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“高級”仏産ワインの没落 安く高品質なチリ産が逆転か?輸入ワイン市場に異変(Business Journal)
http://www.asyura2.com/15/hasan96/msg/434.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 5 月 13 日 07:44:15: igsppGRN/E9PQ
 

“高級”仏産ワインの没落 安く高品質なチリ産が逆転か?輸入ワイン市場に異変
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150513-00010008-bjournal-bus_all
Business Journal 5月13日(水)6時2分配信


 不動の王座とみられてきたフランス産輸入ワイン(非発泡性)の座が大きく揺らいでいる。現在、国内市場は戦後第7次ワインブームに沸いているが、そうした中で王者フランス産ワインが早ければ今年、遅くとも来年には日本の輸入量(数量ベース)年間トップの座をチリ産ワインに奪われるという、歴史的事件が起こりそうな事態が進行しているのだ。

 ある大手ワインメーカーのトップは、「ひょっとしたら今年にも、そうした事態が起きるかもしれない」と話す。直近の数字、末端市場の動きなどを、このトップは当然把握しているはずだから、かなりの確率で逆転するとみての発言であるに違いない。すでに昨年には、単月ではチリ産が何度かトップに立っているという事実もある。

 まず前提となる、輸入量の推移を見てみよう(財務省の統計からメルシャンが推計)。10年前の2005年、フランス産の輸入数量は5万37629キロリットル、シェアは45.5%だった。対してチリ産は7506キロリットル、シェア6.4%で、イタリア産、アメリカ産の後塵を拝していた。しかし07年以降、少ない年で前年比13%、多い年には30%余りの伸びを記録し、07年にはアメリカ、13年には伝統的ワイン輸出国イタリアをも抜いて2位に躍り出た。そして14年には、フランス産5万2991キロリットルに対しチリ産は4万3695キロリットル、シェアで見るとフランス産29.4%に対してチリ産24.3%まで肉薄してきているのである。

 では今後一両年で本当に数字上、逆転は可能なのだろうか。簡単な計算をしてみたい。13〜14年の2年間に限ると、フランス産の前年度比は単純平均で93.95%、つまり6.05%のマイナス。対してチリ産は117.65%、つまり17.65%のプラスである。両国からの輸入ワインの増減の傾向値が15年もほぼ同様と仮定するならば、どうなるであろうか。フランス産の輸入量は4万9785キロリットルまで落ち、チリ産は5万1407キロリットルと初めて5万キロリットルの大台に乗せて逆転必至となる。計算上では、17%まで伸びなくとも14%弱の伸び率で逆転するのだ。

●各社の取扱量も増加

「フロンテラ」をはじめ、「カッシェロ・デル・ディアブロ」「サンライズ」など、チリ産の有力銘柄を扱うメルシャン関係者は、「14年の数字を見ると、これらの主要ブランドの多くが10%台の伸び率を記録しており、今年もまた順調な伸びを示している」と語る。

 アサヒビールでも、「サンタ・へレナ」「サンタ・へレナ・アルパカ」など、やはりチリ産は好調だという。

 加えて、サントリー関係者によれば、「チリ産というとリーズナブルな価格帯というイメージがあるが、当社が扱っているビニャマイ社の『ビトラル』シリーズなどはレゼルヴァクラスだが、14年は前年比153%だった」という。レゼルヴァはチリのワイン法で規定されている高級ワインで、法定アルコール度数よりも少なくとも0.5%以上高く、樽熟成して特有かつ独自の風味特性を持つもの。そのさらに上級がグラン・レゼルヴァである。チリ産はリーズナブルな価格帯から高価格帯へと、人気が広がってきているわけである。

 チリ産の人気が高まっているだけではなく、フランス産の人気低下も逆転を招く要因となりそうだ。日本でこそフランス産の輸入シェアは高いが、世界のワイン取引で見るとフランス産の数量ベースでのシェアは徐々に、そして確実に後退してきているのだ。

 OIV(ワイン国際機構)のレポートなどを見ると、90年代初頭にはライバル、イタリアに輸出量で抜かれており、10年頃にはスペインにも抜かれて第3位に落ちている。このためサルコジ前大統領時代には、「ワイン産業近代化5カ年計画」(09〜13年)が策定され、国際競争力を回復するための施策が相次いで打たれている。具体的には、世界の主要市場への積極的売り込み、変化する消費者ニーズに対応する商品づくり、フランスのイメージ向上を図りつつ製品の理解や認知度を高める、などが主要テーマとなっていた。

