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日本経済は、消費税(付加価値税)に呪われるかたちで凋落の道を歩んできたと言える。
89年の消費税の導入はバブル崩壊の引き金になり、97年の消費税5%引き上げはデフレ不況をもたらし、昨年の消費税税率8%への引き上げは円安傾向のなかでようやく見えてきた明るさをフェードアウトさせている。
二度で終わらず三度までも、消費税政策により日本経済をドツボにはめたのが財務省の官僚たちであり多くの政治家たちである。
消費への課税ではなく付加価値への課税である消費税は、「先取りの給与所得税」(付加価値の約60%は人件費)であり「債務履行(元本と利子への)課税」(借金の返済原資は付加価値)でもあることを考えれば、カネを借りて投機活動に励んでいた財テク状況にどのような影響を与えたのか、消費税増税が消費や設備投資をどれだけ萎縮させるか自明である。
しかも、グローバル企業を中心とした輸出企業に対しては消費税課税が緩和され、なかには3千億円を超える“消費税還付”を受け取る企業さえある。
消費税を1円たりとも納税していないのに、数百億円から数千億円の消費税還付を受けるという“詐欺”と言うほかない「所得移転」が国家機関の手で行われているのが消費税制度なのである。
(ぎりぎりで経営しているところが多い内需型企業が頑張ってなんとか稼いだ付加価値を国家機関の手でグローバル企業に献納する税制と考えるとわかりやすい)
TPPやEPAがスケジュール化されているとはいえ、グローバル企業の利益補填と「関税代替水際税」(消費税は名を変えた輸入関税)のために、国民経済全体をドツボにはめることが“見えている”消費税(付加価値税)税率アップに踏み切った安倍政権=財務省の罪は万死に値する。
百歩譲っても(円高対策効果を認めるとしても)、消費税増税と同じ経済効果が得られる円安傾向が顕著になっていた状況での消費税増税断行は無能の烙印を押されてもしかたがない一大失政である。
財務省の官僚たちは消費税増税がなければ大企業の賃上げもなかったと言いたいかもしれないが、実質賃金が対前年比マイナスで推移という現状を考えれば、そこに言い訳を求めるわけにはいかない。
公共事業の積み上げは人手不足で不可能な状況だが、介護職員の人件費査定を引き上げたほうが、全体の賃上げについてもよほどプラスに働くだろう。
記事のなかに、「短期的にみれば、日本に残されている道は通貨の切り下げだけだ。これによってなんとか経済の低迷を回避することが可能だ。日本のインフレ目標が2%であり、日本が石油輸入国であることを考えると、円は1ドル=150円くらいの水準まで下がる必要があり、そうならなければ2%のインフレ目標は達成できない。」とあるが、2%のインフレ目標は“願望”と“量的金融緩和策の理由付け”でしかなく、黒田日銀にとって絶対命題となっているわけではない。
日銀が市中の国債を買い上げることで、金利を抑制し新規国債発行=赤字財政出動をスムーズにすることが“量的金融緩和策の目的”とは言えないから、“2%のインフレ目標”を持ち出したに過ぎない。
150円の円安は、日本経済全体の成長に寄与するものではなく、逆に、悪性インフレを招きかねないものである。
日本経済をさらなる苦境へと追い込まないためには、まずもって、17年4月に予定されている消費税の税率10%への引き上げを断念しなければならない。
景気条項があろうがなかろうが、法律は廃案にすることもできるし修正することもできる。
17年4月に消費税10%を断行すれば、日本経済は足腰が脆弱化しデフレにもなれず希望が見えない暗いトンネルに入り込んでしまうだろう。
※ おまけとして「軽減税率」制度が導入されれば、グローバル企業のような“消費税特権者”が新たに生み出されることになる。
付加価値税である消費税が“軽減”されるという意味は、消費者に対する“税負担の軽減”ではなく、課税される企業の“税負担の軽減”なのである。
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日本経済は3回目の「失われた10年」に突入する恐れ
人民網日本語版 2015年05月20日08:27
日本の誇る製造業は危機に瀕し、家電製造業と自動車製造業が泥沼に陥りつつある。安倍晋三首相の「経済回復の魔法」は、その力を徐々に失っている。海外メディアの指摘によると、アベノミクスの3本の矢はここ数年は成果を上げておらず、今後さらなる改革が行わなければ、日本経済は3回目の「失われた10年」に突入することになるという。中国日報網が伝えた。
▽日本は3回目の「失われた10年」に
日本経済は第2次世界大戦後、20年に及ぶ高度成長期を経て、1991年頃に繁栄の絶頂に達した。だが絶頂の後にあったものは暗い深淵で、90年代初めの資産バブル崩壊後、日本経済は失われた20年に陥った。この間に日本が失ったものは株式市場の時価総額だけではない。経済全体の環境が悪化し、金利は下がり、失業率が上昇し、国内総生産(GDP)は減少・停滞し、人口高齢化の時代に入った。そうして1930年代以降まれな大不況が出現した。
こうした状況はいまだに改善されていない。今や日本の金利は限りなくゼロに近づき、銀行は疲弊し、人口高齢化が続いている。
安倍首相は2012年12月に就任すると、劣勢を転換させ、3本の矢を放って経済を回復させると表明した。第1の矢は大胆な金融政策で、金融を緩和し、無制限に通貨を発行するというものだ。第2の矢は機動的な財政政策で、税金を減免し、政府のインフラ建設支出をより多くするというものだ。第3の矢は民間投資を喚起する成長戦略で、過度に管理・制限され、保護されてきた日本経済の規制を緩和し、構造を改革するというものだ。
