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下落傾向の賃貸相場。敷金、礼金。貸し主のメリットも希薄化しつつある
仲介業者が強い“歪んだ”賃貸市場 借り手が直接交渉の新手法が登場
http://www.zakzak.co.jp/economy/ecn-news/news/20150524/ecn1505240830002-n1.htm
2015.05.24 本当は教えたくないマンション業界の秘密 榊淳司 夕刊フジ
日本は全国的に住宅が余っている。総務省が行った調査によると、全住宅に占める空家率が13・5%。別の統計によると、賃貸住宅の空室率は全国平均で約19%。東京都の千代田区では約36%、大阪の堺市堺区でも約30%にも達する。
今は不動産投資ブームと騒がれ、サラリーマン大家という言葉もよく聞く。しかし、その賃貸経営の足元は極めて脆弱だ。
アパートやマンションを所有していても、借り手が付かなければ維持費がかかるだけの負の資産。今や「負動産」という呼び方まで出現した。
賃料も低下気味だ。特にオーナーにとっての実質賃料ははっきりと低下している。というのは、仲介業者に払う広告料や担当者に渡す謝礼、あるいはフリーレントという慣習もすっかり定着してしまったからだ。
解説しよう。まず賃貸住宅をオーナーから借り手へ紹介する不動産業者は、宅建業法によって仲介手数料として合計1カ月分の家賃相当分を取ることができる。従来はこれを借り手から取るのが慣習化していた。今もほとんどそうだ。
ところが、最近の賃貸マーケットは完全な借り手市場。オーナーは早く借り手を付けてほしいから、仲介業者に広告料を支払う習慣が生まれた。仲介業者は、自然と広告料を多く出してくれる物件から客付けをする。オーナーは競って広告料を上げたため、今や賃料の2〜3カ月が相場になっている。
このほか、「最初の2カ月は賃料無料」というフリーレントという慣習も定着した。さらに賃貸契約が成立すると、仲介業者の担当に数万円の謝礼を個人的に渡すことも当たり前になっている。
オーナーからすれば、借り手を付けるために約半年分の家賃を犠牲にしているようなものである。それだけ、賃貸経営というのは厳しい環境になってきたのだ。
このようないびつな商慣習が行われている背景には、オーナー側と借り手側を結ぶ仲介業者が、双方の情報を囲い込んだ状況で、手数料収入の最大化を図っていることがある。借り手が賃貸募集の物件情報にアクセスできる場があり、オーナー側と直接交渉が可能なシステムがあれば、このようなゆがんだ商慣習を排除できる。しかも、双方にとって負担の軽減になる。
最近、そういった借り手とオーナーを結びつける仕組みを構築して、業界やマスコミで話題となっているサイトがある。そのサイト(ウチコミ、https://uchicomi.com/)では、借り手が直接オーナーとメールなどで交渉するので、仲介手数料は不要。礼金や敷金などの初期費用を分割払いにしてもらったり、クレジットカード決済が可能な物件もある。
一方、オーナー側にとっても、所有物件のアピールを直接ユーザーにできるメリットがある。物件の中身や周辺環境は、オーナーが一番よく知っている。
そもそも、情報が公開されれば仲介業者はほとんど必要がないのが賃貸マーケット。今後、こういう動きは広がるだろう。
■榊淳司(さかき・あつし) 住宅ジャーナリスト。1962年、京都府出身。同志社大法学部および慶応大文学部卒。不動産の広告・販売戦略立案の現場に20年以上携わる。不動産会社の注意情報や物件の価格評価の分析に定評がある(www.sakakiatsushi.com)。著書に「年収200万円からのマイホーム戦略」(WAVE出版)など。
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