 しかし、この施策が必ずしもうまくいっていないことは、世界市場での急激なシェア低下を見れば理解できる。しかもライバルはイタリア、スペインだけではない。オーストラリア、チリ、アメリカ、アルゼンチンなど、「ニューワールド」と呼ばれる国々も国家戦略としてワインの輸出に力を入れており、まさに挟み撃ちの状況だといっていい。しかも、これら各国は品質向上にも積極的に取り組んでおり、味や品質の面でも急激にキャッチアップしてきているのだ。

●チリ産ワインの人気の理由

 このような中、急速に日本市場で存在感を高めているチリ産だが、その人気の理由は何だろうか。バイヤーやワインメーカー関係者は、安さの割に味や質がいい点を挙げる。

 もともとセントラルヴァレーを代表にブドウ栽培に適した気候・土壌であるのに加え、チリはニューワールドの中で最も早くブドウ栽培が始まったところで、醸造技術の蓄積が進んでいる。フランスをはじめヨーロッパから技術者が多く移り住んだことも関係している。しかも、ブドウの天敵ともいうべき害虫フィロキセラがいないので、ほとんど無農薬でブドウ栽培ができる点も大きい。

 要するに、オーガニックに近いつくりだというわけだ。加えてニューワールドのぶどう酒は一般に軽いのが特徴だが、チリの場合、ヨーロッパから持ち込まれ樹齢を重ねたブドウの木が多く、タンニン分が十分に含まれているため、どっしりした味ではフランス産にも劣らないとも評されている。かつてのチリカベ(主要ブドウ品種のひとつ、カベルネ・ソービニヨンのこと)がブームになったのも、そうした歴史的背景があるからだ。しかも、欧州産に比べて酸味が少ないという特徴もあって飲みやすい。

 しかし、なんといっても安さが決定的だ。人件費を含め生産コストが極めて安いので、それが単価に反映しているという。ことに日本市場では、09年9月にEPA(経済連携協定)が両国間で結ばれたことが価格に影響を与えている。現在、チリからの輸入ワインにかかる関税は、バルクでの輸入(いわゆる桶買いして日本で瓶詰めする)の場合はゼロで、ボトリングしたものは「4.6%または125円/リットル」のどちらか安いほうが課される。対してEPAを締結していないEU域内のフランス産は「15%または125円/リットル」だから、価格競争ではチリのほうが断然有利だ。

 現在、日本とEUの間でも13年春からEPA交渉が始まっており、日本側は15年度中に大筋合意を目指しているが、なかなか進展していないのが現実だ。その点からしても、チリ産優位は動かないようだ。「同じボトル1本1000円台のものなら、チリ産がお買い得だ」と話す業界関係者は少なくない。

 加えて、日本国内におけるワイン消費市場の変化も無視できない。数年前までは日本は香港、中国などと並ぶ、フランス産・中高級ワインのお得意さんだった。しかし長引く不況もあって、このところ急激に伸びてきているのは500円を切る価格帯である。これは世界市場の動きと同じ方向でもあるが、この点もまた価格はリーズナブルで、その割に品質がよいと定評のあるチリ産に有利に働いている。

 フランス産としては、価格競争による量的追求よりも、AOC(原産地統制名称)ワインに象徴される高品質高価格、そしてブランド力で勝負するしか道はないだろう。マーケティングの原則だが、量と質の二兎を追うと、大きなツケが回ってくる可能性すらある。日本の景気回復は、ブランド力のあるフランス産にとって有利に働くこともあり得るのだから。

清丸恵三郎

 

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コメント
 
01. 2015年5月13日 23:20:27 : 9mxqzsU1Og
当方は酒が弱いのであまり飲みませんが、妻は酒に強いです。そのメーテル似の妻がお勧めなのが、ニュージーランドのワイン。同国のワイン生産量は世界の1%に過ぎませんが、高品質で世界各国で人気上昇です。フランス産のワインは、このニュージーランド産のワインにシェアを奪われていると思います。


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