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増税の影響「なかったこと」にしたい日銀総裁や学者 誰も口にしないお寒い現状(ZAKZAK)
http://www.asyura2.com/15/hasan96/msg/415.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 5 月 12 日 17:43:05: igsppGRN/E9PQ
 

増税の影響「なかったこと」にしたい日銀総裁や学者 誰も口にしないお寒い現状
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20150512/dms1505120830004-n1.htm
2015.05.12 「日本」の解き方 夕刊フジ


 日銀が2%のインフレ率目標達成時期について「2016年度前半ごろ」と、事実上後ろ倒しにした。その理由について、黒田東彦(はるひこ)総裁は、昨年4月の消費増税の直接的な影響について語らず、ほとんどのマスメディアも言及しない。一体なぜなのだろうか。

 金融政策決定会合の正式文書における物価の見通しでは、日銀の見方がぶれてきている。13年4月4日の異次元緩和以降、「プラスに転じていく」だったが、13年8月8日から「プラス幅を次第に拡大していく」、14年1月22日から「暫くの間、1%台前半で推移する」と強気だった。

 ところが、消費増税の影響が明らかになると、14年10月31日に追加緩和を行い、11月19日には「当面現状程度のプラス幅で推移する」と下方修正した。

 15年1月21日には「エネルギー価格の下落を反映して、当面プラス幅を縮小する」、3月17日からは「エネルギー価格下落の影響から、当面ゼロ%程度で推移する」と、短期的な理由を原油価格下落に求めている。

 黒田総裁が「消費増税があったので需要が落ち込んだ」と言えないのは、黒田総裁自身が消費増税に積極的で、「消費増税の影響は軽微である」と言っていたからだ。実際には影響は軽微どころではなく、黒田総裁の見通しは大外れであったが、それを認められないのだ。そこまでして消費増税を進めたい黒田総裁は、日銀総裁というより、まるで古巣の財務省職員のようだ。

 マスメディアも、消費増税に賛成した大手紙などは、今さら消費増税の影響が大きかったとは言えない。だから、黒田総裁と同じ穴のムジナである。マスメディアの場合には、下手に質問して、黒田総裁の感情を害したら、その後の取材活動にも影響しかねないので質問をセーブする気持ちもあろう。

 そもそもほとんどのマスコミは財務省のいいなりで、新聞は軽減税率も念頭にあって財務省を逆なでにするような質問もしにくいのだろう。

 こういう場合には、学者などの知識人が問題を指摘しなければいけない。しかし、学会でも、財政政策に関して、「消費増税の影響」という話題はさっぱり盛り上がらない。というのも、日本の代表的な一流学者を含む多くの学者が「影響なし」と主張していたものだから、議論にならないのだ。

 多くの学者にとって、消費増税の影響は「なかったこと」にしてもらいたいのだ。うっかり悪影響について話したら、巡り巡って自らの師匠の批判になったりするから、誰も口にしない。なんともお寒い現状である。

 ついでにいうと、最近では、金融政策について「量的緩和政策の検証・評価」という題でやっても、まともな学者は討論者にならないため、学会運営で困っているらしい。多くの学者にとって、リフレ政策論争は「なかったこと」にしたいということなのだ。

 テレビやネット上では無知な敗残兵がわずかに残っているが、さすがにデキる学者は逃げ足は速い。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

 

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コメント
 
01. 2015年5月12日 18:01:12 : FbqCd7Hygg
増税は失策ではあるが、増税策のネガを過小評価ないし影響なしとしたメディアや学者の評価も下がり、そういったバカなメディアや学者のコラムを読む手間が省けたのは良かったよ。

02. 2015年5月12日 18:14:11 : nJF6kGWndY

>総裁は、昨年4月の消費増税の直接的な影響について語らず、

そうでもないだろう

>ほとんどのマスメディアも言及しない
>下手に質問して、黒田総裁の感情を害したら、その後の取材活動にも影響しかねないので質問をセーブ

あまり露骨には追求してないようだが

明らかに言葉の端々から伝わっているようだな

https://www.boj.or.jp/announcements/press/kaiken_2015/kk1504a.pdf
(問) 4 月 4 日で「量的・質的金融緩和」の導入から 2 年が経ちました。こ
の間の日本経済は、企業業績の改善や賃上げといった動きを通じて、景気回復
やデフレ脱却に向けた好循環が生じつつある一方で、CPIの上昇率について
は、目標とする 2%には遠く及ばない状況が続いています。「量的・質的金融
緩和」がこの間にもたらした効果と、一方で想定が外れてうまくいかなかった
点について、ご見解をお聞かせ下さい

