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トヨタ・マツダ包括提携の衝撃 生き残りをかけた自動車大再編“第五幕”の予兆(ダイヤモンド・オンライン)
http://www.asyura2.com/15/hasan96/msg/740.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 5 月 22 日 00:16:05: igsppGRN/E9PQ
 

トヨタとマツダの提携記者会見で、息がピッタリの様子を見せた豊田章男・小飼雅道両社長。両社の提携が自動車業界に投げかけた波紋は、小さくなさそうだ Photo:Natsuki Sakai/AFLO


トヨタ・マツダ包括提携の衝撃 生き残りをかけた自動車大再編“第五幕”の予兆
http://diamond.jp/articles/-/71943
2015年5月22日 佃 義夫 [佃モビリティ総研代表] ダイヤモンド・オンライン


■トヨタとマツダが業務提携で合意 「トヨタグループ入り」は既定路線?

 トヨタとマツダが業務提携で合意し、豊田章男・トヨタ社長、小飼雅道・マツダ社長による緊急記者会見が、5月13日の夜に行われた。その日、横浜本社で行われた日産の3月期決算発表に出席した筆者も、カルロス・ゴーン・日産社長の会見に出たその夜、トヨタとマツダの会見に臨んだ。

 両社は、「クルマが持つ魅力をさらに高めていく」ことを念頭に、両社の経営資源の活用や、商品・技術の補完など、相互にシナジー効果を発揮し得る、継続性のある協力関係の構築に向けた覚書に調印したと発表した。

 都内ホテルで行われた両社の業務提携会見は、冒頭から豊田章男・小飼雅道両社長によるにこやかな笑顔での握手撮影から始まる異例なものだった。「結婚会見なのか」と質問が出たほどだが、「結婚と言うより婚約会見」と豊田章男社長が答えれば、「従来の提携の枠組みを超える」と小飼社長も応じる。2人の息が絶妙にマッチしていると感じた。

 いずれにしても、このトヨタ、マツダの業務提携合意会見は、提携合意における両社の共通認識を披瀝するものにとどまった。具体的な合意内容や成果に関しては触れられず、今後両社で組織する検討委員会において、環境技術、先進安全技術といった分野をはじめとする、互いの強みを活かせる具体的な業務提携の内容の合意を目指していくというものだった。

 むしろ、トヨタがハイブリッド技術をマツダへ供与し、マツダがメキシコ新工場で生産する「デミオ」をトヨタの米国ベビーブーマー向けブランド「サイオン」へOEM供給するというように、両社はすでに相互連携の関係にあり、これを発展させる業務提携ということになる。マツダのメインバンクは三井住友銀行だが、三井家は豊田家の姻戚関係にもあたるため、こうしたところにも縁を感じる。

 つまり、マツダがトヨタとの包括的業務提携に進むことで、「トヨタグループ入り」を明確にすることが、今回の発表のポイントと言えよう。

■両社の提携が投げかけた波紋 グローバルでの合従連衡加速か

 筆者は、連載第4回で「世界自動車大再編は第五幕に転じた」と述べたが、今回のトヨタとマツダの提携明確化はそれを裏付けるものとなってくれた。今後の両社の動きも気になるところだが、今回の提携発表は他の自動車各社の動向にも影響を与え、波紋を投げかけることになるのではないか。今後は、日本車各社の提携の枠組みが変化すると共に、グローバルでの合従連衡が加率されることにもなりそうだ。

 トヨタとの業提携発表会見から1週間後の5月20日、マツダはスポーツカー「ロードスター」の新車発表を行った。小飼社長への質疑応答では、「新車以外の質問は控えて」という発言が司会者からあった。「マツダ経営の紆余曲折を経て10年ぶりとなる4代目新型ロードスターは、マツダの象徴でもある。世界のライトウェイトスポーツカーの需要喚起の先駆けとしたい」と、小飼社長は新型スポーツカーへの自信をのぞかせた。

 確かにマツダは、かつてロータリーエンジンという独自の技術を持ち、中国地方の広島に本社を置いて主力サプライヤーも広島圏内に多いという、特徴のある自動車メーカーである。旧社名は東洋工業で、現地ではマツダの「マ」を強調したアクセントで呼ばれて親しまれている。地域への溶け込み方を見ると、まさにマツダ城下町を形成してきたと言える。

