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かつては修学旅行生で溢れた京都の街だが、今では中国人のほうが目立つ〔PHOTO〕gettyimages
トホホな密着大金持ちの中国人、今度は京都で爆買い「金閣寺で錦鯉をワシ掴み」編 いいかげんにせんかい!バブルチャイニーズ
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/43321
2015年05月19日(火) 週刊現代 :現代ビジネス
今度は「千年の都」に押し寄せた!清水寺、着物、湯豆腐、骨董品、そして芸者遊び。カネはあっても、日本の常識なんてお構いなし。そんな彼らは何に惹かれるのか。バブル中国人の珍道中に密着。
■銀閣寺を見て大激怒
「おお、こんなところに鯉がいるじゃないか!大きくて、うまそうだな。おい小龍、一匹掴まえて来い!」
父親の王長興さん(38歳・仮名、以下同)にけしかけられて、9歳の喜富くん(愛称は「小龍」)は靴を脱ぎ捨て、池に足を踏み入れた。
ここは京都・金閣寺。「何か大事な物でも落としたのか?」。王さん一家を取り巻くように、人が集まり始めた。喜富くんが錦鯉をワシ掴みにしたそのとき、王さんがこう声を上げた。
「どうもここでは鯉を捕るのはダメみたいだぞ。今日の晩飯は決まっているし、もういいか。小龍、戻って来なさい」
日本のゴールデンウィークと中国の祝日が重なり、この連休中も中国から大挙して観光客が押し寄せた。古都・京都も例外ではなく、とくに大金持ち、バブルチャイニーズたちがここぞとばかり、伝統ある神社仏閣を目指したのである。
王さん一家もそのうちの一組だ。王さんは北京でIT関連会社を起業し、巨万の富を築いた。そしてこの休暇中に妻(36歳)と長女(13歳)、喜富くんを伴って京都を訪れたのだ。本誌記者は中国の富裕層が案内を頼む日本の旅行会社に依頼して、王さん一家ともう一組の京都観光に密着した。
鯉をあきらめた王さんは、みやげ物店で会社の部下に配る「金箔入り小瓶付きキーホルダー」(520円)を30個ほどまとめ買いした。
店を出ると、喜富くんがモジモジしている。どうやら尿意を催したようだ。妻がみやげ物店の裏でビニール袋におしっこをさせて、ゴミ箱にポイ。見て見ぬふりをしていた店員に話を聞いた。
「ああいうの、ほんま、どうにかなりませんかね。子供はまだしも、大人もトイレのドアを閉めずに大きいほうをしてはるし、使用済みのトイレットペーパーをそこらに捨てはるし……。私らも商売ですから、おカネが服着て歩いていると、割り切るようにしていますけど」
王さん一家が次に向かったのは、銀閣寺。到着したが、様子がちょっとおかしい。王さんが何やら怒っているようだ。
「どれが銀閣寺なんだ?何!!目の前のこの建物だと?全然、銀色じゃないじゃないか!こんなもの、中国のどこにでもある『古い家』だ」
滞在時間はわずか15分。次の目的地、清水寺に向かった。王さん一家のお目当ては「着物」だ。妻と娘に和装をさせて、写真を撮りたいのだ。清水寺近くのレンタル着物店に入った。母娘の着付け(一人5500円)がすべて終わってから、王さんがこう言い出した。
「なんか地味だな。こっちの赤色の着物にしろ」
よくあることなのだろう。店員は苦笑いしながら一から着付け直した。
清水寺に着くと、父と息子はおみくじを引いている。喜富くんが引いたのは「吉」だった。
「なんだ、中途半端だな。もう一回引け。ん?次は末吉か。もう一回だ」
何度もおみくじを引き直してはしゃぐ父子を、周囲の日本人は苦々しい顔で見ているが、誰も注意はしない。5回目で、ようやく喜富くんが大吉を引き当てたようだ。
「ヨシ!よくやった。では次はワシが引く」
王さんが引いたのは、なんと「凶」。大騒ぎしてもう一度引くかと思ったら、なぜか彼は満足そうな笑みを浮かべている。
「これはイイ!今がどん底ということだ。これから運気が上昇するしかないじゃないか。もっと良くなるぞ、ワハハハ」
吉は中途半端で嫌いだが、凶は好き。このあたりの感覚も日本人には理解しがたい。
■「歴史」や「伝統」に弱い
清水寺から八坂神社へと下り、祇園界隈を散策していると、こどもの日を前に京都名物でもある「ちまき」が売られていた。王さんが興味を持って一口食べると、「なんだ、これ!」と路上に吐き捨てた。中国人にとって「ちまき」とは「中華ちまき」。お菓子の一種で、甘くてねっとりとした日本のちまきは受けつけないのだ。
夕食は南禅寺近くにある料亭で、名物の湯豆腐コース(6000円)をチョイスした。運ばれた料理をひと目見て、王さんの眉間にシワが寄る。
「なんだ、この鍋に豆腐を入れただけの食い物は!?」
横に控える日本人ガイドが慌てて解説する。
「これは京都の歴史ある食べ物で健康にいいんです。中国の麻婆豆腐に使うゴワゴワの豆腐とは違って、ふわっと繊細な絹豆腐なんです。おばんざいも薄味ですが、野菜が多く健康的です」
そう言うと王さんは、
「そうか、そうか。たしかに日本でしか味わえない繊細な味だ。小龍、お前は子豚のように太っているから、こういうもののほうがいいかもな」
とまんざらでもない表情を浮かべる。中国人は「歴史」や「伝統」という言葉に意外と弱い。
■念願のお茶屋で「野球拳」
