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首位陥落でもビクともしない! トヨタ王国自信と過信(週刊実話)
http://www.asyura2.com/15/hasan96/msg/729.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 5 月 21 日 20:40:05: igsppGRN/E9PQ
 

首位陥落でもビクともしない! トヨタ王国自信と過信
http://wjn.jp/article/detail/7662365/
週刊実話 2015年5月28日 特大号


 日本の自動車産業史に残る一つの大きな“事件”と言っていいだろう。2014年度の世界新車販売で、トヨタ自動車がついにドイツのフォルクスワーゲン(VW)の後塵を拝し、2位へ転落したのだ。

 グループの総販売台数はVWの約1018万5000台に対し、トヨタは1016万8000台で、その差は2万台弱だった。この数年、VWは急激に成長を遂げており、既に米GM(ゼネラルモーターズ)を抜き去っていた。その余勢を駆って「今年中にはトヨタを抜いて世界一に躍り出るのではないか」との観測しきりだった。それが1年前倒しで実現したのである。

 もっとも、暦年(1〜12月)ベースではトヨタ1023万1000台、VW1014万台と、トヨタが約9万台上回っていた。昨年1〜3月に4月の消費増税をにらんだ駆け込み需要から、国内販売が急増していた分が大きい。暦年ではその分がカウントされるが、4月からの年度ベースではカウントされない。その違いがあるとはいえ、VWに盟主の座を奪われたのは事実である。

 トヨタ首脳陣は、さぞショックに打ちひしがれているかと思いきや、「むしろ『トップ転落は織り込み済み』とサバサバしている面々が少なくない」とウオッチャーが打ち明ける。

 かつて拡大路線を突き進んだトヨタは2008年のリーマン・ショックに直撃され、巨額の赤字に塗れた。何せ'08年3月期に2兆円を超えていた営業利益が、翌'09年3月期には4600億円の赤字に沈んだのである。その反省を踏まえ、'13年から新工場建設を3年間凍結すると発表し、むやみに販売台数を追わず、生産性など利益重視の経営に徹してきた。

 これに対し、トップ奪取の大目標を掲げたVWは“イケイケドンドン”とばかりに積極投資を重ねてきた。だからこそ、年度ベースでVWの後塵を拝したことにもトヨタ首脳は「想定の範囲内と受け止めている」というのだ。

 むろん、トヨタとて2位や3位の座に安住する気などサラサラない。現に4月半ばには'13年に掲げた「3年間凍結」の方針を1年早く解除し、総額1500億円を投じて中国とメキシコに年間生産能力それぞれ10万台、20万台の工場建設を発表した。その狙いは「下手するとVWとの差が一気に拡大する。だからVWに追い付き、抜き去るべく前倒しで手を打つ必要がある」ということに尽きる。

 「豊田章男社長は去年5月の決算会見で『意志ある踊り場』と表現し、規模の拡大よりも長期的視野に立った競争力を磨くことの必要性を訴えた。ところが当時は距離があったVWに、その“踊り場”でアッサリ抜かれてしまった。対外的にどう釈明しようと、御曹司がこれに焦らないわけがない。そこで『VWと競うには迫力不足』の陰口を承知で中国、メキシコの工場建設にGOサインを出した。建前はともかく、着工を1年遅らせたらVWの背中が遠のくと思ったからです」(経済記者)

 トヨタはハイブリッド車(HV)や燃料電池車(FCV)では、突出した技術力を誇る。この点ではVWやGMといえども、足元にも及ばない。しかし、自信と過信は表裏一体の関係にあり、一歩誤ると無用の敵を作りかねない。

 トヨタは新年早々、FCVの特許を東京五輪が開催される'20年末まで無償で解放すると発表した。ところが「自社技術を普及させ、世界のFCV市場を主導したい」との魂胆が透けて見えることから、ホンダをはじめ国内勢は距離を置いている。当然ながら海外勢の腰も重い。FCVで一気に世界制覇を狙ったトヨタの野望は、早々に頓挫した格好なのだ。

 「自動車業界では、技術は日産、エンジンはホンダといわれている。それに対し『販売のトヨタ』ですからね。FCVで国内外に敵ばかり作った揚げ句に失速したら、それこそ目が当てられません」(前出・ウオッチャー)

