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OECD加盟国で所得格差拡大続く:主要因として非正規雇用の増大:日本は加盟国平均を上回る格差10.7倍
http://www.asyura2.com/15/hasan96/msg/782.html
投稿者 あっしら 日時 2015 年 5 月 23 日 03:34:40: Mo7ApAlflbQ6s
 


OECD加盟国で所得格差拡大続く[NHK]
5月22日 20時49分

OECD=経済協力開発機構が加盟する34か国で、上位10%の富裕層と下位10%の貧困層の所得の格差を調べたところ、全体の平均は9.6倍と、およそ30年前から拡大を続けていることが分かりました。

OECDは日本やアメリカなど34の加盟国が提出した統計に基づき、それぞれの国の上位10%の富裕層と下位10%の貧困層の所得を比較し、所得の格差についての分析を報告書にまとめました。

それによりますと、2013年の時点で、加盟国全体の所得の格差の平均は9.6倍で、1980年代の7倍に比べて拡大しています。所得の格差の大きい国をみると、メキシコの30.5倍が最大で、次いでアメリカの18.8倍、イスラエルの14.9倍などとなっています。また、日本は2011年の統計が最新の数字で、格差は10.7倍と加盟国の平均を上回っています。一方、格差が最も小さかったのはデンマークの5.2倍でした。

OECDは所得の格差が広がっている背景には、若者を中心に非正規雇用が増えていることや、男女の間で賃金の差が埋まらないことなどがあると指摘し、加盟国に対し、雇用を巡る男女の差別をなくすことや、教育や技能習得のための投資の拡大などを求めています。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150522/k10010088781000.html


 

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コメント
 
01. 2015年5月23日 07:58:19 : cqEg4RIJwo
高齢化による人口構成の変化が原因だろ。

02. 2015年5月23日 08:00:53 : jXbiWWJBCA

>日本は加盟国平均を上回る格差10.7倍

離婚増での母子等世帯や非正規化による貧困もあるだろうが

ここでは無視されている超少子高齢化による高齢の特に単身無職世帯の割合の増加が主因だろう

http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa13/dl/03.pdf

http://www.oecd.org/els/soc/41527181.pdf
格差は拡大しているか:OECD 諸国における所得分配と貧困

日本語概要

長期的に見て所得格差は拡大しているのか。所得格差の拡大で誰が得をし、誰が損をし
ているのか。所得格差の拡大は全ての OECD 諸国に対して一律に影響を及ぼしているの
か。また、どの程度までが労働者個人の間の所得格差拡大の結果であり、他の要因の影
響はどの程度なのか。最後に、租税給付制度を通じた政府の再分配はこうした傾向にど
のような影響を及ぼしているのか。
本報告書はこのような疑問に答えているが、その回答は多くの読者を驚かせるものであ
ろう。本報告書は、OECD 全域で過去 20 年間に所得格差の拡大がかなり一般化している
ことを示すデータを提供しているが、格差拡大の時期、程度、原因はメディアで一般に
示唆されているものとは異なっている。
本報告書『格差は拡大しているか』は、OECD 諸国における経済資源の分配に関する
様々な分析をまとめたものである。ここでは、2000 年代半ばの所得分配と貧困に関して
全 OECD 加盟国(30 カ国)を網羅したデータを提供しており(これは史上初である)、
そのうち約 3 分の 2 の国についてはさらにさかのぼって 1980 年代半ば以降の傾向に関す
る情報も提供している。本報告書では個人間・家計間の経済資源の分配に関する従来の
議論からは一般に除外されている様々な領域(家計資産、消費パターン、現物給付の公
共サービスなど)の格差についても取り上げられている。どの程度の格差が社会に存在
するかは偶発的に決定されているわけではない。各国政府が本報告書に収録されている
最新データをしっかり受け止めれば、状況を変えることは不可能ではないのである。

