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最高益は通過点、自動車大手の"次の一手" 勝ち残りに向けた動きが活発化している(週刊東洋経済)
http://www.asyura2.com/15/hasan96/msg/813.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 5 月 24 日 16:35:05: igsppGRN/E9PQ
 

日産自動車のカルロス・ゴーン社長は5月13日の決算発表会見で「確かな業績を残した」と胸を張った(撮影:大澤誠)


最高益は通過点、自動車大手の"次の一手" 勝ち残りに向けた動きが活発化している
http://toyokeizai.net/articles/-/70198?cx_click_topnews=article_header
山田 雄大 :東洋経済 編集局記者


「複数市場の厳しい環境にもかかわらず、確かな業績を残した」。自動車大手のトリを取る形で5月13日に2014年度決算を発表した、日産自動車のカルロス・ゴーン社長は胸を張った。


確かに、業界を取り巻く環境は、良好とは言いがたい。米国や中国市場は伸びたものの、日本や東南アジア、ロシア、南米など、多くの市場で販売台数が減少した。にもかかわらず、各社の決算はおおむね好調だった。


■8社中、4社が最高益を更新



相次ぐリコールで新車投入が遅れたホンダと、海外の主力市場が低迷したダイハツ工業こそ2ケタ減益だったが、8社中4社は最高益を更新した。


2年連続で最高益となったトヨタ自動車は初めて営業利益率10%台を達成。北米で絶好調の富士重工業は14%超という驚異的な営業利益率をたたき出した。日産も2ケタ増益を記録している。


対ドルで約10円進んだ円安が各社の利益を押し上げたことは確かだ。トヨタで2800億円、日産で686億円の増益要因となった。が、好業績の理由は、為替だけではない。リーマンショック以降、東日本大震災や1ドル=80円を割り込む超円高を乗り越える中で、粛々と進めてきた体質強化の成果が表れている。


この傾向は2015年度も変わらない。中国の減速が鮮明になるなど、市場全体の不透明感はさらに増している。特に慎重なトヨタは、世界の総販売台数を減少と見込む。


それでも三菱自動車とダイハツ工業を除く6社が増益を予想する。円安進行の一服と新興国通貨安で、富士重以外は為替が利益押し下げ要因となる想定にもかかわらずだ。外的要因に頼らずとも、一段の原価低減で利益を生み出せる収益構造ができている。


■中長期を見据えた協業



提携発表会見で握手する、トヨタ自動車の豊田章男社長(左)とマツダの小飼雅道社長(撮影:風間仁一郎)


こうした状況下、日産の決算発表の4時間後、トヨタの豊田章男社長とマツダの小飼雅道社長が記者団の前で、がっちり握手を交わした。


両社は、トヨタがマツダにハイブリッド車技術を供与、マツダがメキシコ工場で「デミオ」ベースの小型車を生産しトヨタへ供給を予定するなど、すでに提携関係にある。さらに今後は環境・安全技術を軸に幅広い分野での協力関係の構築を目指す。具体的な内容はこれから詰めるが、トヨタの燃料電池車(FCV)技術、マツダの低燃費エンジン技術の相互供与などが手始めになる見通しだ。


世界中で環境規制は厳しくなる一方。加えて、自動運転技術では、最先端のソフトウエア技術が求められる。規模の小さいマツダはもちろん、年間1兆円の研究開発予算を持つトヨタでさえ、すべてを自社では賄い切れない。


「かつては個別プロジェクトで提携したが、エネルギー問題など中長期目線でいろいろなことをやっていかないといけない」(豊田社長)。あえて領域を限定せず、さまざまな可能性を模索する。


相互補完の動きは近年のトレンドだ。トヨタはディーゼルエンジンやFCVで独BMWと提携。仏ルノー・日産も独ダイムラーとFCVやエンジン分野で手を組む。ゴーン社長は「戦略的な協業関係は今後も増えていく」と断言する。足元の業績が堅調でも、各社の視線は中長期での競争優位確保に向かう。