 今春、FCVの特許開放と並んでトヨタの英断と称されたのが、下請けメーカーに対する値下げ要請の見送りだ。トヨタはこれまで450社の1次取引先に対し、値下げ要請を年2回行ってきた。ところが'14年度下期(昨年10〜今年3月)に続いて'15年度上期(4〜9月)も実施すると発表した。トヨタ王国を支える下請けへの“気配り”には違いないが、その分社員のベースアップにつながるため「FCV普及でタッグを組む安倍政権へのゴマ擦り作戦だ」との冷ややかな見方さえくすぶっている。

 国内の販売も消費増税後の今年3月まで、実に12カ月連続で前年割れとなっている。状況は決して楽観できるものではないが、プライドだけはめっぽう高いトヨタのこと。その“反撃”を世界中が注目している。


 

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コメント
 
01. 2015年5月24日 11:12:05 : OrUmIOsggI
ライバルのフォルクスワーゲンを中心に書きますが、欧州大陸出身の外国人妻に言わせると、ここまで大きくなるとは思っていなかったそうです。

同社はヒトラーの国民車構想に基づいて国策会社として設立され、ドイツ敗戦後、連合国の管理下におかれます。当初はソ連が接取して、工場設備を丸ごとソ連国内に移す予定でした。オペルの工場設備がソ連国内に移され、これが国民車モスクビッチになります。ソ連は第二の国民車として、フォルクスワーゲンに注目していたようです。

これに対しイギリスが異議を唱え、フォルクスワーゲン工場はイギリスの管理下に移行します。イギリスとアメリカの自動車メーカーに譲渡する予定でしたが、空冷のリアエンジン、四輪独立懸架など個性的過ぎるフォルクスワーゲンは、前にエンジンを置き後輪を駆動するのが自動車だと信じていた彼らには、奇異に映りました。フォードのヘンリー・フォード二世社長に対し、彼らは「あの自動車には何の価値もありませんよ。」と報告したのです。

これによりフォルクスワーゲンは命拾いしたのですが、「捨て子」扱いのフォルクスワーゲンの社長になった元オペル役員のノルトホフ氏が経営に卓越した手腕をふるって、1950年代には西ドイツの主要輸出産品に育て上げ、貴重な外貨を稼いで西ドイツの復興に大きく貢献したのです。

現在の同社とは全く関係ない話ではありますが、このような歴史の奇遇がなければ同社は今日、存続していなかったことが言いたかったのです。

そのフォルクスワーゲンに試練の時が来たのです。1960年代後半、リアエンジン方式の操縦性が危険だとアメリカ消費者運動家ラルフ・ネーダー氏が槍玉に挙げ、他の国でも雪道や凍結路における事故の多発で評判を落としつつあった。同じリアエンジン大手のイタリアのフィアットは、自社の技術者ダンテ・ジアコーサ氏が画期的な前輪駆動方式を開発し、これは「ダンテ・ジアコーサ方式」として、前輪駆動の決定版になります。前輪駆動方式の難点であった前輪の等速ジョイントも画期的なものが開発されたのが1960年代。これを見てフォルクスワーゲンも、創業以来のリアエンジン方式を捨てることを決意しました。

同社はダイムラー・ベンツが所有していたアウディ・アウトウニオンを1964年に買収し、戦前から前輪駆動車を手がけていた同社の技術を吸収。そして1970年代になるとパッサート、ゴルフ、ポロと相次いで前輪駆動車を投入しました。このアウディ買収が同社の生き残りの決定版になった。アウディは1960年代、とても冴えないブランドで、ボルクヴァルト・グループやグラースと同様に消えていくブランドとさえ思われていたからです。

フォルクスワーゲンがその後、東西冷戦が終わった頃にスペインのセアトやチェコのシュコダを買収して巨大化を開始しますが、西ドイツと東ドイツが統一されて戦後に決別したことが大きいですね。フォルクスワーゲンと言うと、どうしても連合国側から見て「敵国」のブランドであり、オーストラリアやニュージーランドでは売れていない自動車でした。彼らはイギリス連邦ですので、イギリスから輸入される小型車や、アメリカ資本の現地生産メーカーが生産する自動車を購入していました。

戦後45年が経過した頃から、フォルクスワーゲンは旧敵国でも売れるようになってきました。同じ旧敵国の日本メーカーの自動車が売れているのだから、ドイツにも目が行きます。フォルクスワーゲンは、今やオーストラリアでもベスト10に入る自動車ブランドです。

イギリス車の衰退、フランス車の縮小に伴って、フォルクスワーゲンは売れるようになってきました。やはり「敵国」のイメージがなくなったことが大きいですね。


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