http://www.asyura2.com/15/hasan96/msg/518.html
Tweet |
5月15日、日本の輸出企業が、1ドル120円付近でドル売り/円買い注文を出し、ドル/円の上値を重くしている。この先の米景気回復と金利上昇に自信が持てず、今季想定レートの115円から5円弱の円安水準でドル売りコストを確定しようとする企業が急増していることが背景にある。都内で2011年8月撮影(2015年 ロイター/Yuriko Nakao)
アングル:120円で輸出企業のドル売り、米景気回復に確信持てず
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0O00P820150515
2015年 05月 15日 17:31 JST
[東京 15日 ロイター] - 日本の輸出企業が、1ドル120円付近でドル売り/円買い注文を出し、ドル/円の上値を重くしている。この先の米景気回復と金利上昇に自信が持てず、今季想定レートの115円から5円弱の円安水準でドル売りコストを確定しようとする企業が急増していることが背景にある。短期筋からも便乗する売りが出て、120円が「壁」となりつつある。
<想定レート、プラス5円に「値ごろ感」>
今回の3月期決算発表に際し、主要な輸出企業が公表した2015年度の想定為替レートで、ユーロ/円EURJPY=EBSはバラつきが目立つ一方、ドル/円JPY=EBSはほぼ115円に収れんした。
ドル/円が3月10日に約8年ぶりの高値となる122.04円を付ける場面では、輸出企業によるドル売りは目立たなかったが、今週に入って120円台に値を戻した場面では、ドルを売る輸出企業が出始めたという。
想定為替レートから5円のプラス。120円という水準は、年初来高値との比較からも「値ごろ感が出やすい」(邦銀)という。「採算を考慮しても十分な水準だ。為替担当者としては、会社予想を上回っている節目の水準で無理をせず、いったん押さえておきたいという心理が働きやすい」(別の邦銀)との指摘もある。
<米景気は4月も回復せず、ドル/円に気迷い>
輸出企業といえば、昨年からのドル高/円安の局面では「売り焦る必要がない」(自動車メーカー関係者)として、静観の構えを取り続けてきた。ドルを調達したい輸入企業がドルの上昇に追いつけず、不利な立場に追い込まれがちだったのとは対照的な「余裕」があった。
それが、最近は120円台で、輸出企業からのドル売りが目立ち始めたという。輸出企業の「余裕」が消えた背景には、ドル高シナリオが揺らぎ始めたことがあるとみられている。
米経済指標は4月以降も目立った回復をみせていない。雇用統計や小売売上高は年後半に向けて急速な景気回復を予感させるほど強い内容ではなく、肩透かしを食らった格好。「本格的なドル高基調に戻るタイミングを逸した」(米系ファンド)との声も出ている。円サイドでも貿易収支が改善しており、ドル/円の重しになると見られる。
三菱東京UFJ銀行・金融市場部上席調査役、中山成武氏は「米国の利上げのタイミングに対する市場に見方は、やや後ずれしている」と指摘している。
春先以降、120─121円台で、日米の要人によるドル高/円安へのけん制と受け止められる発言が相次いで報じられたことも、目先の相場に対して弱気な輸出企業のセンチメントに影響しているようだ。
クレディ・アグリコル銀行、エクゼクティブディレクターの斎藤裕司氏は「少なくとも環太平洋連携協定(TPP)をめぐる交渉が決着するまで、過度なドル高/円安進行があればけん制発言への思惑が出やすい」と話す。
もっとも「あくまで輸出企業の売りが出るのは120円台。売り下がる様子はない」(国内金融機関)という。ドルの手当てが遅れた輸入企業や、対外証券投資を拡大する構えの生保など国内機関投資家によるドル需要が下支えにもなる。「たとえ弱含んだとしても、年初から何度も下げ止まった118.50円が強力なサポートになる」(国内証券)との見方は依然根強い。
目先のドル/円は、上値を追いにくい一方、底堅さも意識され、レンジ感がますます強まりそうだ。
(平田紀之 編集:田巻一彦)
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。