(「週刊東洋経済」2015年5月23日号<18日発売>「核心リポート03」を転載)



 

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コメント
 
01. 2015年5月24日 22:47:13 : ITPSCPh3dw
日産のゴーン社長はフランス・ルノーの会長も兼ねるが、当方の目には引退後の体制を整備しているように見える。日産・ルノー連合に、ロシアのアフトワズとドイツのダイムラーを加えたアライアンスを結成しているが、この中で技術力が高いダイムラーが注目される。これは産業面の仏独協力である。ドゴール・アデナウアー以来の仏独枢軸の一環だ。

ゴーン社長としては、ダイムラーを取り込むことにより、日産・ルノー連合の未来を確実にする目的があると思われる。これにより将来の道筋をつけ、軌道に乗ってきたところで後継者を考えることになるのではないか。

日産自動車は今後、ライバルのトヨタ・マツダ連合に対抗していかなければならない。三井グループのトヨタ・ダイハツ・日野と、住友グループのマツダが今後、提携分野を徐々に広げ、ゆくゆくは独占禁止法・公正取引委員会の動向を見て経営統合まで進む可能性もある。日産自動車は対抗上、これまでOEM車で提携している三菱自動車、スズキとの関係を拡大していくことになろう。

両グループの課題は、まず商用車分野でのOEM拡大だろう。商用車と言えばトヨタ・ハイエースが人気だが、これに対抗する日産キャラバンの拡販が必要だ。商用車分野では、日本国内の需要の減退が進んでおり、採算が合わずに撤退するメーカーが出ている。このため、マツダ・ボンゴが他社にも供給されているが、安全対策にも限界があり、いずれ生産中止となろう。現在、ボンゴは日産、三菱にも供給されているが、マツダが商用車生産から撤退すれば、トヨタが後継車種を供給するだろう。しかし日産、三菱まで供給するとは思えない。

三菱自動車は経営再建の時点で、乗用車部門とトラック・バス部門に分割されてしまった。このトラック・バス部門は現在、ダイムラーが9割近くの株式を握っている。将来的には、日産自動車の商用車部門との提携もあると見ている。

三菱とスズキの関係も深まるだろう。スズキのかつてのメインバンクは東海銀行だった。銀行の合併が進み、今は三菱東京UFJ銀行になった。バックが同じなので、OEM供給が進みつつある。スズキは高齢の鈴木修社長の後継者を指名しなくてはならないが、今後の技術開発に膨大な費用が必要なことを考えると、今後は両社が共同で行なう必要がある。

いかにメーカー間の統合が進もうとも、絶対組めない相手はいるものである。自動車の分野ではアメリカのGMとフォードだが、日本だとトヨタと日産だ。かつて飛行機の分野では、三菱と中島は宿命のライバルだった。1960年代に自動車の資本自由化に備えて通産省がメーカー間の合併を進めたが、トヨタと日産に対抗してIMF構想と言うのがあった。いすゞ、三菱、富士重工である。これは完全に失敗した。飛行機のことがあったからだ。(註 富士重工は、かつての中島飛行機である。)

業界の国際競争力を維持するためにも、国内のライバルは必要である。これで失敗したのがイギリスだ。民族資本をブリティッシュ・レイランド・モーターに一本化したために、外国製品に対し競争力のある自動車が出せなくなってしまったのである。おなじことはフィアットだけになったイタリアにも当てはまる。(註 アルファ・ロメオはフィアットの高級ブランドに過ぎない。)

微妙なのはフランスで、ルノーとプジョー・シトロエンの2社体制である。かつて1980年代、両社が揃って経営危機になったとき、これを統合して1社にする構想があったが、ここまでするとイギリスみたいになるとして、統合はしなかった。しかし、かつての輝きが今のフランス車にはないね。

日本とドイツは、これらの国々と違い、比較的多いメーカー同士で切磋琢磨してきたから、ここまでやってこられたのである。だから、経営不振だからと安易に統合してはならないと当方は思う。これが1960年代から世界の自動車メーカーの動きを見てきた当方の結論である。


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