http://www.asyura2.com/15/hasan96/msg/413.html
Tweet |
持ち直す日本経済、外需に影[日経新聞]
2015/5/11 2:00
日本経済は消費増税後の不振を脱し、緩やかに持ち直している。民間調査機関の予測では1〜3月期の実質成長率は1%台半ばと、潜在成長率を上回ったとみられる。しかし過去の景気回復局面を主導してきた海外需要は力強さを欠き、持続力には不安がぬぐえない。
2四半期連続のプラス成長が見込まれている1〜3月期は、個人消費や住宅投資などの国内需要が下支え役となった。成長率をどれだけ押し上げたかを示す寄与度では、外需はゼロ近辺と予測する調査機関が多い。
アベノミクスが始まった当初、株高を受けて個人消費がまず上向いた。政府・日銀は円安も背景に消費増税後の落ち込みを外需が補い、内需も再び息を吹き返すシナリオを描いたが、想定通りには進んでいない。
世界景気に薄曇りの気配が漂い始めたことを企業も警戒している。日銀の3月の企業短期経済観測調査によると、海外での製品の供給が過多になるとみる大企業・製造業の割合は昨年12月調査から拡大した。
第一生命経済研究所の新家義貴主席エコノミストは「日本経済の最大のリスクは海外だ」と指摘する。景気回復を途切れさせないためには、個人消費や設備投資などの国内需要をどこまで引き出せるかが鍵を握る。(景気動向研究班)
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS02H0V_S5A500C1MM8000/?n_cid=TPRN0003
===============================================================================================================
世界景気、薄曇りに 米中のけん引力弱まる[日経新聞]
米、ドル高が逆風に 中国は住宅不振広がる
2015/5/11 2:00
世界経済をけん引してきた米国と中国の景気に薄曇りの気配が漂い始めた。年内の利上げが現実味を帯びる中、米国は1〜3月期の成長率が急減速した。安定成長を目指す中国は住宅市場の不振などを受け、11日からの追加利下げを決めた。周回遅れで回復してきた欧州は、ギリシャ債務問題の火だねがくすぶる。けん引役の減速が緩やかに回復を続ける日本経済の不安要素になっている。
ニューヨークを代表する高級皮革製品ブランド、コーチの株価が4月28日に一時9%近く急落した。この日発表した1〜3月期の売上高が前年比で15%減ったためだ。海外売上高の減少も足を引っ張ったが、投資家が懸念するのは国内の不振。北米は全世界を上回る24%も落ち込んだ。
米航空最大手アメリカン航空のスコット・カービー社長は「旅客需要は期待ほどではない」と話す。原油安は追い風だが南米からの客が減った。1〜3月期の売上高は前年比2%減。ボーイング新型機の追加投入を2017年以降に延期する。
米国にはドル高の逆風が吹く。ドルの実効為替レート(日経通貨インデックス)は足元で6年ぶりの水準に上昇。「強いドル」の影響で3月の貿易収支は赤字幅が513億ドルに拡大した。
「17年までのホワイトカラーの削減計画を25〜30%へと拡大する」。米プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)のジョン・メラー最高財務責任者(CFO)は売上高減少を受け人員削減を加速すると明かした。原油安は資源企業を直撃し、昨年末以降の解雇者は10万人に達した。
4月の米雇用統計では非農業部門の雇用者数は前月比22万3000人増えた。節目の20万人を超えたが、業種によるばらつきもあり、雇用の本格回復は見極めが必要だ。
1〜3月期の米実質国内総生産(GDP)は年率0.2%増。消費や設備投資が振るわず、昨年10〜12月期の2.2%増から急減速した。
薄雲が出始めた米景気だが、米連邦準備理事会(FRB)は冬場の悪天候や西海岸の港湾ストなど一時的な要因があったとして「緩やかなペースの拡大が続く」とみる。好調な新車販売や所得増は再浮上を示唆する。6月説は後退したとはいえ、市場は9月以降の米利上げを意識する。
世界が注視する米利上げは新興国に試練を与える恐れがある。マネーは逃げ場を探し始めた。
「南米の主要投資先のブラジル景気が悪化し、代わりの投資先を求めている」。アバディーン投信投資顧問の窪田慶太氏は今春、ウルグアイやペルーの投資家を訪ね、こんな情報に接した。大和総研によると、米の成長率が高まらないままで利上げをすると、世界の成長率は0.16%下がる。国際通貨基金(IMF)の予測では15年の世界の成長率は3.5%。影響はじわりと効いてくる。
米国と並ぶ世界経済の先導役だった中国にはブレーキがかかっている。
「昨年後半からの景気の減速傾向が続いている」。中国のマクロ経済運営を統括する国家発展改革委員会の幹部は話す。1〜3月期のGDP成長率は7%。中国当局がめざす「安定成長」が数字でも裏付けられた。
中国に進出した日本企業も減速を感じ取る。広州市内の工場で約1万2000人の従業員を抱える日産自動車は「特に新規雇用を増やす計画はない」。日本メーカーに部品や設備を納入する企業の幹部は「昨秋から仕事量が大幅に減っている」と危機感を強める。
住宅販売の不振を起点とした生産や投資の鈍化が鮮明になり、輸出も勢いを欠く。中国人民銀行(中央銀行)はさらなる景気の下振れを回避するため、昨年11月以降で3回目となる利下げを決めた。経済協力開発機構(OECD)は、中国の内需が2%下がると世界の成長率は0.3%下押しされると試算する。
ユーロ安と原油安の恩恵を受け、ドイツなどの景気が上向き始めた欧州はギリシャ問題が波乱要因としてくすぶる。
政治的な決着に手間取る間にギリシャ政府の資金繰りは一段と厳しくなっている。仏ソシエテ・ジェネラルは「7月に資金不足となる可能性が高い」と指摘する。債務不履行(デフォルト)のリスクを売買する取引では足元でも8割近い確率でデフォルトを織り込む。
米中欧それぞれで強弱双方の要因がせめぎ合う。漂い始めた薄雲が濃くなれば、輸出の下押しなどを通じて日本経済にも影響が及びかねない。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS02H0U_S5A500C1MM8000/?dg=1
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。