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【日本の解き方】財務省のキャンペーンは国民の危機感煽って始まる 決断するのは政治家の仕事
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20150516/dms1505161000003-n1.htm
2015.05.16 夕刊フジ
財務省は財政制度等審議会で、公立小中学校の教職員数削減や国立大の授業料引き上げ、軽症患者の救急車有料化など、国民に身近な問題について財政再建案として打ち出している。
財務省の財政キャンペーンは、国民の危機感を煽(あお)ることから始まる。そこでは、わかりやすい日常的な話題が選ばれる。今回の教育分野はその典型例である。教育は誰でもかかわる身近な分野であるからだ。そして、マスコミに大々的に取り上げられることで、その当初の目的は達成される。
ただし、その財政再建効果の数字はそれほどではない。2015年度に約69万3500人いる公立小中学校などの教職員数は、24年度までに約4万2000人削減できると報道されている。この削減により、国の財政負担は年間約780億円減らせるとしている。
義務教育の教員に対しては、給与の3分の1の国庫負担がある。財務省は「削減人員4万2000人」と「削減額780億円」しか言わないが、数字の中に「教員給与が高い」というメッセージも盛り込んでいる。
削減額は平均的な削減数に平均的な給与金額をかけて得られるが、平均給与は1000万円に近いはずだ。
もちろん、これは財務省の「言い値」であるので、そのままうのみにできないが、結果として教員数削減にまで至らなくても、教員給与の削減に議論を展開していくこともできる布石だ。期末・勤勉手当については、教員は一般行政職よりも優遇されているので、転んでもただでは起きないのが財務省だ。
日本の小中学校向け公財政支出は国際的に低いと指摘されると、財務省は、日本は諸外国に比べて子供の数が少ないためで、日本の小中学校向け公財政支出を在学者一人当たりで見ると先進国中で高い、とすぐに反論してくる。その上、同じ資料で在学者一人当たり教員給与支出も日本は国際的に見て高いという。
こうした議論はおおいに望ましい。教育関係者は、従来の公立中心思考の枠組みで考えることが多く、公設民営には過度な反対論が多い。もっと柔軟に海外の事情などを勉強しないと、議論に負けてしまうのではないか。
いずれにしても、このようなチマチマとしたことが財務省の仕事でもあるので、仕方ない面もある。重要なのは、教員が一般行政職より優遇されるべきだとしても、どの程度であればいいのかという相場観である。
それには、選挙で選ばれた政治家が最終的な判断をせざるをえない。財務省職員は、あくまでテクノクラートであって、選挙で選ばれていないので、政治家の領分を侵すような越権行為をしてはいけない。
そして、最終的には政治判断が求められることが多い。その際、生徒のためではなく教員の権益確保だけになると、国民の支持を失うことになるだろう。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)
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