【ダラス（米テキサス州）清水憲司】米議会上院は１２日の本会議で、環太平洋パートナーシップ協定（ＴＰＰ）交渉の妥結に不可欠な大統領貿易促進権限（ＴＰＡ）法案の審議入りに必要な動議を否決した。与野党は審議入りの条件を再調整するとみられるが、月内の法案可決はほぼ絶望的な情勢。ＴＰＰ交渉参加１２カ国は早ければ月内の大筋合意を目指していたが、極めて困難となり、６月以降にずれ込む公算となった。

　来年の米大統領選を控え、今年後半になると、交渉はさらに難しくなることが予想され、交渉日程は一段と綱渡りになりそうだ。

　動議への投票結果は賛成５２票、反対４５票で、可決に必要な賛成６０票（定数１００議席）に届かなかった。上院は共和党５４人、民主党４４人、無所属２人で構成され、ＴＰＰ推進派が多い共和党に加え、ＴＰＰ反対の労働組合を支持基盤とする民主党からも賛成に回る議員が複数出るとの予想が多かったが、民主党の賛成は１人にとどまった。

　ＴＰＡ法案を巡っては、上院の委員会採決で多数が賛成に回り、本会議の審議にも楽観論が多かった。動議否決は審議の進め方に関するもので法案自体を否定したわけではないが、反対の根強さを示した格好だ。

　共和党上院トップのマコネル院内総務は「かなり衝撃的だ」と危機感を表明し、「審議入りに向け、共和、民主両党と引き続き協力したい」と述べた。オバマ大統領も１２日、上院民主党の有力議員とホワイトハウスで会談し、法案成立への協力を求めた。だが、法案は下院本会議でも審議入りしておらず、２２日からの議会休会を控え、月内の可決は極めて難しくなった。

　ＴＰＰ交渉参加１２カ国は１５〜２５日に米グアムで事務レベルの首席交渉官会合を開催。難航分野の協議を進めたうえで、直後に閣僚会合を開き、大筋合意に持ち込む道筋を探ってきた。しかし、首席交渉官会合に参加する鶴岡公二首席交渉官は１３日、東京都内で報道陣に対し、ＴＰＡ法案の審議入り見送りについて、「交渉をまとめるための必須条件が整わないということになり、その中で交渉を進展させるのはなかなか難しい」と懸念を示した。

　【ことば】大統領貿易促進権限（ＴＰＡ）法案

　米国は、日本などと異なって、通商交渉の権限が議会にあり、この権限を大統領に一任すると定める法案。成立すると、議会は政府間で合意した内容を修正できなくなり、賛否のみ判断する。合意内容が議会に修正される可能性があるうちは、他国の政府も交渉を進めにくいため、法案成立が交渉合意に不可欠とみられている。ＴＰＡはＴｒａｄｅ　Ｐｒｏｍｏｔｉｏｎ　Ａｕｔｈｏｒｉｔｙの略。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150513-00000032-mai-bus_all

［東京　１３日　ロイター］ - 菅義偉官房長官は１３日午前の記者会見で、環太平洋連携協定（ＴＰＰ）交渉妥結に不可欠とされる米国の大統領貿易促進権限（ＴＰＡ）法案が、米上院で審議入りに必要な動議が否決されたことを受け、「法案が早期成立することを強く望む」と述べた。

ＴＰＡ法案が審議入りするかどうかが、ＴＰＰ妥結に向けた最初のハードルとみられていた。６０票（議席数１００）の賛成が必要だったが、賛成５２票、反対４５票で動議は採択されず、共和党が反対する民主党議員の切り崩しに失敗した格好だ。

菅長官は、同法案の見通しについてはコメントを避けたが、「交渉各国がＴＰＰの妥結に向けてＴＰＡ法案の成立が不可欠だと思っている。法案の動向を注視する」とした。

また、シャープ＜6753.T＞が資本金を１億円に減資する計画を断念して５億円に変更することをめぐっては、「常識的に１億円というのは国民にとって違和感があったのでは」と語った。

(梅川崇)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150513-00000049-reut-n_ame

まあ、どこの国も似たようなものだが

当たり前、正常に。