 だが、そのマツダの歴史は、存亡の危機に陥る時期もあったほど、苦闘の連続だった。同社は、東洋工業時代に行なわれた自動車資本自由化後の1979年に米フォードと資本提携。1980年代には国内販売チャネルをマツダ店、マツダオート店、ユーノス店、オートラマ店、オートザム店の5チャネル体制に拡大したものの、バブル崩壊で1990年代以降は業績も低迷し、存続の危機に陥った。このとき経営再建が行われ、それを主導したメインバンクの住友銀行の発言力が強まった。

 一方、1996年にフォードが出資比率を33.4%に引き上げ、社長を送り込んで以来、フォード出身の外人社長が4人続いた。それまで通産省(当時)や住銀出身の社長がいたこともあり、同社はいわば住友銀行やフォードといった外部の関係者に翻弄されてきた経緯がある。もちろん、フォード主導で「フォード流」が活かされた経緯も十分にあるが……。

 マツダの流れが変わったのが、フォードから来た4人の外人社長の後を受けた、生産技術畑のプロパーである井巻社長(2003年)の就任からである。フォードとの関係を活かしながらマツダの独自色を高めていった。さらに、井巻社長の後を継いだ山内社長が2008年に就任すると共に、リーマンショックでフォードが13%を残してマツダ株を売却したことにより、マツダはフォードを離れて生き残りをかけざるを得なくなる。

 山内マツダ体制下では、2010年にトヨタとハイブリッド技術供与で合意、2012年に「構造改革プロジェクト」をスタート、2013年にメキシコ工場で北米向けトヨタ車の生産を開始、伊フィアットとスポーツカーの事業契約で合意と、次々に新たな選択に踏み切っている。

■小飼体制で花開いた「SKYACTIV」 もっといいクルマづくりに魅了されたトヨタ

 その山内体制を受けたのが、現在の小飼社長だ。山内氏は井巻氏以来となる生産技術畑出身者の小飼氏を後継に指名し、マツダは2013年に小飼体制に移行した。ここで花開いたのが、「SKYACTIV」(スカイアクティブ)技術である。マツダは、かつて大株主であったフォード自身が苦しい経営状態に陥ったことで、2006年から自らの手で新世代技術「パワートレイン」の開発に取り組んできた。

「スカイアクティブ」とは、マツダの新世代エンジン、トランスミッション、ボディ、シャシー技術の総称である。すなわちマツダは、ガソリンエンジン・ディーゼルエンジンの内燃機関を極めることを目標としたスカイアクティブ技術を使い、先代のデミオを皮切りとして今回の新型ロードスターに至るまで話題の新車を投入し続け、市場の注目を浴びている。

 これに呼応したのが、豊田章男社長率いるトヨタである。豊田社長がマツダのスカイアクティブ技術と魂動(こどう)デザインに着目し、「ハイブリッド技術供与、マツダのメキシコ工場生産のトヨタOEM供給という個別プロジェクトから、お互いの価値観、実務同士の信頼感により中長期目標で機が熟し、今回の包括的業務提携に繋がった」(豊田章男豊田社長)というわけだ。

 マツダは、スカイアクティブ技術の実用化で一気に業績を回復させた。前3月期決算でも売上高3兆339億円(対前期比13%増)、営業利益2029億円(同11%増)、経常利益2126億円(同51%増)、純利益1588億円(同17%増)と、売上、利益とも2ケタの伸びを示し、連載第2回で取り上げた富士重工業(スバル)と共に、業績の急伸長が注目されている。

 一方トヨタグループは、すでに子会社化したダイハツと日野に加えて、資本提携関係にあるのが富士重工業(トヨタ出資比率16.48%)、いすゞ(トヨタ出資比率5.89%)という布陣。連載第2回で指摘したように、富士重工とは順調な提携関係を続けているが、いすゞとは当初のディーゼルエンジン供与などが進んでおらず、現状では微妙な関係にある。

 両社のトップも認めるように、トヨタとマツダは、トヨタが三河の豊田市に本拠を置くのに対し、マツダが広島の府中町に本拠を置くという土壌・文化が似通っていることもあり、中長期で幅広く協業できるとの共通認識を持つ。ただ、資本提携関係までいくかというと現時点では読み切れない。マツダの筆頭株主は三井住友系の信託銀行で三井住友銀行が主体だが、米フォードも2.1%出資比率を残している。フォードの出資分を、いずれトヨタが引き継ぐかどうかだろう。