(答)
消費者物価の上昇率については、昨年 4 月に消費税率を 3%引
き上げたことの影響が概ね 2%ぐらいあったわけで、消費税込みの消費者物価
上昇率で割り引くと、実質雇用者所得がマイナスになる月もあったと思います。
けれども、消費税の影響は、この 4 月から基本的になくなります。先程申し上
げたように、雇用者所得の伸びは比較的順調に続いており、しかも加速してい
るわけで、そうしたもとで、消費者物価のヘッドラインのインフレーション率
は 2%分が剥げ落ちますので、実質賃金あるいは実質雇用者所得は伸びがかな
り高まる


https://www.boj.or.jp/announcements/press/kaiken_2014/kk1409a.pdf
景気の総括判断としては、「消費税率引き上げに伴う駆け込み需
要の反動がみられているが、基調的には緩やかな回復を続けている」

物価の前年比は、消費税率引き上げの直接的な影響を除いたベースでみて、暫
くの間、1%台前半で推移するとみられます。その後は、本年度後半から再び
上昇傾向を辿り、2014 年度から 16 年度までの見通し期間の中盤頃に、2%程度
に達する可能性が高いとみています。
リスク要因としては、新興国・資源国経済の動向、欧州債務問題の今
後の展開、米国経済の回復ペース


03. 2015年5月12日 18:35:03 : nJF6kGWndY

消費税の影響への質問より、こっちのQEのCPIへの効果や出口、財政ファイナンスに関する質問の方が、どちらかと言えば厳しいだろうな

https://www.boj.or.jp/announcements/press/kaiken_2015/kk1505a.pdf
(問) 2016 年度の前半に後ずれするとのことですが、今回の「量的・質的金
融緩和」はアベノミクスの第 1 の矢として鳴り物入りで始まったものです。そ
うすると、アベノミクス自体も全体的に歯車が少しおかしくなってきた、後ず
れしてきた、ということでもあるのでしょうか。

(答) 私は全くそのように思っていません。先程来申し上げている通り、2%
の「物価安定の目標」を、2 年程度の期間を念頭に置いて、できるだけ早期に
実現するということで「量的・質的金融緩和」は始まっていますし、所期の効
果を上げていると思っています。そうしたもとで、物価の基調は改善してきて
おり、さらに今後とも改善が続くとみています。ただ具体的に 2%程度に物価
上昇率が達する時期の予測について、昨夏以来の半年間で 5 割以上の原油価格
の下落――その他の商品の下落もありますが――を踏まえ、若干後ずれするだ
けです。企業部門、家計部門ともに所得から消費へという好循環のメカニズム
がしっかり働いてきていますし、先程来申し上げている通り、物価の基調は今
後さらに高まっていくと考えていますので、2%の「物価安定の目標」の達成
に向けた日本銀行の金融政策としては、所期の効果を上げていると思っていま
す。
アベノミクス全体としては、第 2 の矢、第 3 の矢と挙げられているよ
うに、財政の持続可能性をしっかりさせていくこと、あるいは成長戦略を進め
ていくこと、これらはいずれも政府が努力されているところであり、一定の効
果を上げてきていると思いますが、さらなる努力が必要だということは、政府
自身も認めておられるところであります。ご質問の 2%程度に達する時期がや
や後ずれしたことは、物価の基調が変わったのではなく原油価格の大幅な下落
によるものですので、第 1 の矢については何ら問題はないと思っていますし、
その意味でアベノミクス全体にマイナスの影響を与えることはないと思って
います。

(問) 今回のレポートで、2%の達成時期が「2016 年度前半頃」と示されま
した。従来繰り返されてきた、2 年程度を念頭に、できるだけ早く実現すると
いうことと齟齬はない、許容範囲であると判断されて、追加の政策を打たれな
かったと思います。そうであれば、どこまで許容できるのかという質問です。
大きな考えとして、仮に 2016 年度後半、あるいは 2017 年度前半といった後ず
れは許容できるのでしょうか。

