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社員がついてこなくなる経営者の「言い逃れ」(ダイヤモンド・オンライン)
http://www.asyura2.com/15/hasan96/msg/780.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 5 月 23 日 00:16:05: igsppGRN/E9PQ
 

                       小宮一慶 小宮コンサルタンツ代表


社員がついてこなくなる経営者の「言い逃れ」
http://diamond.jp/articles/-/72059
2015年5月23日 小宮一慶 ダイヤモンド・オンライン


■シャープの混迷に見る経営者の問題

 ここまで何回か「企業の方向づけ」について、説明をしてきました。経営とは@企業の方向づけ、A資源の最適配分、B人を動かす、の3つです。この3つのことをどれだけうまく行うかが経営者の仕事で、それが企業の命運を決めるのです。とくに@の企業の方向づけがとにかく何よりも大切です。

「方向づけ」とは何をやるかやめるかを決めることですが、これを間違うと、どんなに優秀な人が働いて頑張っても結果は出ません。もちろん、働く人、株主、取引先など、だれも幸せになれないわけです。

 シャープが、2015年3月決算で2223億円もの最終赤字を計上することとなり、国内だけで3500人、海外を含めると5000人を削減すると発表しました。もちろん、企業経営には運、不運の部分もありますが、私は今回のシャープの一連の報道を見て、経営という観点から、かなり違和感を持ちました。

 今回は、その問題と、さらには銀行の動きなどからシャープの今後を考えてみたいと思います。

「違和感」を持ったと書いたのは、次のような内容の報道が決算が発表された翌日の日経産業新聞の1面に載っていたからです。

 現社長へ社内から、方向づけをはっきりさせてほしいということがあったのに対し、現社長は、自分が方向づけをしたら下の人が育たないという旨の発言をしていたというのです。

■決断することこそ経営者の使命

 先にも述べたように、経営において最も大切なことは「方向づけ」をすることで、その決断をすることこそが経営者に最も求められていることなのです。

 松下幸之助さんは、私の座右の書の『道をひらく』の中の「断を下す」というところで、

「進むもよし、とどまるもよし。要は断を下すことである。自ら断を下すことである。それが最善の道であるかどうかは、はかり知れないものがあるにしても、断を下さないことが、自他ともに好ましくないことだけは明らかである。人生を歩む上において、企業の経営の上において、そしてまた大きくは国家運営の上において、それぞれに今一度、断を下すことの尊さを省みてみたい」

 と述べておられます。

「断を下す」ことの大切さを述べられたものですが、自社が危急存亡のときに、その「方向づけ」において断を下さない、それもこの報道どおり「下の人が育たない」という理由で緊急時の方向づけの決断を怠っていたとしたのなら、厳しいようですが、経営者としての任を全うしていないというしかないでしょう。

 このような状況で、部下を育てることが最優先でないことはだれの目にも明らかです。単なる言い逃れにしか聞こえません。

 もちろん、とても厳しい状況の中、方向づけを決めるのは容易なことではありません。

 しかし、そういうときこそ、「衆知を集める」ということです。社内外の識者から意見を聞き、そして、それを最後は社長一人で判断し、あとはそれをやり切るしかないのです。

 判断を先延ばしにしてきたことが、結局多くの従業員のリストラという結果を招いています。下の人を育てるどころか、下の人がいなくなる結果となっているのです。

■シャープは今後一体どうなる?

 そして、シャープの今後ですが、報道だけから見る限りは今後の見通しが見えないのも事実です。主力銀行である三菱東京UFJ銀行とみずほ銀行から、融資のうち2000億円を資本勘定に振り替える「デット・エクイティ・スワップ(DES)」を行うことが決定しました。

 シャープの現状の借入金の大部分は、返済期日の短い短期借入金です。銀行も先行きが見えないので長期では貸したくないので、どうしても短期借入金が増加するのですが、それではすぐに返済期限が来てしまうので、こういう状況では資金繰りに窮しかねません。そこで、その借入金の一部を、返済が不要な「優先株(議決権はないが配当が支払われる場合には普通株よりも高めに支払われる)」という資本勘定に振り替えるということを行ったのです。

 ただし、返済は猶予されますが、新たな資金が投入されるというわけではありません(今回の一連のファイナンスの中で、銀行系の投資ファンドから250億円の資金が投入されますが、この資金のかなりの部分は割増し退職金などのリストラに使われると考えられます)。

 それと同時に、話題になった大幅な減資も行っています。

 これは、株主が出資してくれた1000億円余りの「資本金」を5億円にまで減らし、その分を「利益剰余金」に振り替えようとするものですが、資金的にはなにも増減はありません。また、資本(純資産)全体から見れば、何も変わらず、実質的なものは何もありません。

 なぜ、このようなことを行うのかというと、今回の決算で大幅赤字となると、利益剰余金がマイナスとなります。利益剰余金がマイナスの状況だと、通常は配当ができなくなります。こういう状況ですから、配当は期待できないのですが、さきほどの銀行の優先株のことを考えれば、利益剰余金をプラスにしておく必要があったのだと考えられます。

 銀行としては、短期借入金が返済不能となりシャープが倒産するよりも、優先株とすることで、しばらく時間を稼ごうとしているのでしょう。シャープが倒産するのであれば、貸出しであろうが優先株であろうが、銀行から見た結果は一緒です。場合によっては配当を得られることを期待しているとも思いますが、おそらく、銀行としては、この時間を稼いでいる間に、シャープ全体、あるいは一部の事業の売却を模索すると考えられます。

 倒産は、銀行にとっても株主にとっても、もちろん、シャープの従業員にとっても最悪の事態ですが、方向づけ、それもリストラ以外で採算性を向上させる道筋や、それを行うリーダーシップがはっきりと見えない中では、このままでは事業の売却しか方法はないのではないでしょうか。


 

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コメント
 
01. 2015年5月23日 00:31:33 : NF6nePYzas
安倍の事をあてこすってるのか

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