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グーグル自動運転車に「事故隠蔽疑惑」 ぐらり揺らぐ“信頼性”
http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20150523-00000500-biz_san-nb
SankeiBiz 2015/5/23 08:30
米グーグルが開発を進めている自動運転車の公道での試験走行で、2009年から6年間に11件の事故が起きていたことが分かった。AP通信の報道を受け、グーグルが公表した。いずれも追突されるなど自動運転車側には過失のない“もらい事故”と説明している。ただ、グーグルはこれまで試験走行での事故やトラブルは起きていないと公表しており、事実上の隠蔽(いんぺい)に非難が集まっている。グーグルが自動運転車の実用化の大前提としてきた「必ずミスを犯す人間の運転よりも安全」という主張にも疑念を招きかねない状況だ。
■7件は追突「回避不可能」
「これまで20台以上の自動運転車を使い、170万マイル(約272万キロ)の試験走行を行い、うち自動運転モードは100万マイル(約160万キロ)だった。事故は11件発生したが、けが人はおらず、車のダメージも軽微だった」
グーグルの自動運転車プロジェクトの責任者クリス・アームソン氏は11日、IT分野の著名ライター、スティーヴン・レヴィ氏が運営するブログメディア「バックチャンネル」で、事故発生を明らかにした。
発端は、AP通信の11日のスクープ報道。昨年9月以降に3件の事故が起きていたと報じ、あわてたグーグルは公道での試験走行を開始した2009年以降の事故件数を公表した。
バックチャンネルでアームソン氏は、11件は自動運転モードとドライバーが運転する通常モードの両方で起きたと説明したが、内訳は明かさなかった。7件は追突された事故で、交差点での信号待ちが中心だが、ハイウエーでも追突された。このほか信号無視の車にぶつけられたり、車体の横をこすられたりしたという。
アームソン氏は「自動運転車が原因の事故は一件もなかった」とした上で、「自動車にある程度の時間乗っていれば、自動運転車であろうがなかろうが事故は起きる」と主張。「後ろからの追突事故を避けるのはほぼ不可能だ」とも語り、後方にセンサーやカメラを搭載している自動運転車でも防げないと開き直った。
■公式ブログで「ゼロ」公表
グーグルは09年からハイウエーでの試験走行を開始し、12年からはトヨタ自動車の高級車ブランド「レクサス」のスポーツ用多目的車(SUV)を使い、本社のあるカリフォルニア州マウンテンビューの市街地での試験走行を行ってきた。これまで事故は一度も明らかにしておらず、昨年4月には公式ブログでアームソン氏が「累計約112万キロ、市街地で約1万6000キロを走行したが、事故やトラブルはゼロだった」と公表していた。
これに対し、カリフォルニア州は昨年9月の法改正で、公道試験を許可する条件として、事故があった場合の当局への報告を義務付けた。ただ、一般には公表されていない。アームソン氏は「今回のような事故は警察にも報告されておらず、こうした軽微な事故が全体の55%を占めている」などと語り、事故を公表しなかったことの正当性を主張した。
ただ、未知の技術である自動運転の実用化には、十分な信頼性の確保が不可欠だ。AP通信は、グーグルの事故隠蔽について「こうした透明性の欠如によって、技術開発の監視ができなくなる」と厳しく批判した。
アームソン氏はこれまで「自動運転車で最も重要なのは安全性の向上だ」と強調してきたが、その信頼性は大きく揺らいでおり、グーグルが目指す2020年の実用化にも暗雲が立ち込めてきた。
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