GROWING UNEQUAL? : INCOME DISTRIBUTION AND POVERTY IN OECD COUNTRIES– ISBN 978-92-64-044180-0© OECD 2008 – 2
普通の人に「今日、世界が直面している主要な問題は何か」
と尋ねれば、最初に帰ってくる答えの中に「格差と貧困」が入
っている可能性は高い。それほど経済成長は公平に共有されて
いないという懸念が広がっている。BBC が 2008 年 2 月に行った
調査によれば、34 カ国の国民の約 3 分の 2 が「最近数年間の経
済発展」は公平に共有されていないと考えている。韓国、ポル
トガル、イタリア、日本、トルコでは 80%以上の回答者がこう
した見方に同意している。同様の結論を示唆する調査や研究は
他にもたくさんある。
では、「富裕層はますます豊かになり、貧困層はますます貧
しくなった」と考えるのは正しいのだろうか。簡単な質問の場
合しばしばそうであるように、簡単に答えるのは非常に難し
い。確かに、富裕国はますます豊かになり、一部の最貧国は相
対的に豊かになっていない。他方、中国とインドの所得急増は
膨大な数の人々を貧困から救い出している。したがって、所得
格差と貧困に対して世界で起きていることを楽観的に見るか、
悲観的に見るかは、コップが半分満たされていると考えるか、
半分空になっていると考えるかによる。どちらも正しいのであ
る。
世界はますます不平等になっているとの見方に同意できると
しても、グローバル化のせいとばかりはいえない。他にも説得
力のある見解はある。技能偏重の技術革新(例えば、インター
ネットの活用法を知っている者が得をし、知らない者が損をす
る)や政治的な流れの変化(組合が弱体化し、労働者保護が以
前より薄れる)なども格差拡大の理由として挙げられる。こう
した理由のいずれにもその背後には幅広い尊敬を集める大物学
者が控えている。おそらくこうした要因の全てがある程度の役
割を果たしているのだろう。
本報告書は OECD 加盟先進国 30 カ国を対象としたものであ
り、少なくとも 1980 年代半ばから、おそらくは 1970 年代半ば
から、所得格差が拡大していることを示している。所得格差は
大半の(全てではない)国で広がっている。所得格差はカナダ
やドイツなどでは近年大幅に拡大しているが、メキシコ、ギリ
シャ、英国などでは縮小している。
しかし、所得格差の拡大は―その範囲は広く、大きなもので
はあるが―大半の人々が思っているほど著しいものではない。
実際、過去 20 年間の所得格差の拡大はジニ係数で平均約 2 ポイ
ントである(ジニ係数は所得格差を測る最善の指標)。これは
ドイツとカナダの現在の差と同じであり、大きな差ではあるも
のの、社会の崩壊を議論するほどではない。データが示してい
ることと人々が思っていることの間にこうした差があるのは、
明らかに、いわゆる「Hello!」マガジン効果―「Hello!」誌など
で、大金持ちになった結果としてメディアの注目を集めている
スーパーリッチの記事を読むことによる影響―をある程度反映
したものである。スーパーリッチの所得については、所得分配
に関する通常のデータソースによっては適切に測れないので、
本報告書では取り上げられていない。ただしこれは、スーパー
GROWING UNEQUAL? : INCOME DISTRIBUTION AND POVERTY IN OECD COUNTRIES– ISBN 978-92-64-044180-0© OECD 2008 – 3
リッチの所得は重要ではないということではない。人々が格差
を心配している最大の理由の一つは公平性であり、多くの人が
一部の人々の所得は極めて不公平であると考えている。
過去 20 年間の格差拡大が緩やかであった背景には、それを
下支えする大きな流れが隠れている。先進諸国では、格差拡大
へと向かう流れを相殺するため、政府が増税と歳出増を行って
いる―かつて見られなかったほど社会政策関連の支出を増やし
ているのである。もちろん、先進国では人口が急速に高齢化し
ているため歳出―保健医療や年金関係の歳出を増やす必要があ
る。歳出の再分配効果は 1980 年代半ばから 1990 年代半ばまで
の 10 年間には貧困の増加を抑制したが、給付対象が貧困層から
離れていったその後の 10 年間には貧困を増幅させた。政府が社
会給付関連の歳出を減らしたり、租税対策と給付の対象から貧
困層を外したりするなどして、格差を縮小しようとする努力を
