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液晶こだわるシャープ、頼みの車載「周回遅れ」 脱家電いまだ見えず
http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20150518-00000500-biz_fsi-nb&ref=rank
SankeiBiz 2015/5/24 08:03
「金融支援が単なる延命になっては駄目だ。ゾンビ企業を生み出す措置になってはいけない」。3月19日、シャープの主力取引銀行の一つ、三菱東京UFJ銀行の平野信行頭取は全国銀行協会会長としての会見でこう強調し、再建の見込みのない“死に体企業”の延命を否定した。「一般論」としたが、シャープを念頭に置いているのは間違いない。
シャープは主力行からの資本支援でひとまず生き延びた。今月14日に発表した新中期経営計画には世界で約5万人の全従業員を約1割減らすことを盛り込んだ。不採算事業からの完全撤退も掲げたが、具体的にはカナダやオーストラリアなどのテレビ事業終了などにとどまった。主力の液晶事業は分社化を検討していたが、直前に撤回。会見で高橋興三社長が「現時点で考えていない」と否定し、将来的な成長の道筋は明確ではない。
主力行は土地や建物を担保に取っているとはいえ、債権の一部を優先株に振り替えた以上、再建がうまくいかなければ貸し倒れが生じかねない。銀行関係者は「返済の原資が見込める事業なら継続させる。そうでないものは処分する」と話し、ゾンビ企業と認定されれば「解体」もあると示唆する。
10月、社内カンパニー制に移行することも盛り込まれた。液晶、電子部品、家電など事業ごとに5つのカンパニーに再構築し、それぞれ迅速に経営判断できる組織を目指すが、再建の鍵を握る商品が液晶パネルであることに変わりはない。
その液晶パネルで需要の変動が大きく、価格下落も激しいスマートフォン向けに代わって、次に狙うのは自動車向けだ。車載商品は一度採用されると、その車種がモデルチェンジするまで数年にわたって安定した収益につながる。液晶に限らず車載シフトは電機業界の大きな流れだ。パナソニックや日立製作所は車載関連事業の売上高が既に1兆円を超えている。
シャープも乗り遅れまいと躍起だが、業界関係者は「数年の間に2度も経営危機に陥った会社と安定的に取引しようとする自動車メーカーがあるだろうか。周回遅れだ」と指摘する。
「日本製品は年々減っている。そのうちなくなるのではないか」。米国に拠点を置く世界最大級の家電量販チェーン、ベスト・バイの販売担当者がこう話した。実際、売り場で「メード・イン・ジャパン」の存在感が失われて久しい。かつて家電で世界を席巻した日本の電機各社は、主役の座を価格競争力を武器に躍進したサムスン電子など韓国勢に奪われた。近年は、さらに低価格の製品で中国勢が攻勢を強める。
長引く円高などで日本勢もシャープ同様に業績悪化に苦しんだ。日立は赤字のプラズマテレビと半導体事業などを整理し、鉄道など交通インフラ事業などに注力することで復活した。スマホの不振で経営危機が深刻とみられたソニーも画像センサーや金融といった収益の柱を育てている。いずれも旧来の家電メーカーの枠組みから脱却したことで成長路線に転換している。関西ではパナソニックと三洋電機、シャープの家電3社が競い合ってきたが、今や三洋は事実上消滅。パナソニックは「脱家電」を打ち出す。
テレビがブラウン管だった時代には存在感が薄かったシャープは、電卓の表示装置からスタートした液晶ディスプレーの実用化で先行し、液晶テレビに経営資源を集中して躍進。「ブラウン管を液晶テレビに全て置き換える」と宣言して拡大路線をひた走った。しかしテレビは宣言通り液晶が主流になったが、リーマン・ショック後の世界的な景気減速で販売が低迷。最初の経営危機につながった。
再び経営危機に陥ったシャープは、主力行の資本支援を受け再建の機会を得たが、何をつくり、何で成長するのか。漂流するシャープのたどり着く先はいまだ見通せない。高橋社長は会見でこう語った。「今後も世の中になくてはならない企業であり続けたい。どんな時代になっても家庭にディスプレーはなくてはならず、それを液晶で追求する」
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