 トヨタ・マツダの業務提携発表以来、マツダの公式SNSには「マツダはトヨタと組んでマツダらしさを失うことにならないだろうか」など、マツダの行く末を心配する反応が多く見られた。それだけ、マツダ復活を応援する一般ユーザーが増えているということであり、5月21日には小飼社長自らマツダのSNSで、こうした不安に答えるコメントを発したほどである。

■トヨタ・マツダに触発されるか?いすゞ、三菱自、スズキの動向

 トヨタ・マツダの包括的業務提携の行方は今後の展開を見守るとして、自動車業界ではこの提携に触発され、生き残りの道を模索するための新たなステップに踏み出す動きが加速しそうである。

 日系自動車メーカーのなかで注目すべきは、トヨタグループのいすゞ、三菱グループ主力企業で優先株を解消した三菱自動車、独VWとの資本提携解消で国際裁判が今夏までに決着しそうなスズキの動向である。

 トヨタグループの日野、ダイムラーベンツグループの三菱ふそう、ボルボグループのUDトラックスと共に、日本のトラックメーカー4社の一角を占めるいすゞは、トヨタや日野との関係が進展せず、結局米GMと復縁する可能性が濃い。

 三菱自動車は、ベンツとの資本解消を経て一時は仏プジョー・シトロエン(PSA)との提携も志向したが、三菱グループ支援下での再建が先行された。その後、軽自動車の開発合弁を日産と展開したことで、日産との関係強化かと見られたが、両社の文化や土壌の違いもあり、果たしてどうなるか。

 スズキは、GMの経営破綻により独VWとの資本提携に進んだが、VWの覇権主義に鈴木修会長兼社長が反発し、資本提携の解消を訴える国際裁判が行われている。これが今夏頃までに決着しそうだが、その後はスズキをここまでの企業に伸し上げた鈴木修会長の経営判断次第となる。ちなみにVW問題が決着すれば、鈴木修会長兼社長が社長の座を形式上後継に譲ることも予想される。

■日系自動車各社は生き残りへの決断を迫られている

 いずれにせよ世界自動車大再編は、筆者が指摘した通り、第五幕目を迎えつつある。リーマンショックという危機は乗り越えたものの、自動車各社がグローバル経営で持続的成長を維持し続けるための合従連衡は、今後も進んでいくだろう。

 カルロス・ゴーン・日産社長兼ルノー会長は、「ますます世界の自動車の合従連衡が必要になる」と日産の決算発表で強調した。ゴーン氏は、「ルノー・日産アライアンスをこの16年間、成功させてきた」と自負を語る。ルノー・日産連合は、ダイムラーベンツとも戦略的協力関係を築き、OEM契約などを展開している。ただゴーン氏の足元には、仏政府のルノーへの関与強化により、16年間の流れを継続できるかどうかという課題もある。

 筆者は、1999年にダイヤモンド社から『トヨタの野望 日産の決断』という著書を上梓したが、足もとでリーマン前を超える営業利益2兆7000億円を確保し、持続的成長への野望を再び強めるトヨタの姿などを見るにつけ、日系自動車各社が「生き残りへの決断」を迫られていることを、改めて実感している。


 

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コメント
 
01. 佐助 2015年5月22日 07:45:50 : YZ1JBFFO77mpI : EADAn2gPfQ
次期産業革命の起点となるエンジンレスの本命は水素発電と電磁波起電力です。
次期産業革命は、この動力エンジンを、水素発電&電磁波起電力に移行させて発生する。そのため、CO2を発生させる動力は一掃され、乗用車はエンジンレスとなる。

1900年頃の米国は、テクノロジーもスタイリングも欧州にリードされた後進工業国だった。米国の乗用車市場には、弱小150社がひしめき、欧州車に追いつき追い越すために一生懸命だった。それから五年後、四倍に急成長した米国は、世界の乗用車生産の65%を占め、その55%を占めたフォード社は、一躍世界のトップ企業になった。東南アジアの工業都市が,この世界と各国で発生した劇的変化が、全産業で再び同じことが起きます。