やめれば、格差の拡大は現状よりはるかに急速に進展するだろ
う。
本報告書によれば、社会集団の間には差が見られる。過去
20 年間に所得が最も伸びているのは退職年齢近辺の層―55〜75
歳―であり、多くの国で年金生活者貧困率は急速に低下し、今
では OECD 総人口の平均を下回っている。これに対し、児童貧
困率は上昇しており、今では総人口の平均を上回っている。児
童の福祉が成人後の状況―所得や健康状態など―を左右する主
要な決定要因であるとのデータが増えているにもかかわらず、
である。多くの国は政策上、児童貧困率の上昇に現在より注視
する必要がある。(米国の最近の法律が述べているように)い
かなる子供も取り残されないよう、児童の発達の問題にもっと
注意を払う必要がある。
格差対策として増税と歳出増に頼るのは一時しのぎにしかな
り得ない。格差縮小への唯一の持続可能な方法は賃金と資本所
得の根本的な拡大に歯止めをかけることである。特に、人々が
就職でき、自身と家族を貧困状態に陥らせないだけの賃金を稼
得できるようにしなければならない。すなわち先進国は、失
業・障害・早期退職給付に頼るのではなく、人々の雇用を確保
し、良好なキャリア見通しを提供する方に格段と注力しなけれ
ばならない、ということである。
以上述べたことに対しては多くの反論があるかもしれない。
例えば以下などである。
 重要なのは所得のみではない。教育や保健医療などの公
共サービスも格差を縮小する上での強力な手段になり得
る。
 所得の少ない人の中にも多くの資産を有する人がいるの
で、そうした人は貧困層に入れるべきではない。
 特定時点での貧困を過度に気にかけるべきではない。深
刻な窮乏状態に置かれている可能性が大きいのは、低所
得が長期間続いている場合のみである。
GROWING UNEQUAL? : INCOME DISTRIBUTION AND POVERTY IN OECD COUNTRIES– ISBN 978-92-64-044180-0© OECD 2008 – 4
 格差に注目する際には、十分な食料を確保できないと
か、テレビや洗濯機を買えないなど、主要なモノやサー
ビスを入手できるかどうかに注目した方がよい。
 所得が完全に平等に分配されている社会も望ましいもの
ではない。人より懸命に働いている人や才能に恵まれて
いる人はより多くの所得を得て当然である。実際に重要
なのは機会の平等であり、結果の平等ではない。
本報告書はこれらの問題の全てを直接的に取り上げている―
より正確にいえば、どういう社会が「よい」社会であり、どう
いう社会が「よい」社会ではないという規範的な問題ではな
く、こうした見方のそれぞれについてその実証データを考察し
ている。要するに、本報告書に掲載されている比較データは、
@)家計所得分布とその動向の一般的な特徴、A)所得格差と
貧困の変動に寄与している要因、B)家計の資源を測るより幅
広い指標に注目することから得られる教訓、に関する多くの
「定型的事実」を明らかにしているのである。
OECD 諸国における家計所得分布の特徴
 格差をどのように測るかに関係なく、一部の国は他の国
より所得分布がはるかに不平等である。格差を測る際に
使用する指標を変えても一般に各国の順位への影響はほ
とんどない。
 数少ない例外を除き、所得分布の広がりが大きい国ほど
相対的所得貧困率も高い。相対的貧困を平均所得の 40%
以下、50%以下、60%以下のいずれと定義しても、これ
は変わらない。
 所得格差、貧困者率(平均所得の 50%以下)とも過去
20 年間に拡大・上昇している。この拡大・上昇は相当広
い範囲に広がっており、3 分の 2 の国で見られる。拡
大・上昇は緩やかであるが、大きい(ジニ係数で平均約
2 ポイント、貧困者率で 1.5 ポイント)。ただし、メデ
ィアでしばしば取り上げられているほど劇的なものでは
ない。
 2000 年以降、カナダ、ドイツ、ノルウェー、米国、イタ
リア、フィンランドでは所得格差が大きく拡大し、英
国、メキシコ、ギリシャ、オーストラリアでは縮小して
いる。
 格差が総じて拡大しているのは、中間階級世帯や所得分
布の底辺に位置する世帯に比べ富裕世帯が特に好調なた
めである。
 高齢者の所得貧困率が低下し続けている一方、成人若年
層や有子世帯の貧困率は上昇している。
 平均所得が高く、所得分布の広がりが大きい国(米国な
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ど)の貧困層は、平均所得は低いものの所得分布がもっ
