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景気浮揚の一つの手段として推奨されてきた持ち家政策。人口減少中のいま岐路に立たされている
買うべきか、借りるべきか… 不動産“神学論争”に決着
http://www.zakzak.co.jp/economy/ecn-news/news/20150517/ecn1505170830002-n1.htm
2015.05.17 本当は教えたくないマンション業界の秘密 榊淳司 夕刊フジ
日本人の不動産をめぐる神学論争のひとつに「買う」と「借りる」のどちらが得か、というものがあった。多くの人が一度は悩む問題だ。
はっきり言って、答えはなかった。10年先、20年先の世の中がどうなっているかはわからない。ましてや住宅ローンが終わる35年後のことなど、誰にも予想がつかない。何億円も現金があって、買うのも借りるのも「自由に選べる」という人にとっては単純に好みの問題。買うなら「35年ローンを組まなければいけない」という一般人にとっては、「住まいについてどう考えるか」という価値観が左右した。
賃貸を続けるならば、基本的に「自由」である。好きな場所で、予算に合わせた家賃の住宅を選べばよい。今は日本国中で賃貸物件は余っている。借り手優位の市場は、今後何十年も続く。家賃水準も長期低落傾向であることは確実だ。ただ、賃貸に住み続ければいつまでもマイホームは持てない。
一方、35年ローンを組んで新築のマイホームを買うと、途中で繰り上げ返済をしない限り、ずっとローンを払い続ける。
現状、都心以外ではローン返済途中で売れば残債が残るケースがほとんど。35年後に完全な所有権を手にしても、残っているのは築35年の老朽住宅。ただ、ずっと「マイホーム」に住み続ける安堵感には浸れる。
実は、日本人の大半が「買う」派である。社会人になって結婚し、家庭を持てば「家を買ってこそ一人前」のような価値観が浸透していた。
政府も戦後復興以降は一貫して持ち家政策を続けてきた。例えば、新築住宅を購入するにはいろいろな優遇措置がある。代表的なものが住宅ローン控除。新築の家を買うと所得税が安くなる。あるいは、固定資産税の軽減措置。あまり使われていないが「すまい給付金」というのもある。
だが、賃貸住宅を借りるための優遇制度は何もない。自力で家賃を払わなければならない。一部の自治体に補助制度がみられるのみ。これは非常に偏った政策だ。
なぜこういういびつな政策を続けてきたのかというと、歴代の自民党政権の方針だったから。
ただ好意的に見れば、住宅政策は一種の景気対策でもあった。家を買うと家電や家具も買う。景気への相乗効果も大きい。だから政府はいつも持ち家を推奨してきた。
しかし、日本中で住宅が余っている現在、新築購入を奨励する持ち家政策は時代に合っていない。日本中のほとんどの場所で、新築住宅を買うことは資産形成につながらない。むしろ、資産減少の大きなリスクを背負うことになる。
買うか借りるか。この神学論争にはそろそろ決着がつきそうである。
結論を言えば、住宅価格がほとんどタダ同然になっている地方や郊外では中古の「買い」。まだ資産価値が守られている都心では、新築も中古も買わずに「借りる」が正解になりそうだ。
■榊淳司(さかき・あつし) 住宅ジャーナリスト。1962年、京都府出身。同志社大法学部および慶応大文学部卒。不動産の広告・販売戦略立案の現場に20年以上携わる。不動産会社の注意情報や物件の価格評価の分析に定評がある(www.sakakiatsushi.com)。著書に「年収200万円からのマイホーム戦略」(WAVE出版)など。
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