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ヤマダ電機の危機 旧村上ファンドとの死闘激化 奇策、ソフトバンクと提携の狙い
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150516-00010002-bjournal-bus_all
Business Journal 5月16日(土)6時1分配信
家電量販店最大手のヤマダ電機は5月7日、ソフトバンクと資本業務提携すると発表した。ヤマダは発行済み株式の5%に当たる4832万株の自己株式を1株471円でソフトバンクに25日付で売却、227億円強を調達する。ソフトバンクはヤマダの第4位の株主となる。
ヤマダの株式をめぐっては、投資ファンド、旧M&Aコンサルティング(村上ファンド)出身者が設立したエフィッシモ・キャピタル・マネージメントが1月時点で発行済み株式の13.16%を保有していることが明らかになっている。ヤマダは今回のソフトバンクとの資本提携について、「(エフィッシモによる株式買い増しと)関係ない。資本業務提携を決めたのは、あくまで両社の企業価値が向上するという判断からだ」とコメントしているが、これを額面通りに受け止める向きは少ない。
資本業務提携だが、ヤマダはソフトバンクに出資しない。ヤマダは「株式の持ち合いは時代に逆行する。ソフトバンク株式の保有は想定していない」としているが、「実態はヤマダがエフィッシモによる敵対的買収を撃退するため、ホワイトナイト(仲介役)になることをソフトバンクに期待した」(市場筋)との見方が強い。
ヤマダ創業者の山田昇社長とソフトバンクの孫正義社長は、長年の付き合いがある。
「両者が今年3月から話し合い、提携をまとめた。山田氏がエフィッシモに対抗するため、ソフトバンクに安定株主になってもらったというのが真相ではないか。省エネ住宅などの事業提携が目的といった話は、株式を5%持ってもらうためにつけた理由にすぎない」(同)
家電量販店は多様な品揃えが売りだ。ソフトバンク色が濃くなるのは営業上得策ではないが、NTTドコモやKDDI(au)など他の携帯電話会社は、「売り場がどうなるかは、提携のフタを開けてみるまでわからない」(関係者)と静観の構えだ。
●注目のエフィッシモの動き
エフィッシモは、ニッポン放送やTBS、阪神電鉄の株式買い占めで世間を騒がせた旧村上ファンドの高坂卓志氏が2006年6月にシンガポールで設立した投資ファンド。これまで日産車体やセゾン情報システムズ、テーオーシーなど約15銘柄に投資してきた。そのエフィッシモが次に照準を定めたのがヤマダだった。
14年10月下旬、大量保有報告書によってエフィッシモがヤマダの発行済み株式の7.3%を保有していることが明らかになった。そして今年1月23日、ヤマダはエフィッシモの議決権ベースの保有比率が16.63%に上昇したと発表した。
危機感を持った山田氏は自身の持ち株を買い増し、2月24日時点で資産管理会社の名義分と合わせて発行済み株式の9.04%を保有していることが大量保有報告書で開示された。
エフィッシモは高値で売り抜けるために何を仕掛け、ヤマダはどんな対抗策を取るのか。今回、先手を打ってヤマダ側が防御線を強化した。ソフトバンクがホワイトナイトとして参戦したことで、山田社長の保有分と合わせると持ち株数でエフィッシモと拮抗する。エフィッシモが株主総会に向けてどんな戦術を練っているのかに関心が集まる。
●ヤマダの業績不調
ヤマダの業績は不調気味だ。15年3月期の連結売上高は前期比12%減の1兆6643億円。営業利益は42%減の199億円、純利益は50%減の93億円と4期連続の減益。消費増税後の需要減が響き、パソコンや冷蔵庫などの販売が落ち込んだ。16年3月期は強気の計画を立てる。売上高は前期比1.7%増の1兆6920億円、営業利益は2.1倍の416億円、純利益は2.7倍の254億円を見込んでいる。消費増税後の反動減が一巡する上に、景気回復で買い替え需要が増えるとみている。しかし、アナリストの市場コンセンサスでは、営業利益は319億円。マーケットの予測と大きな開きがある。
ちなみに競合するケーズホールディングスの15年3月期連結決算の売上高は9%減の6371億円、純利益は14%減の150億円だった。売上高はヤマダがケーズの2.6倍だが、純利益はケーズが6割以上も上回った。ヤマダの稼ぐ力が極端に落ちていることを数字が物語っている。ケーズの16年3月期の純利益予想は12%増の168億円だ。
調査会社IDCジャパンによると、14年のスマートフォン(スマホ)の国内出荷台数は前年比12.4%減となった。IDCがスマホの調査を始めて以来、前年実績を下回ったのは初めてだという。
ソフトバンクは頭打ちとなったスマホに続く柱として、ヒト型ロボットの「ペッパー」に注力している。ヤマダの直営店舗1000店でペッパーを販売したり、ソフトバンクが日本で販売を始める米IBM製人工知能システム「ワトソン」のショーウィンドウとしてヤマダの店舗を活用する計画だ。さらにソフトバンクは、自社のIT(情報技術)サービスとヤマダの省エネ住宅「スマートハウス」事業を組み合わせて強化するとしているが、資本提携によりどれだけの相乗効果が生まれるのか。今後、提携の真意を問われることになる。
(文=編集部)
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