と狭い国(スウェーデンなど)の貧困層より生活水準が
低い。逆に、平均所得が低く、所得分布の広がりが大き
い国(イタリア)の富裕層は、平均所得はもっと高いも
のの所得分布がもっと狭い国(ドイツ)の富裕層より生
活水準が高い。
所得格差と貧困の長期変動を牽引している要因
 格差拡大の原因の一つは人口構成の変化である。しか
し、これは人口高齢化そのものではなく成人単身世帯数
の増加を反映したものである。
 大半の OECD 諸国では常勤労働者の所得格差が拡大して
いる。これは高所得者層の一層の高所得化が進んでいる
ためである。グローバル化、技能偏重の技術革新、労働
市場関連の制度と政策が全てこうした結果に寄与してい
る模様である。
 賃金格差拡大の所得格差への影響は就業率の上昇により
相殺されている。しかし、低学歴層の就業率は低下し、
失業者世帯率も高止まりしている。
 資本所得と自営所得は極めて不平等に分配されており、
過去 10 年間にますますその傾向を強めている。こうし
た傾向が所得格差拡大の大きな原因となっている。
 就業は貧困対策として極めて有効である。失業者世帯の
貧困率は勤労者世帯の貧困率の約 6 倍である。
 しかし、就業のみで貧困を回避できるわけではない。貧
困層全体の半数以上がある程度所得のある世帯に帰属し
ているが、これは年間労働時間の少なさや低賃金のため
である。就労貧困の削減にはしばしば所得を補てんする
在職給付が必要とされる。
貧困と格差を測るより幅広い指標に注目することから
得られる教訓
 教育や保健医療などの公共サービスは所得より平等に分
配されているので、経済資源の幅を広げて公共サービス
まで含めると格差は小さくなる。ただし、各国の順位は
ほとんど変わらない。
 消費税を考慮に入れると格差は拡大する。ただし、その
拡大幅は公共サービスを考慮に入れた場合の縮小幅ほど
大きくない。
 家計資産は所得よりはるかに不平等に分配されており、
所得格差の小さな国の中には資産格差の大きい国もあ
る。しかし、この結論は使用される指標、調査の設計、
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比較可能性を高めるために調査から除外される特定の資
産(その重要性は国により異なる)などに左右される。
 個人間で見ると、所得と純資産は相関度が高い。低所得
層は中高所得層より資産が少なく、その純資産は一般に
人口全体で見た場合の純資産の半分弱ほどである。
 物質的窮乏は相対的所得貧困率の高い国の方が高いが、
平均所得の低い国でも高い。これは、所得の貧困が後者
の国々の苦境を過小評価しているということである。
 若年層より高齢者層の方が純資産は多く、物質的貧困は
少ない。これは、現金所得のみに基づいて高齢者層の貧
困を推計すると高齢者層の苦境の程度が誇張されるとい
うことである。
 3 年間の慢性的貧困者数は大半の国で極めて少ないが、3
年間のいずれかの時点で低所得に陥った者はもっと多
い。年間所得に基づく貧困率の高い国は慢性的貧困者や
いずれかの時点における貧困者の割合をベースにすると
状況はさらに悪くなる。
 貧困への転落は主に家族や雇用に関連した事象を反映し
たものである。一時的貧困層の場合は家族関連の事象
(離婚や出産など)の重要性が極めて高いのに対し、2
年連続の貧困層の場合は(受給資格決定要件の変更など
による)移転所得の減少の方が重要である。
 社会的流動性は一般に所得格差の小さな国の方が高く、
その逆も然りである。これは、実際上、機会の平等化の
推進が結果の公平化につながるということである。
本報告書が答えていない疑問もたくさんある。将来的に格差
の拡大は避けられないのかについて考察していないし、格差拡
大の様々な原因の相対的重要性に関する疑問にも答えていな
い。格差解消に先進諸国は何をすべきかという疑問に対してす
ら詳細な回答を提供していない。しかし、本報告書は、格差の
拡大幅が他国より小さい国がある―縮小している国すらある―
ことを示している。さらに、国により差が出る理由は、少なく
ともある程度までは、より効果的な再分配によるにしろ、国民
の自助能力への投資拡大によるにしろ、政府の政策の違いによ
るものだということも示している。本報告書の主要な政策メッ
セージは、―格差拡大がグローバル化のためか他の理由のため
かに関係なく―途方に暮れる理由はないということである。政
府がよい政策を実施すれば成果を上げることができるのであ
る。