(答) 先程来申し上げている通り、2 年程度の期間を念頭に置いて、できる
だけ早期に 2%の「物価安定の目標」を達成するとコミットし、「量的・質的
金融緩和」を導入し、昨年 10 月に拡大し、それを引き続き着実に実行してい
ます。そうしたコミットメントや「量的・質的金融緩和」の実施を変えるつも
りはないと申し上げているわけです。他方、具体的な物価の動向は、様々な要
因に影響され、それによって予測は前にいったり後ろにいったりします。その
場合に重要なこととして、2%の「物価安定の目標」をできるだけ早期に実現
することが難しくなってきた、物価が 2%には達しない、あるいはなかなか達
しない、というような物価の基調の変化が出てくれば、当然、それに対応して
適切な政策の調整を躊躇なく行うということは、従来から申し上げています。
そうしたもとで、需給ギャップ、あるいは中長期的な予想物価上昇率、そして
特に足許で 2 年続きのベアを含む賃金上昇――今年になって中小企業や非正規
労働者にまで拡大してきています――をみると、物価の基調は変わっていない、
2%へ向けて着実に基調は高まっていると思われますので、追加緩和はしてい
ませんし、一方で、2%の「物価安定の目標」に対するコミットメントはしっ
かり維持しているということです。

(問) 後ずれの件で、重ねて恐縮ですが、今回後ずれしたことで日銀の政策
運営に対する信認に影響が及ぶことはないのでしょうか。
もう 1 点は、米国経済の下振れについてですが、これはあくまで一時
的なものでそれほど懸念すべきものではないとお考えなのでしょうか。先程も
ありましたが、ドル高の影響も含めてそれほど大きくはないというご認識なの
かお伺いします。

(答) 信認云々は、中央銀行が自分で言うことではなく、中央銀行の外の方
が中央銀行の政策についてどのような信認を抱かれるかということだと思い
ます。先程来申し上げている通り、予想外の大きな原油価格の下落によって、
2%の物価安定目標を掲げ、それをずっと達成してきた欧米諸国でも、足許の
ヘッドライン・インフレーションはマイナスになっています。そうしたもとで、
日本銀行とECBは量的緩和を拡大あるいは導入しました。一方、米国は 2%
の物価安定目標の周りに中長期的な予想物価上昇率がアンカーされていると
いうことで、追加的な緩和はしていません。私は、国により違いますが、それ
ぞれの国でそれぞれに適切な対応をしていると考えていまして、その意味では、
日本銀行の金融政策に対する信認が揺らぐ必要はないと思っています。ただ、
中央銀行の政策に対する信認というものは、中央銀行の外の方が抱かれること
ですので、私から一方的に決めつけることはいたしませんが、私どもからすれ
ば、信認が低下する要因または必要性はないと思っています。
米国の経済については、第 2 四半期以降の数字をよく見る必要がある
とは思います。一方で、今回のGDP成長率の低下は、明らかに実質輸出の減
少からくるものです。今後、実質輸出がどうなるかは世界経済の動向やその他
の色々な条件によると思いますが、世界経済は先日のIMFの見通しでも緩や
かに回復のテンポを高めていくとの見通しですし、為替についても、ドル高は
確かに起こりましたが、ここ最近ではドルの独歩高は止まり安定的な動きをし
ています。そうしたことを踏まえると、第 1 四半期は一時的な要因が重なって
実質輸出の減少を中心に成長率がやや低下したのであり、第 2 四半期以降は元
の成長経路に戻るとみています。ご指摘のようにそれ以外の要因もあるかもし
れませんし、よく注視していく必要はあると思っています。ただ、基本的に色々
な統計その他をみると、米国経済が消費を中心とした内需をベースに着実な回
復を続けるという見通しに変化はないと思います。

(問) 先程、2 年程度でできるだけ早期に達成するコミットメントの重要性
を説かれていましたが、総裁のお考えとして、できるだけ早く 2 年程度で達成
するというコミットメントを持ち続けることが重要であって、2%に届くタイ
ミングというのはそれほど重要でないとお考えになっているのかどうか、その
点について 1 つお伺いします。

もう 1 つは、最近の物価指標をみると、物価の基調が改善しているよ
うにはみえないです。確かに賃金とか、雇用、労働市場は、タイト化していま
すが、実際に物価を表す指標は改善がみられない中で、物価の基調がよくなっ
ているというのは、少し苦しい面もあるのかなと感じるのですが、その点如何
でしょうか。

