力しているという。またIDCのリース氏は、「現在利用されているiPhoneの多くは6シリーズよりも前の機種であるため、iPhoneにはまだ成長の余地がある」とも述べている。
IDCが予測する、iPhoneの今年の前年比伸び率は23.0%。この伸び率はその後も業界平均を上回り、少なくとも2019年までは同様の傾向が続くだろうと、IDCは予測している。http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/43896
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