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雑感。黒田日銀総裁の会見
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52703429.html
2015年05月22日 在野のアナリスト
国が主導し、核のゴミの処分地に関して有力な地を選定、地元にはかるという方針に変更する旨、伝わります。しかし本当に有力な場所などあるのか? 甚だ疑問です。しかし今回のように相対的に比較するなら、それはリスクの高低という形で表れる、ということにもなります。リスクが低いからといって、決してそれは安全、安心ではないのですが、この辺りは安保法制と同じ、国が指定した場所は「安全」などという暴論で押し切るのかもしれません。
日銀の金融政策決定会合が開かれました。株式市場では、前場から後場に失望売りが出ることを見越した動きがあり、むしろそうした層が買い戻すことで、上げた形となっています。おかげで株式の時価総額が最高値を更新、しかし今日は商いも低調、引け後の黒田総裁の会見と、今晩のイエレンFRB議長の講演待ちだったのであり、その影響は来週に出てきます。
黒田総裁の会見ですが、金融政策は現状維持、景気認識は「緩やかな回復基調を続け…」から「緩やかな回復を続け…」と、基調判断をやや上方修正したことについて、1-3月期GDPと個人消費の堅調さを上げました。しかし個人消費は原油安効果がフル寄与し、追加緩和効果もあったはずなのに、10-12月期から伸び率は横ばい。むしろプラス効果がなければマイナスに陥った可能性すらあります。4月の小売は伸びていますが、これは昨年の駆け込み需要の反動の、反動で数値が高めに出ているもので、一昨年と比較し、また5月以降の数値を見てみなければなりません。
4月以後、増税の影響が消えることで物価も下落、実質賃金もプラスになるとの観測もあります。黒田氏も増税のマイナス面は認めつつ、見守るという姿勢ですが、実質賃金がプラスになっても、消費が回復するかどうかは見通せないことが示されています。それは年金のマクロ経済スライドによって伸び率が押さえられた結果、拡大する年金受給層の購買力が低下しているため、ということです。しかも日銀が想定する物価上昇率に達すると、年金受給層はさらに苦境となり、消費を抑える。インバウンド消費が伸びても、現状程度になるなら、この年金受給層の消費意欲がどう回復して行くか、の方が日本経済にとって大きな影響を与えるのかもしれません。
潜在成長率も1%程度にもどる、と自信を深めますが、設備投資や女性の就業率をその理由にあげるのは、些か問題もあります。米中の減速、失速で設備投資計画は手控えられ、女性の就労も多くはパートタイム。今のところこの材料での伸び代は、限定的ともえいえます。それ以上に落ちて行く就労人口と、増えていく年金受給層と絞られる社会保障費、この兼ね合いから考えれば、別の手を考えない限り、現状の0%程度から回復することはないと言えるのでしょう。
現在の株価について、黒田氏は「バブルでない」と認識を示しました。しかし今、市場で起きているのは外国人投資家の先物売り、現物買いの流れです。増やし過ぎた先物買いを処分するのは当然として、欧州のギリシャ不安、米国の指標悪化、など投資先の減少によるマネーとみられますが、こうした需給のみの問題で上げている状況です。さらに日銀プレイとされる、日銀への思惑買いが相場を支えている。日本の将来性を買っている状況ではありません。
今回、日銀は追加緩和期待の収束を計りはじめた、というのが本音なのでしょう。景気認識を上方修正し、想定通りに経済が動いているなら、追加緩和をする必要がありません。それでも「躊躇なく調整」と述べ、追加緩和に含みを残すダメージコントロールを計ってはいますが、本音は米国の圧力が強まり、市場にも変動要因が散見される中、どう追加緩和期待を収束させ、それでも資金を逃がさないか? それを意識しているものとみています。日本の現物株買い、これが成長期待でないのは、業績の伸び率をみても明らかです。そうしたマネーの事情で上がっている株を、どう維持して行くか? これから本格的な市場監視という、日銀の仕事が始まるといえるのかもしれませんね。
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