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中国人民銀行の発表で、中国経済の異常な状況が分かった(AP)
【断末魔の中韓経済】デフレで屋台骨細る中国 おカネ借りられなくなり「投資」伸び悩む
http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20150516/frn1505161530001-n1.htm
2015.05.16 夕刊フジ
★(5)
日本の例を見るまでもなく、デフレーションに陥った国は「物価」と「所得」という2つの下落に見舞われる。物価が下がることで、モノやサービスという付加価値を生産している生産者の所得が縮小する。理由は、所得とはそもそも「付加価値への支出」の分配であるためだ。
物価下落により、付加価値の金額的な価値が下がれば、当たり前だが支出額が減る。すると、これまた当たり前の話として所得が小さくなってしまうのだ。所得が小さくなった人は、モノやサービスへの支出を減らすため、ますます物価は下がる。
上記の「物価下落→所得縮小→物価下落」の悪循環を止めるには、誰かが「負債」を増やし、モノやサービスへの支出を増やすしかない。そして、デフレの国はこの「負債」の増加が抑制されるため、「物価下落→所得縮小」の循環構造から抜けられなくなるのだ。
その国の人々が銀行とおカネを貸し借りした結果、積み上げられた現預金(金融機関、中央銀行、政府の現預金を除く)の総額を「マネーストック」(以下、MS)と呼ぶ。MSで分かりにくければ、社会全体のおカネと理解すればいい。
MSが堅調に増えているということは、銀行融資などが増え、経済活動が活発であることを意味する。このMSの伸び率が、現在の中国は統計史上最低に落ち込んでいるのである。
中国の中央銀行である中国人民銀行の5月13日発表によると、同国のMSは対前年同月比10・1%増加に終わり、伸び率が前月と比べて1・5ポイントも低下した。1999年12月に中国がMSの統計を発表し始めて以降、最も低い伸び率である。
また、中国は通常の銀行融資や債券・株式発行による資金調達に加え、シャドーバンキングを含めた社会融資総量を発表している。2013年の中国社会融資総量は、対前年比17・3兆元(約332兆4550億円)増加だったのだが、14年には16・4兆元(約314兆9740億円)に減速した。さらに、15年1−3月期は四半期ベースで1年前の5・6兆元(約107兆6500億円)から、4・6兆元(約88兆4270億円)へと増加幅が縮小した。
中国で「おカネが借りられなくなってきている」のは明らかだ。おカネが借りられなければ、当然ながらGDPとなる需要、特に「投資」が伸び悩む。何しろ、中国は投資(設備投資、住宅投資、公共投資)がGDPの50%近くを占めるという異常な状況になっている(日米など先進国は20%ほど)。
現在の中国において、経済の最大の屋台骨が細っていっていることが、MSや社会融資総量の動きから分かるのだ。
中国経済もまた、デフレ化した。今後の日本は「デフレ化した中国」にいかに対処するのか、ビジネス面でも、政策面でも熟慮しなければならない局面を迎えたのだ。 =おわり
■三橋貴明(みつはし・たかあき) 1969年、熊本県生まれ。経済評論家、中小企業診断士。大学卒業後、外資系IT業界数社に勤務。現在は「経世論研究所」所長。著書に『中国との貿易をやめても、まったく日本は困らない!−中国経済の真実』(ワック)、『繁栄の絶対法則』(PHP研究所)など多数。
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