第1の矢は短期的に成果を上げ、円の対ドルレートは12年12月の1ドル=75.1円の水準から、14年中頃には100.1円近くまで急速に下がり、同年12月には120.1円に暴落し、その後はこの水準で推移している。第1の矢は日本の輸出を後押しし、短期的には効果を上げた。
第2の矢は完全に射損なった。日本は減税で経済を活性化するということをせず、消費税率の引き上げに踏み切り、経済に深刻なダメージを与えた。日本経済のGDP成長率は14年第2四半期(4-6月)に1.9%に低下し、第3四半期(7-9月)にはさらに0.6%に低下し、2年ぶり2回目の低迷に陥った。第4四半期(10-12月)はプラスにとどまったものの、わずか0.4%だった。
第3の矢の構造改革は放たれてもいない。移民や女性の労働力は適切に活用されず、銀行の負債は改善されていない。こうした点は日本が長期的に経済低迷を解決していく上で、極めて重要なことになる。
経済専門書「通貨戦争 崩壊への最悪のシナリオが動き出した!」の著者のジェームズ・リカーズ氏は、「アベノミクスの3本の矢の成果はみえず、今後さらに改革を進めていかなければ、日本は3回目の『失われた10年』に突入する可能性がある」と警告する。
現在の日本の製造業購買担当者指数(PMI)をみると、再び低迷に向かっており、予想を下回るだけでなく、景気と不景気のボーダーラインである50%を下回ることさえある。
短期的にみれば、日本に残されている道は通貨の切り下げだけだ。これによってなんとか経済の低迷を回避することが可能だ。日本のインフレ目標が2%であり、日本が石油輸入国であることを考えると、円は1ドル=150円くらいの水準まで下がる必要があり、そうならなければ2%のインフレ目標は達成できない。
リカーズ氏は、「円の対ドルレートが120円の時には、経済は停滞して前に進まない。反転して円高になると、日本経済が不振に陥るだけでなく、主要貿易パートナーである米国、中国、欧州をデフレに陥らせる危険がある。他に方法がないので、円高になる確率は低く、円はますます値下がりすることが確実だ」と話す。
▽日本の製造業はこぞって「ワーテルローの戦い」に
かつては無限に繁栄するかにみえた日本企業が、ここ数年はそれぞれに「ワーテルローの戦い」に直面しており、多くの企業にとって日本国内が最後の陣地になっている。日本の製造業の代表的存在であるシャープ、ソニー、パナソニック、東芝といった有名企業が相次ぐ経営問題に悩まされている。
シャープがこのほど発表した14年度の財務報告によると、この年には2223億円の損失を出しており、わずか1年で再び赤字に舞い戻った。ソニーは過去1年間ずっと「破産」の危機に瀕し、ビルの売却やリストラが行われた。パナソニックは今年初めに中国にあった最後のテレビ工場を閉鎖した。東芝も同じように失意の淵にあり、15年3月以降、海外のテレビ市場から徐々に撤退し、テレビ事業は日本国内での製造販売を残すばかりとなった。
日本の家電メーカーにはまだ「救いの道」がなく、自動車メーカーも世界最大規模のリコール(回収)というスキャンダルにまみれている。トヨタと日産はこのほど、タカタ社製エアバッグの不具合を理由として650万台を回収することを発表。これによりタカタ製エアバッグが原因のリコール対象車は3千万台を超え、過去世界最大規模のリコールとなった。トヨタと日産がリコールを発表すると、日本3位のメーカー・ホンダもリコールを準備中であることを明らかにした。こうして立ち上がりかけていた日本の製造業は新たな災厄に見舞われることになった。
業界関係者は、「実際には、今のようなモバイルインターネットの時代にあって、日本の製造業はさまざまな要因の板挟みになる難しい局面に陥っている。産業チェーンの川上では米国の搾取に苦しめられ、同じレベルでは韓国企業との競争に直面し、ロークラス市場では中国企業との競争を余儀なくされている」と指摘する。
次のような分析がある。携帯電話産業やコンピューター産業の場合、東芝やソニーといった日本のパソコンブランドは世界上位4位から閉め出され、NECのパーソナルコンピューター事業は聯想(レノボ)集団に買収された。携帯電話では、アップルが家庭用娯楽端末の時代を塗り替えた今、グーグル、マイクロソフト、ノキア、サムスン、レノボなどの群雄が割拠し、同じく消費電子産業の韓国サムスンはギャラクシーシリーズの携帯電話とコンピューターをうち出したが、日本ブランドは何も成果を上げていない。これまで難攻不落だった日本国内市場も、今では海外ブランドに徐々に侵食されている。
巣がひっくり返れば、卵は全部割れてしまう。アベノミクスがこれからどのように続けられていくのかは、時間をかけてみていかなければならない。
中国でこのほど発表された「日本青書(2015年)」によると、14年4月1日の消費税率引き上げの後、日本の国内需要は深刻な打撃を受け、経済は2四半期連続でマイナス成長に陥った。アベノミクスは円安を契機に輸出を拡大し、内需の不足を補おうとしたが、その期待は虚しくうち砕かれたという。(編集KS)
「人民網日本語版」2015年5月20日
http://j.people.com.cn/n/2015/0520/c94476-8894696.html
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