(答) 最初の点については、先程来申し上げている通り、2 年程度の期間を
念頭に置いて、できるだけ早期に 2%の「物価安定の目標」を達成するという
コミットメントは、極めて重要であると思っています。
他方、具体的な物価の動きは、色々な要因によって影響されます。そ
の影響が物価の基調を変えるようなものであれば、それは金融政策の調整が必
要になると思いますが、今の状況をみますと、昨年の「量的・質的金融緩和」
の拡大によって、懸念されたデフレマインドからの転換が遅れる惧れは一応払
拭されて、中長期的な予想物価上昇率は、概ね維持されています。そうしたも
とで、需給ギャップも着実に縮小してきていますし、2015 年度、2016 年度と、
潜在成長率を相当上回る経済成長が続く見通しであり、需給ギャップがさらに
縮んで、プラスになっていくように見込まれます。先程申し上げた 2 年続きの
ベースアップを含めて、賃金の上昇が続いていること等々、物価の基調は着実
に高まってきているということは言えると思います。そういう意味で、生鮮食
品を除く消費者物価の対前年同月比が足許ゼロになっており、当面その近傍で
推移するといったこと等、足許の物価が原油価格の大幅な下落等の影響を受け
て、低迷していることは事実なのですが、その背後にある需給ギャップ、予想
物価上昇率、さらには賃金あるいは企業の価格設定行動等々、物価の基調を決
定する要因をみるに、引き続き改善していますし、さらに改善していくという
見込みにあるということは言えると思っています。


(問) 前回も聞いていますし、他の方々も何人も聞いていますが、あえて伺
うと、やはりCPIのコアコアが非常に弱いのは、前回、それはエネルギー価
格の下落も影響するのだというご説明をして下さったのですが、それでは説明
しきれないほど弱いのでないかと私は思うので、あえてもう一度お伺いします。

(答) コアコアが弱いのではないかというのは、確かに米国などと比べると
弱いわけですが、先程申し上げたように、エネルギー価格の下落が輸送費その
他を通じて、コアコアの指標にも影響を与えていることは事実です。同様な状
況は、実は欧州でも出ており、あちらでもエネルギー価格等を除いた指標でみ
ても、やはり下がっており、それは彼らもエネルギー価格の下落の影響が交通
費その他、輸送費その他を通じてそちらに影響している面もかなりあるという
ことを指摘しています。


(問) だからこそ欧州はデフレだと言われているわけで、もし欧州と同じだ
と言ってしまったら、日本はデフレなのだということになってしまうのではな
いでしょうか。

(答) それは全く違います。欧州の場合は、従来は物価上昇率がマイナスで
なかったわけです。そうした中で、最近になって──ここ数か月ですが──、
特に、原油価格が下落して以降、マイナスに転じています。日本の場合は、2013
年まで平均を取るとマイナスということで、15 年続きのデフレにありました。
そうしたところから、プラスに転化してきていたわけですが、足許では、米国
や欧州と同じく石油価格の影響によって物価上昇率が下がってきて、足許でコ
アでゼロ、コアコアではまだプラスではありますが、そういう状況になってい
るということです。従って、米国、欧州、日本とそれぞれに状況は少しずつ違
いますが、それぞれにヘッドライン・インフレーションの率が下がってきて、
そしてコアというか、コアコアというか、いわゆるエネルギー価格を除くもの
であっても、やはり下がってきているということには変わりはないと思います。


(問) 先程から、原油価格が下落したことを何度も強調していらっしゃいま
すが、1 月の中間評価から展望レポートまで、原油価格は、ほぼ日銀の想定通
りに動いています。それにもかかわらず、2015 年度の物価、あるいはそれ以降
の物価も下振れています。この原因について、ボードメンバーの中に消費が弱
いということを指摘する声もあったと、あたかも黒田総裁ご自身はこれに納得
していないというような印象を受けました。強気な情報発信をしている黒田総
裁、中曽副総裁、岩田副総裁と、それ以外のボードメンバーの間には、物価に
対する見方に随分と乖離がある印象を受けます。つまり、総裁のすごく強気な
情報発信は、ボード全体を代表しているものではないのではないか、平均を取
ればもっと弱いという見方ではないか、との印象を受けます。まずそれがどう
かということをお聞かせ下さい。

