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サラリーマンも苦しい…(写真はイメージ)/(C)日刊ゲンダイ
アベノミクスの弊害直撃 「エンゲル係数」都市部は30%超
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/159715
2015年5月13日 日刊ゲンダイ
庶民の貧困ぶりが数字に表れた。
8日の日本経済新聞によると、家計の消費支出に占める食料費の割合を示す「エンゲル係数」が昨年度は急上昇し、全国平均24.3%を記録。21年ぶりに高い水準になっているという。
エンゲル係数とは、生活のゆとりの程度を示す数値のひとつ。その値が高いほど生活水準が低いとされる。最近10年間は22〜23%台をキープしていたが、昨年は数値が跳ね上がった形だ。アベノミクスによる円安で、食料や家畜の飼料などの輸入代が跳ね上がるなど、食料品の高騰を招いた結果である。
さらに、その深刻ぶりを示すデータがある。都市部のエンゲル係数だ。昨年5月の大阪市は29.1%、6月の神戸市は29.7%、7月の京都市は30.8%、8月の名古屋市は31.6%、10月の京都市は31.7%、11月の北九州市は29.8%、12月の千葉市は29.6%、同月の京都市は32.5%、同月の神戸市は32.0%と、平均値をはるかに上回っていた。
季節やその土地柄の影響もあるが、都市部のエンゲル係数は20%台後半から30%超で推移。地方は20%前後の都市が多かった。アベノミクスの弊害は、都市部の生活者を直撃しているのだ。
「地方の食生活は豊かなんです。近所からお裾分けをもらったり、近くに親や親戚がいれば、お米や野菜などをもらえることもある。都会の人はキャベツひとつにしても、高いお金を払わないといけない。都市部の貧困度は深刻と言えるでしょう。月収が少ない世帯でエンゲル係数が30%近いと、そのほかのお金が家賃や光熱費、教育費などに消えてしまい、全く貯金が残らない。食べていくのに精いっぱいなんです」(経済ジャーナリストの荻原博子氏)
昨年度の2人以上の世帯の消費支出額は、前年度より2%減る一方で、食料品への支出は1%増えた。庶民が貧しい生活を強いられる中、食費が家計を圧迫していることになる。
アベノミクスは、庶民を追い込むだけの愚策でしかない。
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