03. 2015年5月23日 08:13:17 : jXbiWWJBCA

ここも参考になる

http://www.hinkonstat.net/平成25年国民生活基礎調査-を用いた相対的貧困率の動向の分析/

2014年7月に、厚生労働省より「平成25年国民生活基礎調査 結果の概要」が発表されました。そこには、社会全体の相対的貧困率、子どもの相対的貧困率、子どものある現役世帯の貧困率の数値がありますが、年齢別や性別の詳しい数値はありません。
そこで、ここでは、3回分の調査(平成19、22、25年)を用いて、貧困率の詳しい動向を見ていきます。

2012年の相対的貧困率を年齢別、性別に見ると、男性においては20-24歳の貧困率が特に高く、
 25-29歳以降は10-13%で移行し、60-64歳から徐々に増加するものの、80歳以上でも17%台に
 留まっています。

• 女性では同じく20-24歳で一つ目のピークを迎えますが、その後、50-59歳から急激に貧困率が
 増加し、70歳以上では20%を超える数値が続きます。中年期でも、女性の貧困率は男性よりも
 高く、35-39歳からは常に女性の方が男性よりも高い貧困率となります。


2) 男性の年齢層別貧困率: 時系列の変化 (2006-2012)

• 2006年、09年、12年の男性の年齢階層別貧困率を見ると、まず、2006年から2009年にかけて、 高齢層(65歳以上)の貧困率が大幅に下がり、その傾向が2012年にも確認されます。かつて見ら
 れた高齢者の貧困問題は、男性に限って言えば、解消の方向にあります。
• 一方、20-24歳をピークとする子ども期から20歳前半の貧困の「山」が2012年も拡大方向にある
ことがわかります。20-24歳の男性の貧困率は21.7%と5人に1人という状況となり、男性の年齢
層別では、もっとも貧困のリスクが高いのが子ども期となっています。
• しかしながら、ピークの直後の25-29歳の貧困率は比較的に低くなっており、個人個人のライフコ
ースから見れば、25-29歳になれば貧困のリスクが収まりつつある可能性があります。

3) 女性の年齢層別貧困率: 時系列の変化 (2006-2012)