我々は2020年迄に、流行からテクノロジーまで、欧米日の先進工業国に追いつき追越すことを体現する。政治むと経済の指導者たちは「流行もテクノロジーも永遠に欧米日がリードし、百年たっても追いつけない」と、逃げます。そして指導者たちとマスコミは、ローターリーや何度もブームになった蓄電池車や電気自動車やハイブリッド車を、未来の車だと錯覚し,原発に拘り燃料電池からの太陽電子電池化を遅延させます。そのために東南アジアの工業都市や中国・インドに抜かれるのです。

水素発電には色々な方式がある。その共通のネックは電解質膜にある。リチウム電池が1972年以来、たびたび火災発生のトラブルを起こすのは、リチウムイオンが電解質膜を加熱させるためだ。水素発電でも、電解質膜の安定性と効率が成功のカギとなる。しかも排ガスゼロの水素発電の成功に時間がかかる。

そして燃料電池よりパワーの大きい、水素も酸素もリチウムも必要のない電磁波電池が注目を浴びる。太陽光線は、光と共に電磁波を24時間地球に送っている。光は夜や曇りの時間は太陽光発電できないが、電磁波発電は24時間できる。と言っても、電磁波電池は、電池のように電気をため込むのではなく、電磁波を熱変換して使用する永久起電装置である。

こうして家庭も工場も乗り物も、電子電池電源で動く時代になるので、都市も農業も漁業も本当にかわり、人類は次期産業革命を謳歌することになるが,政府は既得権益を護持するために二番煎じと建前と本音を使い分け,なんやかんやと遅延させます。そのために古今未曽有のパニックと大企業の消失は避けられません。しかしエンジンレスに成功した巨大な企業が自動車だけでなく誕生します。


02. 2015年5月23日 00:59:09 : OrUmIOsggI
トヨタ・マツダの提携は、それぞれが属する財閥グループの意向だろう。トヨタは一般的には、それだけでグループを形成しているように思われているが、三井財閥系である。一方のマツダは住友財閥系だ。この三井と住友が、同じ種類の企業同士の統合を進めている。都市銀行の三井住友グループが代表的だが、これに習って鉄鋼の新日鉄(三井系)と住友金属(住友系)が合併したり、水面下で次々と両グループ傘下の企業の統合が進みつつある。

このことから、トヨタとマツダの経営統合もありうると当方は見ている。これに対抗する動きとして、三菱グループと旧芙蓉グループの統合も進みつつある。三菱重工の火力発電部門が、日立の火力発電部門と統合されたのが顕著な例だ。

三菱自動車と日産自動車の統合を予想する向きもあるが、日産自動車の株式の多くを所有するフランス・ルノーの動向が注目される。ルノーと言えばゴーンだが、どうも最近衰えつつあるのか、日産の経営に消極的な面が目立つようになってきた。もはや熱意を持っていない感じだ。ルノーが日産より、ダイムラーとの提携を強化したい意向を持っているのである。

三菱、日産、スズキの3社が最近、接近している。それぞれOEM車を相互に供給しあっている。三菱、日産の軽商用車は、スズキのOEM車だ。これでダイハツに対抗している。一時期、日産が乗り出すと見られていた軽乗用車の自社生産だが、生産設備に投資しても採算が合わないことが判明し、これまで通り三菱自動車の岡山県水島工場で生産された軽乗用車を販売し続けることにしたと言う。

1960年代の自動車資本自由化による業界再編は、日産自動車がプリンス自動車を吸収合併し、愛知機械工業と富士重工をグループ化した。当時、日本最大のグループであった。トヨタはダイハツと日野自動車を傘下に入れた。日野自動車は、これにより乗用車の生産から撤退している。これに対抗する動きとして、いすゞ・三菱・富士重工のIMF構想があった。当時、三菱の自動車生産は三菱重工が担っており、中島飛行機以来のライバルである富士重工とは組めないと言うので、いすゞとの統合話も消滅。いすゞはGMと提携し、三菱はクライスラーと提携して自動車部門を切り離した。

独自路線と見られていた東洋工業(マツダ)は経営危機の末、フォードと提携した。ホンダは独自の道を歩んだ。

日本の自動車メーカーは、1960年代の自動車資本自由化の際には、それほどメーカー数は減らなかった。しかし今度は少子高齢化による市場の縮小や、生産の海外移転に伴う輸出の減少もあり、これまでのようなメーカー数を維持していくことは困難になるだろう。大まかに言って、トヨタグループと日産グループとホンダの3グループになっていくだろうと当方は見ている。


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