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伝説の「ジュリアナ東京」で踊る女性たち。このころすでに株のバブルは、はじけていた(日刊スポーツ/アフロ)
日経平均が「バブル化」すればいくらになる? 「時価総額の平成バブル越え」が意味するもの
http://toyokeizai.net/articles/-/70763
2015年05月24日 平野 憲一 :ケイ・アセット代表、マーケットアナリスト 東洋経済
前回(5月10日)のコラム「日経平均、調整終了で再び2万円台に回復?http://toyokeizai.net/articles/-/69166」では、日本株が再度上昇する可能性を指摘したが、幸い、その通りになった。東証1部の時価総額は先週末の22日には約591兆円となり、ついに1989年12月の「資産バブル時」のピークを越えた。
しかし、メディアの話題として大きく報道されているだけで、投資家にはまったく高揚感はないはずだ。というのも、当時と比べて上場銘柄数は実に約6割も増えているのである。単純に上場時価総額を比較しても、あまり意味がない。
■「平成のような資産バブルは二度と来ない」と言えるか
しかしこの現象は、一部の強気論者にとっては、「大きな光明」なのだ。
平成の時の資産バブルは別格で、「もう永遠にあの状態は来ない」と認識されている。筆者は、いま毎週日曜日に更新しているブログで、「あの時」に資産バブルの真っただ中にいた金融法人営業部員として、永遠に来ないと言われるバブルの実態を綴っている。
これが意外に好評で、「最近は、毎日曜日にお前のブログを読むのが楽しみだ」と友人などから言われている。「思い出す」と感慨深げに言われる読者もいれば、「今は再びバブルの兆候があるようだな」と警戒する読者もいる。それぞれに見方があるようだ。
再び資産バブルは来ないと言われるが、日本に大きなダメージを与えた終戦から70年で、日本は再び戦争のできる「普通の国」になろうというのだろうか。「あの苦しい戦争は2度としない」と誓ったのに、70年も経つと今のような感じになる。
戦争だけでなく、資産バブルの崩壊も、日本に大きなダメージを与えた。だが、そのマイナスのエネルギーは、敗戦に比べればはるかに小さいだろう。その「小さいバブル」の崩壊からすでに約25年だ。「もうバブルは2度と来ない」と決めつける方が、逆におかしいのではないか。
さて、話を「時価総額バブル越え」の話題に戻そう。
こんな計算をして見た。日経平均株価3万8915円を、当時の上場銘柄数1165で割ると1銘柄あたりの価値は、33円50銭だ。
一方、現在の約2万円を、現在の上場銘柄数1883で割ると10円60銭になる。ということは、日経平均対応の上場銘柄1銘柄の価値(?)は、おカネが沸騰した「あの時」の3分の1まで戻っている。今後、ITバブルを地力で突破したイメージで、現在の10円60銭が、地力で33円50銭を「突破」できるだろうか?
■今後のカギを握るのは何か?
いわゆる「朝鮮動乱」で日本に特需が来たとき、昭和25年(1950)の日経平均は実は102円だった(日経平均の考え方などは、日本経済新聞が詳しく説明している)。
https://indexes.nikkei.co.jp/nkave/archives/faq/faq_nikkei_stock_average_jp.pdf
それから日経平均は怒涛の進撃が展開されるのだが、その間、日本企業の致命的弱さは自己資本不足だった。
従って、経営者の使命は、つい最近までは自己資本比率の安定的上昇だったとも言える。配当政策も、第1に「安定配当」で、むやみに増配する事は減配のリスクが増すだけとして、内部留保に努めていた。
それに協力する形で機関投資家も株を静かに保有し、企業経営に口出しする事はほとんどなかったといってよい。
だが、これを根本的に変えるのが「スチュワードシップコード」(機関投資家行動規範)と「コーポレートガバナンスコード」(経営行動規範)だ。つまり、企業価値向上のため、経営者と機関投資家が同じ方向を向くこととなったのである。この運用により、明らかに株の地力は増すはずだ。
再び上向き始めた日本経済のもとで、22日の日銀政策決定会合の結果や黒田総裁の会見の中身には、出口論の気配はないようだ。QE(量的金融緩和)政策を堅持する、場合によっては追加緩和も辞さないとする極めて特殊な金融政策(アベノミクス)が展開されている。これは事実上のバブル化政策ではないのか?
「地力の向上」に、「バブル化政策」。もしも、今回の「時価総額バブル越え」が「上場1銘柄あたりの価値33円50銭」へ向けての、「登山道の入り口に来た」というシグナルだとしたら?
「頂上」についた時、1銘柄あたり33円50銭の価値のものを1883銘柄抱える東証1部の象徴指数日経平均は、なんと約6万3000円と計算される。3万円どころの話ではないのである。一笑に付されるかもしれないが、バブルとはそういうものである。
■ファンド勢は、当面買わざるを得ない?
「セル・イン・メイ」はNY株式市場に古くからある格言で、「5月に株を売って相場から離れろ!そして9月まで戻って来るな」という意味で、決して「5月は安い」という意味でない。
外国人にとって、22日までの「今回の6連騰」は、美味しい売り場だったはずだ。しかし、多くのファンドはこの相場に乗れておらず、売りたくても売る玉がないのが実情だ。逆に、「持たざるリスク」で買わざるを得ない状態だ。
売り方は、「値ごろ感の利益確定売り(法人・個人)とヘッジファンドの「カラ売り」、片や買い方は「国内の公的ファンドと外国人、個人の潤沢な資金」。このバランスは大きく崩れそうもない。
こういう時は自然体だ。つまり、買いたい銘柄は買えば良し、利益確定ができればそれも良し。もし保有株が中途半端な状態で、売りも買いもできないのであれば、「日経レバレッジETF」(1570)でヘッジするのも良し、だろう(もし個私が個人的に投資するなら、短期間「売り」で勝負してみたい)。
今週は、国内では週末の29日金曜日の消費者物価や4月鉱工業生産指数発表以外に大きなイベントはなさそうだ。
一方のアメリカは、休み明け26日(火)に、3月の住宅価格指数(FHFAとS&Pケース・シラー住宅価格指数)、4月耐久財受注、新築住宅販売件数などが出る。波乱要因はこの辺りだろうか。今週の日経平均予想レンジは下値1万9800円、上値2万0500円とする。
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