次に、一貫して強気な経済・物価見通しを示している黒田総裁ですが、
出口になると一転「時期尚早」と言われます。ただ、展望レポートをみる限り、
2016 年度、2017 年度の物価見通しが 2%前後であり、文言の中にも安定して推
移というふうに書いています。これが実現されれば、当然、見通し期間中に、
つまり 2017 年度末までには、「量的・質的金融緩和」の出口に着手している
可能性が十分あるのではないかと思います。この見通し期間に──別の言い方
をすれば、黒田総裁の任期いっぱいが表現されているわけです──強気な見通
しを示していらっしゃる黒田総裁も、そういった可能性は今の段階では何とも
言えないと、つまり、この展望レポートはあまり自信のないものであるという
ことをおっしゃっているのかどうかお聞かせ下さい。

(答) いずれの点についても、全く意見を異にしています。
まず第 1 点目ですが、この展望レポートの数字をご覧になって頂くと、
ボードメンバーの方々の考え方の分布と中央値が示されていますし、それに即
した展望レポートの文章も出ています。先程ご紹介したように、9 人の委員方
のうち 3 人の方は 2%の「物価安定の目標」に達する時期について若干違った
ご意見を持っておられたことは事実ですが、ボードメンバーの大半の方々の数
字の見通しといい、展望レポートの文章といい、私が申し上げていることと何
ら乖離はありません。
それから 2 番目の点は、先程も申し上げましたが、確かに私どもの見
通しとして、2%程度の物価上昇率が 2016 年度、2017 年度と 2 年に亘って続く
見通しになっていることは事実です。何度も申し上げている通り、金融政策の
決定、判断にあたっては、その時点までの物価上昇率の実績だけではなく、予
想物価上昇率の動向、それから先の経済物価の見通しがどうなっているかとい
うことまで見極める必要があるわけです。これは 2%の「物価安定の目標」の
実現を目指し、これを安定的に持続するために必要な時点まで「量的・質的金
融緩和」を継続すると言っていることからも明らかです。従って、現時点でこ
の見通しをもって出口の時期とか、方法を議論することは、やはり時期尚早で
あると思います。いずれにしても、現在は 2%の「物価安定の目標」をできる
だけ早期に実現するように最大限の努力を払っている最中であり、出口につい
て云々するのは、やはり時期尚早であろうと考えています。


(問) 最近の国債に関するトピックスについて、2 点お伺いします。1 点目
は、繰り返し報道されていますが、バーゼル委員会による国債保有に関する規
制強化の議論です。この動き自体が、日本経済あるいは我が国の金融システム
に与える影響、さらに、日銀が国債を大量に買うという今のオペレーションに
対する影響について、どういうふうにお考えでしょうか。
2 点目は先日、海外の格付け機関が日本国債の格付けを引き下げまし
た。これに関するご所見をお聞きしたいのと、市場関係者の中には、あるいは
私は、日銀が異次元の金融緩和をしているが故に、結果として、財政規律を緩
めてしまうという弊害が生まれているのではないかと感じているのですが、如
何お考えでしょうか。

(答) まず第 1 のバーゼル委員会の件につきましては、ご案内のように金利
リスクについては、国債を含めて様々な資産、さらには負債まで含めて金融機
関の金利変動リスクについて、包括的な見直しの議論が行われている最中です。
これがどういうふうになっていくのかは、今後の議論のあり方にもよりますの
で、今の時点で具体的にどうこうするということは申し上げられません。当然
のことながら、バーゼル委員会において、適切な規制について、私どもの意見
も十分に反映されるよう議論を尽くしてまいりたいと思っています。
格付けの点については、格付け会社の判断に私から何かコメントする
ことは差し控えたいと思います。国債の発行者の立場から政府が何かおっしゃ
る可能性があるかもしれませんが、私から何か申し上げることは差し控えたい
と思います。いずれにしても、財政の規律は極めて重要であり、国全体として
財政運営に対する信認をしっかりと確保していくことは重要であると思いま
す。この点、政府は、いわゆる基礎的財政収支を 2020 年度までに黒字化する
という財政健全化目標の達成に向けた計画を夏までに策定するとしておられ
るようです。私どもも、政府による財政健全化に向けた取り組みが着実に進ん
でいくということを強く期待しています。


