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日経平均が9日続伸
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52703802.html
2015年05月27日 在野のアナリスト
日経平均が今日も続伸し、9日続伸になっています。興味深い話としては「4-6、7-9月期は昨年の増税後の落ちこみからの反動で指標は改善してみえる。特に内需は堅調に映る。だから内需系を買う」 また「株主重視経営とは、麻薬のようなもの」というものがあります。ストックオプションなど、経営陣に報酬として株券が付与されている企業では、一度株主重視の経営をはじめると、経営陣が自らの資産価値が目減りするのを避けるため、上がった株価を維持するための自社株買いや増配などをくり返す、といった傾向があり、それを期待する買いで高値が維持されやすくなる、またさらに上値をめざす。そうしたものが株高を演出している、といいます。
例えば米国はもう5年以上、この株主重視の姿勢を貫き、それによって株高を演じてきましたが、若干の息切れも感じるところです。日本はこれからこの株主重視経営を強めるとみられ、また潤沢な内部留保を抱える日本企業は、それこそ株主還元への余力も相当なものであり、それを狙った資金が流れてきているのでは? といった話もあります。株主重視経営なのか、経営陣のための施策なのか、経営側と労働側との力関係が、非正規雇用の増加などで狂ってきている今、より経営側にとって都合のいい施策がとられる。その波及的効果としての株高なら、決して好感できるものではありません。米国型の格差拡大がより一層、日本ですすむのかもしれません。
そんな中、気になる記事が日本勢によるドル調達コストの高まり、というものです。円が過剰に供給されているばかりか、利回りも低く抑えられ、国内で資金運用できなくなった邦銀が、海外で資金運用するための円スワップ取引で、金利差以上の高い金利を要求されているのです。この流れは、昨年1年間で12兆円だった買い越しが、今年3月までにほぼその水準に達してしまった。ここにはポートフォリオを見直し、外国証券・債券の比率を大幅に高めた年金基金の影響もありますが、日本の投資家によるドル買いは、プレミアム金利を支払っても行うほどなのです。
明らかに日銀によるQQEの副作用であり、ここに来て円水準がブレイクしたのも、日本勢のドル買い、円売りに伴うものかもしれません。ただ、外国人投資家が株を買っている割に円を買わないのは、国内においている資金を回しているだけ、となるのかもしれない。それが先物売り、現物買い、という日本買いではなく、日本企業買いに現れるのかもしれません。それこそROE重視、株主重視の経営を強める日本は、全体としての成長は期待できないものの、企業の株価だけは堅調だろう。特にそれは、海外に軸足をおいた企業なら、その国の成長を企業収益に結び付けられる、との連想も働きます。そんな思惑が、ここ1ヶ月、顕著になっているのでしょう。
しかし円安が加速し、賃上げが円高によるインフレに届かなければ、このシナリオには見直しもかかります。またQQEをしてもデフレになるなら、明確に日銀の金融政策の失敗も意識されるでしょう。失敗しているQQEをさらに強めても、事態が改善する見込みはない。追加金融緩和には、実は意外な面からブレーキがかかり易くなっているのでしょう。市場にただよう追加緩和期待も、円安によって萎むのなら、それを充てこんで海外資産を買おうという本邦金融機関にも、影響がでてくるかもしれません。この辺り、複雑な事情が今後の円相場を決めるのでしょう。
しばらく米欧の株価、債券が堅調だったのも、1-3月で急速に増えた日本のマネーが影響していたのかもしれません。しかし米経済は減速、欧州も3月をピークに減速を示す経済指標が並びます。実は、せっかくプレミアム金利を払ってまで、海外に投資したにも関わらず、日本の投資家は海外では稼げていないのかもしれません。ならば、円安のうちに資金を引き戻したい、そんな思惑も働きそうです。日本株だけブレイクをつづける今の市場、不健全であることは間違いなく、日本の不動産もピークをつけたとみられることからも、その継続性には大きな疑問を残しながら、短期の需給だけで上げる、といった形が当面の流れになってくるのでしょうね。
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