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韓国政府のウォン売り介入は国際社会から非難されている (AP)
今度はIMFが韓国を“公開糾弾” ウォン安誘導の“為替介入”にクギ
http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20150515/frn1505151900007-n1.htm
2015.05.15 夕刊フジ
韓国の朴槿恵(パク・クネ)政権の経済運営がまた批判にさらされた。国際通貨基金(IMF)が韓国に関する年次協議の結論を公表、2015年度の経済成長率見通しを下方修正したうえで、ウォン安に誘導するための為替介入を制限するべきだと指摘したのだ。韓国当局の不透明介入については米財務省も批判しており、新興国でもやらないような振る舞いへの非難が国際社会で相次いでいる。
「2013年初頭以来構築してきた成長の勢いは失速した」
13日に公表したプレスリリースの冒頭から、IMFは韓国経済について厳しく言及した。
IMFは加盟国に対し、通常年に1度、「サーベイランス」(政策監視)と呼ばれる調査を実施、経済状況の監視や政策助言を行っている。IMF協定の第4条に規定されていることから「4条協議」と呼ばれている。
8日に韓国の当局者らとの協議を終えたIMFが、正式な報告書に先駆けて公表したのが前出のプレスリリースというわけだ。
そこでは、「0・5%前後の低成長が3四半期にわたり続いている」としたうえで、低迷に陥るターニングポイントとなったのが、昨年4月の旅客船セウォル号の沈没事故で、「消費者と投資家の心理に驚くほど大規模で持続的な影響を与えた」と分析した。事故では修学旅行中の高校生ら約300人の犠牲者が出たが、救助など事故後の対応をめぐって朴政権も批判を受けた。
IMFは韓国の今年の経済成長率について、3・1%と予測。IMFは昨年10月時点では4・0%と予測していたが、今年2月には3・7%、4月に発表した世界経済見通しでは3・3%にまで引き下げていた。約半年で3度目の下方修正となった。
また、主な外部リスクとして、日本の円安が韓国の輸出産業に与えるインパクトを挙げた。
IMFはさらに、輸出に依存する形で成長をしようとする韓国の経済構造の限界を指摘、非貿易やサービス分野の強化や中小企業の支援が重要であると提言した。
そして締めくくりに盛り込まれたのが為替問題だ。ウォンが実態より安く見えることに言及、柔軟な為替レートを維持することが不可欠だとした。さらに、為替介入は過度の為替レートの変動への対応に限定されるべきで、必要な為替レートの調整を妨害してはならないと強調したのだ。
韓国当局の為替介入をめぐっては、米財務省が報告書で、ウォン高を阻止するための大規模な介入を実施し、しかも公式な報告を行っていないと猛批判した経緯がある。米財務省に続いてIMFも朴政権での為替介入にクギを刺した形だ。
こうした批判を浴びながらも、朴政権は露骨にウォン高阻止を叫んでいる。聯合ニュースによると、朴大統領は12日、閣議の場で「円安など国内外のリスク要因に適切に対応するように」と指示したという。
これに歩調を合わせるように、対ドル、対円ともに急速なウォン高が一服する現象が起きている。外貨準備が急激に増えていることからみて、当局の介入が再び行われた可能性が高いという。
韓国経済の低迷は鮮明で、輸出、輸入ともに減少が続いている。統計庁が発表した4月の青年の失業率は10・2%で、1999年以来の高水準を記録した。
また、1〜4月の間に海外に輸出された韓国車は前年同期比6・6%減少してしまった。
韓国の為替介入が米国などの怒りを買い、経済の低迷を招いている背景の一つについて、週刊東洋経済元編集長の勝又壽良氏は、朴外交の失策があるとみる。
「韓国は外交的に中国側に身を寄せ、反日運動を展開してきた。そうしたなか、日米の親密化が進んだことで、中国経済への牽制(けんせい)が韓国経済にも波及しかねない。中国経済が急降下するなか、韓国にとって日米同盟の強化は、致命傷となる公算が大きくなった。中国と米国との“二股外交”が、手痛いしっぺ返しを受けたといえる」
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