(問) 本日の見通しに沿うと、2016 年度に入ってからも大規模な緩和を続け
る可能性が高いかと思いますが、市場では 2016 年度に入ると国債の買入れが
難しくなるのではないか、札割れが出るのではないかという懸念も高まってい
ます。総裁はかねて、買入れには問題ないとおっしゃっていますが、2016 年度
以降を見渡しても国債の買入れには何ら問題ないというお考えなのか、また、
本日の政策決定会合で他の委員からその点について懸念はなかったのか、お伺
いします。

(答) 2016 年度といいますか、むしろこれからの金融政策につきましては、
今日の決定会合での決定とその公表文に示されていますし、また従来申し上げ
ている通りであり、2%の「物価安定の目標」を達成し、それを安定的に持続
できるようになるまで、現在の「量的・質的金融緩和」は継続すると申し上げ
ています。そうしたもとで、2016 年度にどうなるかを今から何か申し上げるの
は適切でないと思いますので、それを前提に云々することも適切でないと思い
ますが、国債買入れについて何か現在問題が生じているとか、あるいは今後ご
指摘のような問題が生ずるとは考えていません。


(問) 夏までに政府は財政再建策を具体的に出すということですが、プライ
マリー・バランスは、先日、2020 年度で 9.4 兆円の赤字と、非常に厳しいとの
数値も出てきました。総裁が出席されている経済財政諮問会議では、新しい財
政健全化の指標として債務残高のGDP比というものを導入してはどうかと
いう動きがあろうかと思います。これは名目成長率が金利以上に上昇すること
が前提で、それこそ、この間の内閣府の試算では、金融緩和は 2020 年度まで
続けていくような数値にもなっているかと思いますが、こうした新しい指標
──まだ決まってはいませんが──、債務残高をGDP比で出すということに
ついて、総裁はどのような考えをお持ちでしょうか。

(答) まず、既に公表されている内閣府の色々な試算については、成長率と
か金利についての一定の前提を置いていますが、今、おっしゃったような前提
にはなっていませんので、それはよくご覧になって頂いたらいいと思います。
それから、政府の中期財政計画はご案内の通り、2015 年度までに基礎的財政赤
字を半減し、2020 年度までに黒字化する、そして、その後、債務GDP比率を
着実に引き下げていくということになっていますので、債務GDP比率の引き
下げということ自体は、もともと中期財政計画に含まれているということです。
そのもとで、今申し上げたように 2015 年度に基礎的財政赤字の半減、2020 年
度までに黒字化ということも含まれていますので、その点について、ご指摘の
ような議論だとは私は承知していません。


04. 2015年5月12日 18:49:38 : nHf0e8XGZI
別に消費税を3%増税しても、年金や医療や介護の公的支給をそれ以上、例えば5%とか上げれば、消費意欲も湧いて景気は悪くはならなかったと思いますが。
みんな年金悪化、介護や医療の社会保障がどれだけ悪化するかがわからないし、「少子高齢化だから」とかの言い分だと、将来もっと落ちるのは確実だから。
「デフレがいけない」とか言うのは、デフレでお金の価値が上がるために、余裕がある人が消費しない、「消費減退による負のスパイラルがあるから」。
それで物価目標にしたのに、何と「老後の生活保障、介護医療保障の悪化見通し」と言う「買い控えによる負のスパイラル」の大きな要因、を「ピンチヒッター」に堂々と打席に立たせたのでした。
アッパレ。
この点をわからないで、物価目標と社会保障水準低下政策を同時にやっているとしたら「愚か者」。
知っていながらやっているのなら「相当の〇×」。

05. 2015年5月12日 20:55:08 : bfiJIUelwU
経済対策後の増税で景気は元に戻り、借金だけが増えている。こんなの当り前だろう。政府は借金してこなかったのだから、返済してこそ借金だ。返済と増税は同じなんだな。

06. 2015年5月12日 22:52:51 : 5aI56T6iSI
日本の物価は極めて高くデフレではない、海外物価に近づいているだけだ、

食料や公共料金は2倍も高い、一例としてアメリカの電気料金

U.S.Energy Infomation
Administration
Report
Released: March 11, 2011

U.S. Total(Cents per kilowatthour)
     
2011年、 2010年

Residential   11.09、 10.74

Commercial   9.99、  9.77

Industrial     6.72、   6.54

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