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中小零細はドン底のまま(C)日刊ゲンダイ
アベノミクスで倒産にも格差拡大 全体の7割超が「零細企業」
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/159928
2015年5月19日 日刊ゲンダイ
アベノミクスは倒産の格差まで広げていた。東京商工リサーチの調査によると、4月の倒産件数は過去20年間で最少の748件(前年同月比18.1%減)だったが、その中身はアベノミクスの大企業優遇策が透けて見える。
東京商工リサーチ情報部の増田和史氏は、「倒産の二極化が進んでいます」と言う。従業員別の倒産動向に、それがよく表れている。従業員300人以上の倒産はゼロだったのに、5人未満は543件と3カ月ぶりに倒産全体の70%を超え、72.59%に達した。
「中小零細の倒産件数は大企業に比べ減っていないということです。だから構成比が上昇しているのだと思います」(増田和史氏)
2000年(年間平均)は「従業員5人未満」の倒産件数は全体の66.0%だったが、安倍政権のスタート以降、増加傾向に拍車がかかり13年は68.4%、14年は70.3%に高まった。そして今年4月は72%超だ。
「シャープ延命もそうでしょうが、政権の思惑によって大企業の倒産は抑えられています。一方、中小零細は円安デメリットである原材料の価格高騰や、電気料金の値上げなどコスト増加が経営を直撃しています」(市場関係者)
資本金別の倒産件数にも格差はクッキリと出ている。前年同月比で1億円以上の企業は45%減だが、5000万円以上になると24%減となり、1000万円以上18%減、500万円以上14%減、100万円以上12%減と資本金が少なくなるほど減少幅は縮小している。しかも、資本金100万円以下は16%増と倒産件数は増えている。
安倍政権は大企業の業績が回復すれば、その恩恵は中小零細に回る(トリクルダウン)と主張してきたが、倒産状況を見る限り、まったく実現していない。
「消費税が10%に再増税される17年4月までは、景気を冷え込ませるような大型倒産は考えにくい。ただ、その裏で零細企業はバタバタと倒れていくことになるでしょう」(市場関係者)
大企業は救済され、零細は見捨てられる――。アベノミクスは倒産格差を生んでいる。
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