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都銀は4月に3兆円近くの債券売り越し
http://bylines.news.yahoo.co.jp/kubotahiroyuki/20150521-00045915/
2015年5月21日 10時42分 久保田博幸 | 金融アナリスト
日本証券業協会(JSDA)は5月20日に4月の公社債投資家別売買高を公表した。これは日本証券業協会の協会員、つまり証券会社から、当月中に取り扱った公社債の一般売買分(現先を除き、国債の発行日前取引を含む)の状況についての報告を基に集計したものである。発表される公社債投資家別売買状況のデータは、全体の数字と短期債の数字となっている。このため、短期債を除く債券のデータについては、全体から短期債を引いたものを使う。ここには国債入札で購入した分や日銀の国債買入分は入っていない。
4月に都銀は2兆9829億円の売り越しとなっていた。これで10か月連続での売り越しとなる。金額も大きくいわゆる期初の売りであろうか。国債投資家別売買高でみると、長期債を1兆2677億円売り越し、中期債を1兆5322億円売り越している。
売り越しが大きかったのは次いで「その他金融機関」の1兆311億円の売り越し。こちらは長期債を4809億円、中期債を5231億円売り越している。その他金融機関のなかで具体的にどの金融機関が売り越していたのかはわかからない。参考までにゆうちょ銀行は「その他金融機関」ではなく、ここでは「その他」に入っている。その「その他」も8429億円の売り越し。続いて信託銀行の5763億円の売り越し。年金などの国債ポジションの圧縮は続いているようである。農林系金融機関は3813億円の売り越し。
買い越しとしては、今回も外国人が1兆8365億円の買い越しとなっていた。3月は1兆7069億円の買い越しとなっており、4月で10か月連続での買い越しとなる。長期国債を9059億円、中期国債を6535億円、超長期債を2463億円買い越していた。
投資信託は6254億円の買い越し。中期債主体の買い越し。生損保は2081億円の買い越し。超長期債主体の買い越しとなっていた。
4月の債券相場を振り返ってみると、ドイツを主体とした欧米の長期金利の低下が進み、4月16日にはドイツの長期金利は0.1%を割り込み、17日に0.049%まで低下した。しかし、ここから急反発することとなる。その基調変化が米国や日本の長期金利に影響を与えたのは4月末以降であり、特に日本では4月30日での金融政策決定会合での追加緩和期待が一部にあり長期金利が24日に0.28%まで低下するなど相場そのものが4月末近くまでしっかりしており、都銀などが期初の益出しをする絶好の機会ともなっていた。
日本の大型連休中にスピードを増してドイツを主体に国債が大きく下落した。これを受けて日本の債券市場も調整を余儀なくされた。しかし、5月半ばあたりから中短期債は妙な動きをしていたこともあり、海外投資家の動向も気になるところである。
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