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サムスンのショールームを訪れる市民=4月29日、ソウル(AP)
【けいざい独談】「サムスンがトヨタを蹴散らした」…米誌ランキングに有頂天の韓国が見落とす自国経済の“限界”と“脆さ”
http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20150524/frn1505241131005-n1.htm
2015.05.24 夕刊フジ
米誌フォーブスが「世界で最も価値のあるブランドランキング」の2015年版を公開した。トップは米アップルで、1〜5位を米国企業が独占。米国以外では韓国サムスン電子の7位が最高位となり、韓国のネットユーザーらが「米国企業を除いたら世界一」と盛り上がっているという。しかし、ランキングを読み込むと、サムスンの限界と韓国経済の脆さが見えてくる。
■米以外ではサムスン7位が最高位
ブランドランキングはフォーブスがブランドによる収益等をベースに「ブランド価値」を弾き出され、1年に1度発表される。
アップルは5年連続の1位。ブランド価値は1453億ドル(約17兆5千億円)と、2位の米マイクロソフト(693億ドル)の2倍だ。米経済誌が算出したランキングだけに自国の企業に甘いのかもしれないが、その後もグーグル、コカ・コーラ、IBMと米企業が続く。
日本企業では8位のトヨタ自動車が最高位。トヨタは昨年、一昨年に続き、今年もサムスンの後塵(こうじん)を拝する結果となった。業種が異なるため、両社を一概に比較はできないが、それでも収益力をはじめ技術力、製造力ではトヨタが一歩も二歩も先を行くだろう。
■「日本を蹴散らせた」興奮の韓国ユーザー
それだけにフォーブスのブランドランキングが公表されると、ネット上では韓国ユーザーによる書き込みが殺到。中国ニュース配信サイト「レコードチャイナ」が5月15日に配信した記事にはこんな「サムスン称賛」の声が紹介されている。
『米国企業を除いたら世界一だ』
『日本企業を蹴散らしたサムスン、見事だ』
『日本のナンバーワン、トヨタがサムスンの下にいるのはとにかくいい気分だ』
気勢の上がる韓国ネットユーザーだが、実は手放しで喜んではいられない。例えば、同じIT・デジタル分野でブランド価値を比較すると、サムスンはアップルの3分の1以下で、マイクロソフトの約半分。1年前の増減率をみても、アップル、マイクロソフト、グーグルが2ケタ成長しているのに対し、サムスンは8%増にとどまっている。
■企業単位ではトヨタが格上
また、ランキングは各社のブランドを比較しており、企業単位でみると、トヨタは「トヨタ」「レクサス」という2つのブランドが100位内にランクインしている。「トヨタの強さは2つのブランドがそれぞれ世界で高い評価を得ている」(業界関係者)ということで、2ブランドを合わせると、ブランド価値はサムスンを上回る。
主力のスマートフォン事業が低迷し、収益が悪化するサムスンだけでなく、フォーブスのブランドランキングを見ると、韓国経済の弱さが透けてみえる。
■100位以内の韓国ブランドはわずか3社
100位内に選ばれた韓国企業は、サムスンを除くと、現代自動車と起亜自動車の3社。起亜は現代自動車グループであり、実際は財閥系2社しか評価されていない。つまり、財閥系が経済全体を牽引(けんいん)するという過去から指摘されている歪な経済構造が改善されていない証左でもある。
これに対し、日本企業ではトヨタをはじめ、ホンダやキヤノン、日産自動車、ソニーなど7ブランド(6社)がランクインした。2015年のランキングには世界15カ国のブランドが選ばれ、企業数で日本は米国、ドイツに次ぐ3番目に位置する。しかも、各社とも業績はほぼ好調だ。
サムスン頼みで、そのサムスンも収益力、ブランド力などに陰りが見え始める中、韓国は「トヨタを上回った」と浮かれている場合ではないのかもしれない。
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