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中国のソーラー業界がまた大きく揺らいでいる(© Can Stock Photo Inc./guijunpeng)
中国のソーラーパネル業界:不吉な株価大暴落
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/43892
2015.5.28 The Economist JBpress
「人類社会の発展の歴史は、エネルギーの発見と開発の歴史である」――。中国屈指の億万長者の1人、李河君氏は5月20日、こんな壮大な言葉をもって、北京のオリンピック森林公園近くにあるクリーンエネルギー専用の巨大展示センターを落成させた。
そのイベントで、李氏の会社は未来の自動車向けのソーラー技術など、同社が開発中だという派手な装備品をひけらかした。
李氏が北京で熱弁を振るっていた頃、香港では、李氏の非公開企業、漢能控股集団(ハネジー・グループ)の上場子会社である漢能薄膜発電集団(ハネジー・シン・フィルム・パワー・グループ)に驚くべきことが起きていた。
会社の年次株主総会に李氏が出席しなかったことに動揺してか、投資家たちが漢能薄膜の株式を投げ売りしたのだ。
■ほんの数時間で半分近い時価総額が消滅
前日には約400億ドルあった同社の株式時価総額は、規制当局が介入して取引を停止するまでに半分近く失われていた。ある試算では、李氏はほんの数時間で約140億ドルの個人財産が消失するのを目の当たりにしたという。
漢能薄膜は、太陽に近づきすぎた一番最近の中国のイカルスにすぎない。中国のソーラーエネルギーの草分け、尚コ太陽能電力(サンテックパワー)は世界最大のクリーンエネルギー企業に上り詰めた。同社最高経営者(CEO)の施正栄氏は中国一の富豪になった。
ところが、ソーラー業界の世界的な低迷と会社の財務不正疑惑によって、サンテックパワーは2013年に壮大な破綻劇を演じることになった。
その後、漢能薄膜は無名の企業から世界最大のクリーンエネルギー企業の座を勝ち取った(李氏も一時、中国一の富豪と見なされた)。昨年9月から去る5月20日の株価暴落まで、漢能薄膜の株価は5倍も上昇。時価総額はテスラやツイッターを上回った。
李氏は中国で有名人になり、国家主席になる前の習近平氏を含め、政治家たちが同社の施設を訪問した。
漢能薄膜は5月21日、会社と経営陣は何も悪いことはしていないと主張する短い声明を発表。会社は通常通り稼働していると述べ、引き続き十分自信を持っていると約束した。
同じ日、香港の金融・不動産グループ、高銀(ゴールディン)の傘下企業2社の株価が半値近くに急落した。漢能薄膜は最近、片方の会社を金融アドバイザーに任命していた。ただし、本誌(英エコノミスト)が印刷に回された時点で、この関係が持つ意味ははっきりしていなかった。
漢能薄膜の株価暴落の大きさを説明することにはならないが、競争が激しく、動きの速いソーラーパネル事業でカネを儲けることは難しい。だが、漢能薄膜については、いくつも厄介な問題が取り沙汰されている。5月半ばには、香港の規制当局が同社の調査を開始したと報じられた。
■親会社との不透明な関係に疑惑の目
一例を挙げると、この上場企業と非上場の親会社との不透明な関係は、長らく疑念を抱かせてきた。
上場企業の漢能薄膜は、太陽電池を作るのに使われる製造装置を供給している。同社はまた、そうした太陽電池を調達し、同社がプロジェクト開発者として推進しているソーラーファームで使用している。
だが、これらの取引の多くは、親会社との間で行われてきた。
調査会社、ブルームバーグニューエナジーファイナンスのジェニー・チェース氏の試算では、この上場企業の2011年から2014年上期までの売上高のほぼすべて――約19億ドル――は親会社から来ており、その利益率は45%を超えるという。
漢能薄膜は3月、今は売上高の約60%しか親会社から得ていないと主張したが、残りの売上高の一部について、収入源が独立した企業なのか、それともやはり関連会社なのか疑問が提起されている。
同社は、自社の行動は関連当事者間取引のいかなるルールにも抵触していないと主張している。
今年3月の英フィナンシャル・タイムズ(FT)の分析は、上場企業である漢能薄膜の株価の日々の上昇の大半が、香港での日々の取引の最後の数分間の異常な動きによるものであることを発見した。(李氏が株式の3分の2近くを支配しているため)同社の浮動株が極めて少ないことを考えると、これは特に懸念される。
漢能の上場企業としての将来は明らかに疑わしい。規制当局の行動が同社の終焉を告げなかったとしたら、投資家心理がその目的を達成するかもしれない。空売り筋は何カ月も前から同社に狙いを定めてきた。
ある内部関係者は、李氏が会社の年次株主総会を欠席したのは、同氏が「企業の社会的責任」活動の一環として北京でのイベントに出席することを選んだからだと釈明した。投資家は間違いなく、経営陣の受託者責任はいったい誰が監督してきたのかと疑問に思うだろう。
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