• 女性の年齢層別貧困率を時系列で見ると、男性で見られたような高齢者における貧困率の低下は
女性では見られません。2012年の高齢女性の貧困率は、年齢階層別に見ると、80歳以上で低下
がありますが、それ以外では2009年と大差はありません。
• 一方で、20-24歳をピークとする子ども期から20代前半にかけての「山」は徐々に大きくなって
いきています。
• 中年期(25-64歳)の貧困率も、2009年に比べると大きな変化はありませんが、2006年から比べる
とじわじわと上昇しています。

4) 1人暮らしの学生を除いた貧困率 (2012)

• 上の「20-24歳」の貧困率の高さの一部は、一人暮らしの学生が高い割合で貧困であることが影響 しています。一人暮らしの学生は、生活の基盤が実家にあると考えられるため、必ずしも貧困では
ないかも知れません。そこで、一人暮らしの学生を貧困率の推計から除外した推計が上のグラフで
す。すると、一人暮らしの学生を除かない貧困率に比べて、特に、20〜24歳の年齢階層の貧困
率が下がります。男性では、21.8%から17.6%に、女性では、19.5%から16.7%となります。こ
れによって、20-24歳の「ピーク」は小さくなりますが、しかし、依然として、15-19歳、20-24
歳が他の年齢層に比べて、高い貧困率であることはかわりません。

5) 勤労世代(20-64歳)男性のの貧困率: 世帯タイプ別 (2006-2012)

・勤労世代(20-64歳)の男性の貧困率を、世帯タイプ別に見てみたものがこれです。2006年から
2012年にかけて、単独(一人暮らしという意味。独身という意味ではありません)世帯の貧困率
は若干減少傾向にありますが、まだ約4分の1が貧困状況にあります。
・夫婦のみ世帯は、ほぼ横ばいと言えるでしょう。
・一方、子どものある世帯の男性の貧困率は上昇しています。夫婦と未婚子のみ、ひとり親と未婚子
のみの世帯、三世代世帯は、どれも貧困率が2006年から12年にかけて上昇しました。特に、ひと
り親と未婚子のみの世帯は、そもそも高い貧困率ですが、ますます、高くなりました。(注:ここ
での「未婚子」は成人した子も含まれます。つまり、30歳の未婚の息子がいる50歳代の夫婦も
「夫婦と未婚子のみ」世帯となります)。

6) 勤労世代(20-64歳)女性のの貧困率: 世帯タイプ別 (2006-2012)

・勤労世代(20-64歳)の女性の世帯タイプ別の傾向は、男性と異なります。夫婦のみ世帯の貧困率
がほぼ横ばいという点、三世代世帯が上昇とう点はかわりませんが、単独(一人暮らし)世帯にお
いては、男性に見られた減少の傾向はなく、横ばいか若干の増加となっています。一人暮らしの勤
労女性の3分の1(33.3%)が貧困の状態です。
・ひとり親と未婚子のみ世帯は、動きが激しく、傾向が見えづらくなっています。女性の場合、この
世帯タイプには、未成年の子どもを抱えた母子世帯の母親と、成人しても親と同居する娘、成人し
た子と同居する母親と、さまざまな人たちが入ってしまうため、解釈が難しくなります。

7) 一人暮らしの人々の貧困率: 時系列 (2006-2012)


• 一人暮らし世帯(単独世帯)は、ひとり親世帯と並んで、最も貧困率が高い世帯タイプです。
• 勤労世代(20〜64歳)においては、一人暮らしの男性の約四分の一、一人暮らし女性の三分の
 一が相対的貧困にあります。一人暮らしの勤労女性の貧困率は、2006年から若干の増減はあるも
 のの、ほぼ横ばいとなります。
• 一方、高齢の一人暮らし世帯の貧困率は、減少の傾向にあります。男性では、2006年の35.7%
から2012年の29.3%となりました。女性では、50.8%から44.6%と減少していますが、それで
も5割近い高い数値となっています。高齢の一人暮らし世帯は、数・高齢者に占める割合共に急増
しており、今後、一人暮らし高齢者の貧困が大きな問題となっていくと考えられます。