王さんが家族旅行を楽しんでいる一方、同じ時期に友達を伴って京都を訪れた陳立功社長(48歳)は、「大人の遊び」が旅の目的だった。「芸者遊び」。これをどうしても体験してみたいそうだ。
不動産業を営む陳社長は、上海で高層マンション開発を何棟も手掛け、一代で財をなした人物。前出とは別の日本人ガイドと京都駅で落ち合い、アルファードに乗り込んで京都観光が始まった。陳さんは開口一番、こんな無茶を口にした。
「とにかく桜を見たい。どうにかならないか?」
GWの関西では不可能だ。ガイドがそう説明しても収まらない。
「北海道なら見られるんじゃないか?カネは払うから、ちょっと買ってきてくれ。無理か?一年中咲く桜はないのか?あるいは、冷凍保存してあるようなものは?」
限られた季節にしか楽しめないからこそ桜は美しいと日本人の美意識をガイドが説明して、陳社長はしぶしぶ納得した。
お茶屋が開くまで、まだ時間がある。一行はまず嵐山に向かった。渡月橋を渡っている途中、陳社長は何かを見つけた。
鯉だ。眼下に鯉が悠然と泳いでいる。王さんと同様、陳社長も、
「なぜ鯉が泳いでいる!?みんな捕らないのか?」
と興奮を隠せない。川に入って掴まえそうな勢いの陳社長をガイドがなんとか食い止める。
この渡月橋のある嵐山や、竹林で有名な嵯峨野は隣接していて、普通は歩いて観光する。だが、中国の大金持ちは自分の足で歩きたがらない。車がすれ違うこともできない細い道をアルファードが疾走していく。陳社長は車中から見る景色に感嘆の声を漏らした。
「水墨画で描かれている風景そのままだな。お、あそこに庭がついた、なかなか広くて良さそうな家があるじゃないか。買いたい。いくらだ?1億円?それは安いな。上海の高層マンションの最上階と同じくらいじゃないか。がはは。中国に戻ったら秘書に連絡させるから、持ち主を調べておいてくれ」
バブルチャイニーズのガイドは報酬こそいいが、このように次から次へと要求を出されるので、大変な苦労をする。日本人ガイドが解説する。
「家を買いたいという中国人は多いですが、一軒家は近所付き合いもありますし、年に数度しか来ない物件に1億円以上出すのは、さすがにお勧めしません。代わりに買うなら、京都市内のマンションですかね。8000万円の物件の購入を斡旋したことがありますよ」
一行はお目当ての「お茶屋」へと繰り出した。京都の花街は日本人であっても「一見さんお断り」。中国人ならなおさらで、老舗のお茶屋は中国人観光客をすべて断っている。だが、ガイドが懇意にしているお茶屋であれば、その限りではない。日本人ガイドが言う。
「一人あたり2時間で5万円程度(食事なし)を払えば、中国人でも芸妓遊びをすることは可能です。『祇園小唄』を踊って、簡単なゲームをする。中国の方が興味を持つのが、『野球拳』です」
陳社長もそうだった。じゃんけんに負けた女性が着物を1枚ずつ脱いでいく、いわゆる「野球拳」をしてみたくて仕方がない。陳社長は中学生のようにはしゃぎ始めた。
「アウト、セーフ、ヨヨイノヨイ~♪」
陳社長は見事勝利を収めた。だが……ここは祇園。よほどの常連か上客でない限りは、「野球拳」はじゃんけんに負けたほうがお猪口に注がれたお酒を一気に飲むゲームにすぎない。陳社長は顔を赤くしてまくし立てる。
「なんだ、脱がないのか。カネなら払うぞ。それでも脱がない?」
陳社長はご立腹だ。
「芸者遊びなど、この程度か。それならもう十分だ。腹が減ったから肉を食いに行くぞ」
時間を30分も残しての退席だった。お茶屋にとって、客が時間前に切り上げるのは、店側に落ち度があって客が満足しなかったことを意味する。芸妓にとっても「恥」だ。ガイドがたしなめても、陳社長は時計を指さして大声で「俺は急いでいる」と叫び、同行者と連れ立って行ってしまった。
■「日本を征服した気分だ」
血統書付き但馬牛に舌鼓を打ち、ホロ酔い気分になった陳社長は、「さっきはすまなかった」とガイドに切り出した。
「日本のお茶屋文化はわかった。中国でも自慢できる。そうは言っても、やはりやることはやりたい。なんとかしてくれ」
陳社長は高級ホテルのラグジュアリースイートルーム(1泊約13万円)に宿を取っている。あそこなら呼べるかもしれない。日本人ガイドは馴染みのデリヘル店「P」に電話をかけた。
「一人14万1000円?まったく問題ない。そこから先は女の子との交渉次第だな。片言の日本語はできるから大丈夫だ。とにかくカネはあるから安心してくれ」
翌日、陳社長は充血した目でホテルの玄関に現れた。朝まで楽しみ、友人の分も合わせて50万円を支払ったのだという。
「日本の女性はすごいな。あんなテクニックがあるなんて、中国女じゃちょっと考えられない。買えない芸妓よりも、デリヘル嬢だ。ガッハッハ。なんだか日本を征服した気分になったよ」
陳社長は骨董にも興味がある。最終日は京都の骨董店で、壺を買い求めた。お代は200万円。銀聯カードで支払い、サラサラとサインする。
「これは明代の本物だ。中国にはこの時代のものはあまり残っていないんだ。買い戻しだ!」
今回の日本滞在(2泊3日)で使った金額は王さん一家が300万円、陳社長一行は500万円。
数々のトラブルを引き起こしながらも、多額のカネをバラ撒き、彼らは満足気に、日本をあとにしたのだった。
「週刊現代」2015年5月23日号より
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