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日産自動車のカルロス・ゴーン社長は5月13日の決算発表会見で「確かな業績を残した」と胸を張った(撮影:大澤誠)
最高益は通過点、自動車大手の"次の一手" 勝ち残りに向けた動きが活発化している
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山田 雄大 :東洋経済 編集局記者
「複数市場の厳しい環境にもかかわらず、確かな業績を残した」。自動車大手のトリを取る形で5月13日に2014年度決算を発表した、日産自動車のカルロス・ゴーン社長は胸を張った。
確かに、業界を取り巻く環境は、良好とは言いがたい。米国や中国市場は伸びたものの、日本や東南アジア、ロシア、南米など、多くの市場で販売台数が減少した。にもかかわらず、各社の決算はおおむね好調だった。
■8社中、4社が最高益を更新
相次ぐリコールで新車投入が遅れたホンダと、海外の主力市場が低迷したダイハツ工業こそ2ケタ減益だったが、8社中4社は最高益を更新した。
2年連続で最高益となったトヨタ自動車は初めて営業利益率10%台を達成。北米で絶好調の富士重工業は14%超という驚異的な営業利益率をたたき出した。日産も2ケタ増益を記録している。
対ドルで約10円進んだ円安が各社の利益を押し上げたことは確かだ。トヨタで2800億円、日産で686億円の増益要因となった。が、好業績の理由は、為替だけではない。リーマンショック以降、東日本大震災や1ドル=80円を割り込む超円高を乗り越える中で、粛々と進めてきた体質強化の成果が表れている。
この傾向は2015年度も変わらない。中国の減速が鮮明になるなど、市場全体の不透明感はさらに増している。特に慎重なトヨタは、世界の総販売台数を減少と見込む。
それでも三菱自動車とダイハツ工業を除く6社が増益を予想する。円安進行の一服と新興国通貨安で、富士重以外は為替が利益押し下げ要因となる想定にもかかわらずだ。外的要因に頼らずとも、一段の原価低減で利益を生み出せる収益構造ができている。
■中長期を見据えた協業
提携発表会見で握手する、トヨタ自動車の豊田章男社長(左)とマツダの小飼雅道社長(撮影:風間仁一郎)
こうした状況下、日産の決算発表の4時間後、トヨタの豊田章男社長とマツダの小飼雅道社長が記者団の前で、がっちり握手を交わした。
両社は、トヨタがマツダにハイブリッド車技術を供与、マツダがメキシコ工場で「デミオ」ベースの小型車を生産しトヨタへ供給を予定するなど、すでに提携関係にある。さらに今後は環境・安全技術を軸に幅広い分野での協力関係の構築を目指す。具体的な内容はこれから詰めるが、トヨタの燃料電池車(FCV)技術、マツダの低燃費エンジン技術の相互供与などが手始めになる見通しだ。
世界中で環境規制は厳しくなる一方。加えて、自動運転技術では、最先端のソフトウエア技術が求められる。規模の小さいマツダはもちろん、年間1兆円の研究開発予算を持つトヨタでさえ、すべてを自社では賄い切れない。
「かつては個別プロジェクトで提携したが、エネルギー問題など中長期目線でいろいろなことをやっていかないといけない」(豊田社長)。あえて領域を限定せず、さまざまな可能性を模索する。
相互補完の動きは近年のトレンドだ。トヨタはディーゼルエンジンやFCVで独BMWと提携。仏ルノー・日産も独ダイムラーとFCVやエンジン分野で手を組む。ゴーン社長は「戦略的な協業関係は今後も増えていく」と断言する。足元の業績が堅調でも、各社の視線は中長期での競争優位確保に向かう。
(「週刊東洋経済」2015年5月23日号<18日発売>「核心リポート03」を転載)
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