8) 学生を除く単独世帯の貧困率

• 若い単独(一人暮らし)世帯の多くは、学生のひとり暮らしです。学生の場合は、生活の基盤が実
家にあると考えられるため、学生を抜いて単独世帯の貧困率を推計すると、上のグラフとなりま
す。
• 20〜29歳の年齢層では、学生を含めた場合と、含めない場合で大きく貧困率が異なります。
しかし、学生を除いた場合においても、女性では26.9%、男性では14.1%と低くない数値です。
• 単独世帯の貧困率は、男性、女性ともに、30〜39歳で一番低くなりますが、その後、年齢とと
もに増加します。特に女性の単独世帯の貧困率は大きく増加します。なお、30歳以上では、学生
の単独世帯が殆どないため、学生を除いた推計値は学生を含めたものと同じです。


9) 高齢男性の貧困率: 世帯タイプ別 (2006-2012)


• 高齢男性の貧困率は全般的に低下傾向にあります。「ひとり親と未婚子のみ世帯」以外では、
どの世帯タイプで見ても、2006年に比べ、2012年の貧困率が減少しました。


10) 高齢女性の貧困率: 世帯タイプ別 (2006-2012)


• 高齢女性の貧困率も全般的には低下傾向にあります。「三世代世帯」以外では、どの世帯タイプで
みても、2006年に比べ、2012年の貧困率が減少しました。
• しかし、単独(一人暮らし)世帯の貧困率は、未だに4割を超えています。


<「ひとり親と未婚子の世帯」について>
• 本報告で用いている「ひとり親と未婚子世帯」の定義 は、厚労省「国民生活基礎調査」の定義に
基づくもの で、「父親又は母親と未婚の子のみで構成する世帯」 です。
• この定義は、親や子の年齢については問いませんの で、「子」には成人した子も含まれます。
例えば、70歳 の母親と40歳の未婚の息子といった世帯もこのタイプの世帯となります。この世
帯タイプの高齢者は、おそ らく成人した子と同居する老親ですが、勤労世帯の子(性別は不問)
がいるにもかかわらず貧困率が高く、 男性では23.1%、女性では30.2%となっています。

11) 子どもの貧困率: 世帯タイプ別 (2006-2012)

• 子ども(20歳未満)の貧困率は、2006年から2012年にかけて上昇傾向にあります。
• 2006年から2009年にかけては、「夫婦と未婚子のみ世帯」、「三世代世帯」の貧困率が上昇し
た一方、「ひとり親と未婚子のみ世帯」の貧困率は減少しました。しかし、2009年から2012年
にかけては、「夫婦と未婚子のみ世帯」の貧困率は横ばいですが、「ひとり親と未婚子のみ世帯」
の貧困率は、2006年の貧困率を上回る率となりました。

12) 子どもの世帯タイプの変化: (2006-2012)

• 2006年から2012年にかけて、三世代世帯に属する子どもが大幅に減少(-7.3%)。その代わり
に、「夫婦と未婚子のみ世帯」の子どもが増加(+5.4%)。
• 「ひとり親と未婚子」も微増(+1.9%)していますが、三世代世帯の減少の多くは、三世代世帯
の貧困率より低い「夫婦と未婚子のみ」に吸収されており、子どもの世帯タイプの変化が子どもの
貧困率の上昇の主原因とは考えられません。
• 世帯タイプの分布が2006年のまま、各世帯タイプの貧困率が2012年のレベルになったとしても、
貧困率は殆ど変りません。


13) 子どもにおける政府移転の貧困削減に対する再分配効果


子どもの再分配前/再分配後の貧困率

• 2006年には、再分配後の貧困率の方が、再分配前より高いという「逆転現象」がおこっています
が、2009年では、逆転現象が解消されています。
• 2012年は、逆転現象は見られませんが、男児では再分配効果が弱まっています。女児では、再分配
前の貧困率が上昇したこともあり、再分配効果も高まっています。


