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あの某人気企業に美人が多い謎 やっぱり「顔採用」は存在した!企業にメリットも
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150521-00010001-bjournal-bus_all
Business Journal 5月21日(木)6時2分配信
3月1日から日本経済団体連合会(経団連)に加盟する企業の採用情報や説明会情報の公開が解禁されたことで、最近では街中の至る所でスーツに身を包んだ学生を見かけるようになった。
就職活動が始まると、学生の間では「就活都市伝説」が囁かれるようになるが、その一つに「美人やイケメンに有利な“顔採用”は存在する」というものがある。顔採用の代表格として頻繁に名が挙がるのは、インターネット広告代理店のサイバーエージェントだ。同社で働く女性には、ルックスが良く、仕事を生き生きとこなす“キラキラ女子”が多いため、まことしやかに語られるのだ。しかし、当のサイバーエージェントをはじめ、多くの企業は「顔ではなく内面重視」をうたっており、顔採用を否定している。
学生の間で「顔採用は存在する」という意見が多い一方で、企業側は頑なに否定しているため、あくまで都市伝説とされているのだが、実際のところ、顔採用はあり得るのだろうか。
そこで、これまでに多くの企業の新人研修を行ってきた経験から採用担当者と話すことが多いという、株式会社ヒューマンテック代表・濱田秀彦氏に話を聞いた。
●顔採用はあるのか
「以前に比べると、顔や表情といった外見が重視される傾向にあるのは確かで、その傾向を称して顔採用というのであれば、『ある』と考えていいと思います。というのも、最近は業績が上向いてきた企業が出てきて、これまでの守りの姿勢から攻めの姿勢へと転換するために、営業や接客に新人を配置する傾向が強くなってきています。これらの職種は顔や表情からくる印象がビジネスに大きく影響しますので、新人の多くを営業や接客に従事させる予定ならば、見た目の印象の良い学生を採るのは当然です」(濱田氏)
やはり多くの学生が考えている通り、顔採用は確実に存在するとみていいだろう。では、企業が顔採用を行うメリットは何か。
「顔採用のメリットは、先輩社員に雰囲気が似た人を採ることで、自分に似たものに好感を抱くという『類似性の法則』が働くため、職場に馴染ませやすいという点が挙げられます。企業は採用時に既存の職場に違和感なく馴染めることを重視しますので、イケメンや美人の多い企業であれば同じようにルックスの良い新人が集まるといえます。一方で、印象ばかりを重視し、『明るく真面目な感じの良い』学生ばかりを採ると、デメリットもあります。確かに、営業や接客では第一印象が良いほうがビジネスの上では有利ですが、社内には、それ以外にも重要な仕事は多くあります。
例えば、優秀なプログラマーには、どちらかというと暗くて声の小さい人もおり、そのようなタイプは面接では確実に不利になります。印象を重視すると、そういう人を落としてしまう危険性があるわけです。また類似性の法則から、同じような人は馴染ませやすいと言いましたが、アメリカ軍による研究では、同質の人を集めたチームよりも、さまざまなタイプの人を組み合わせたチームのほうが強力であるという結果が出ています。採用側が考えるであろう、『職場に馴染ませやすい』というのは、一見メリットのようですが、実際はデメリットとなる可能性もあるのです」(同)
人間関係を重視する傾向が強い日本の企業にとって、職場に馴染めるか否かは非常に重要なポイントであるが、それが業績につながるとはいえないようだ。そうであれば、企業が顔採用を行うメリットは実質的には、あまりないだろう。
「印象重視の採用をしているとみられる企業には、中長期の事業ビジョンが不明確なことが多く、『こういうタイプの人が何名必要で、その人をどう活躍させたいか』などの明確な設定をせず、『良い学生がいたら採る』といった漠然とした採用をしているように見えます。明確なビジョンのある会社は、採用するべき人物像を定めて、『それに見合う人がいなければ、今年は採らなくてもいい』と腹をくくっています。売り手市場になってきたからといって、採れるだけ採ろうとしている企業は、採用に失敗してしまう可能性が高いでしょう」(同)
●都市伝説に振り回される学生は、就活に失敗する?
濱田氏は、顔採用という言葉に学生が振り回されすぎていると指摘する。
「学生を中心に顔採用という言葉が広まった一番の理由は、不採用となった時に、自分がなぜ落とされたのかわからないからだと思います。企業側も不採用の理由を説明しませんし、落とされた時には当然ネガティブな感情が伴います。そこで、顔採用があるということにしておくと、『自分の努力とは関係ない要素によって決まった』と納得しやすく、学生にとっては都合がいいのです。しかし、そこから『イケメンや美人は努力しなくても受かる』などと考え、その卑屈な思いが顔や表情に出てしまうと、印象が悪くなってしまいます。そうならないためにも、真偽不明な情報や固定観念とは縁を切るべきです」(同)
面接で好印象を与えられるように心がけるのは良いことであるが、見た目を気にするあまり不採用になってしまうのでは、元も子もない。現在、大学新卒者に対する有効求人倍率は4年連続で上昇し、2008年のリーマンショックから始まる第二の就職氷河期は終わりを迎えつつある。そんなチャンスの中にあって、一つの会社に落ちた程度で「あの企業には顔採用がある」などと嘆いていたのでは、一時的に自分を納得させられたとしても、かえってその後の就活においてマイナス要因となりかねない。
日下部貴士/A4studio
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