14) 勤労世代における政府移転の貧困削減に対する再分配効果

勤労世代の再分配前/再分配後の貧困率

• 勤労世代では、再分配前(市場所得)での貧困率が2006から2012に向けて上昇しています。
• しかし、再分配後の貧困率は、再分配前の貧困率ほど上昇しておらず、政府の公的再分配の効果が
強まっていると言えます。2012年は、逆転現象は見られませんが、男児では再分配効果が弱まっ
ています。女児では、再分配前の貧困率が上昇したこともあり、再分配効果も高まっています。
• また、男女差を見ると、再分配後の貧困率の男女格差の方が、再分配前に比べて小さくなってお
り、再分配が男女格差を縮小させる一定の効果があることがわかります。


15) 高齢者の貧困削減に対する再分配効果

高齢者の再分配前/再分配後の貧困率

• 高齢者においては、再分配前と再分配後に大きい貧困率の差があり、再分配による貧困削減の効果
があることがわかります。
• 2006年から2012年にかけて、再分配前の貧困率は若干上昇しており、高齢女性においては3.8%
の上昇が見られます。
• しかし、女性も男性も再分配後の貧困率は下降傾向にあり、高齢期の貧困に対する再分配機能は高
まっていると言えます。



16) 就労状況別の貧困率:ワーキングプアは女性の方が多い

• 勤労世代の女性で、働いているのに貧困である率(ワーキングプア率)は13.0%です。
2006年からほぼ横ばいとなります。
• 勤労世代の男性のワーキングプア率は10.3%で、2007年からほぼ横ばいです。
• ワーキングプア率を男女で比較すると、女性の方が高くなります。
• 学生(「主に通学で仕事あり」「通学」)は、高い貧困率にあり、特に「主に通学で仕事あり」
 の人の貧困率は2007年から上昇傾向にあります。
• 専業主婦は、今回、初めて、「主に仕事」の女性よりも、高い貧困率となりました。


17) 高齢者の就労状況別 貧困率

• 高齢者のワーキングプア率は、勤労世代より高く、女性19.3%、男性12.4%となっています。
 しかし、2006年に比べるとこの数値は減少傾向にあります。
• 高齢者においても、仕事をしている人の方が、仕事をしていない人に比べ、男女共に、貧困率が
 低くなっています。


04. 2015年5月23日 08:25:53 : jXbiWWJBCA

多くの識者も指摘しているように、日本の場合、既に再分配が過剰に行われている高齢者世帯よりも、

貧困なのに富裕な高齢者の高額年金へ所得税や消費税を払っている

子どもを持つ世帯への再分配機能の強化が、社会正義の実現だけでなく、治安や社会の持続可能性のためにも重要という結論になるだろう

http://www.hinkonstat.net/子どもの貧困-1-子どもの貧困率の動向/


05. 2015年5月23日 12:48:35 : RCxDz74oWA
>多くの識者も指摘しているように、日本の場合、既に再分配が過剰に行われている高>齢者世帯よりも、

介護なんかはまだまだ足りないのが実情。
親の介護のため子供(中年以降)が仕事を辞めている。

>子どもを持つ世帯への再分配機能の強化が、社会正義の実現だけでなく、治安や社会>の持続可能性のためにも重要という結論になるだろう

子供を持つ世帯はそうでない世帯より裕福なところが多い。
高齢者に限らず裕福な世帯に分配とは再分配の目的からして本末転倒。


06. 2015年5月23日 20:37:53 : jXbiWWJBCA

富裕な高齢者に、貧しい子ども世帯が再分配している現実を、きちんと見た方が良い

http://www.hinkonstat.net/%E5%AD%90%E3%81%A9%E3%82%82%E3%81%AE%E8%B2%A7%E5%9B%B0-1-%E5%AD%90%E3%81%A9%E3%82%82%E3%81%AE%E8%B2%A7%E5%9B%B0%E7%8E%87%E3%81%AE%E5%8B%95%E5%90%91/


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