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債券相場、計算上は大惨事に見舞われる危険性あり
By RICHARD BARLEY
原文(英語)
2015 年 5 月 11 日 16:55 JST
米経済、原油安が追い風どころか逆風に JOE KLAMAR/Agence France-Presse/Getty Images
債券市場では、高揚感が懸念に置き換わりつつある。債券投資家にすばらしい投資収益をもたらした要因が、そのまま投資収益を痛めつける可能性がある。それは利回りの動向と、それに関連した債券投資の算術的効果だ。
10年物米国債の利回りがわずか3週間で0.2%以上も反発し、ドイツ国債の指標利回りが0.05%から0.50%程度まで急上昇する中で、債券投資家は皆がこの効果に注意する必要がある。
債券利回りが低下して価格が上昇する好調な相場では、長期債が大きく買われる傾向がある。長期債は通常、短期債よりも利回りが高いばかりでなく、債券投資の算術的効果が働き、大きな投資収益をもたらす可能性がある。
米国債の昨年の投資成績を見て欲しい。バークレイズの指数によると、償還年限が5年から10年の債券の投資成績が6.4%だったのに対し、20年超の債券は27.5%だった。この差は「デュレーション」の威力によるものだ。
デュレーションとは、債券価格と利回りの相関的な尺度だ。デュレーションが高い債券は通常、残存年数が長く、利回りの基本的な変化が同じでも、デュレーションが低い債券よりも価格が大きく動く。デュレーションは、投資収益を高める一つの手段とも言える。
残念ながら、同じ理屈は逆向きにも機能する。売り相場では、長期でデュレーションの高い債券が不振になる。金利がこれほど低い中で、債券価格が大きく下がると、数十年分の利回りは吹き飛んでしまう可能性がある。
その一例として、2062年償還のオーストリア国債をみてみよう。4月下旬のピーク時には、その債券価格は額面の220%に跳ね上がり、利回りはわずか0.75%となった。1968年以来の欧州での出来事を振り返り、今後47年間で起こりうることを考えれば、これは異常なほど低い利回りだ。
8日の段階で、この債券の利回りは1%弱上がり1.39%となった。しかし、債券価格は5分の1近く下がり、額面の約182%となった。トレードウェブの資料によると、利回りが0.1%上がるだけで、債券価格は5%下がることになる。投資家は、債券相場は比較的安定的だと考えてきたし、実際に株式相場よりも振れは少なかった。だからこのように敏感な反応は衝撃的なものだろう。
対象的に短期債は、この嵐をうまく切り抜けつつある。それはデュレーションが低いだけでなく、中央銀行が引き続き超低金利政策続けているため、利回りが抑えられているからだ。
例えば、2年物ドイツ国債の利回りは、マイナス0.27%からマイナス0.21%に上がったが、価格は額面の100.5%から100.4%にやや下がったにすぎない。さらに、短期債価格のゆがみは、「パー回帰」と呼ばれる現象でいずれ解消する。つまり、満期が迫るにつれて、債券価格は額面に近づく。
だが、デュレーションは残存年限にだけ関連しているのではなく、その債券が支払う利札(クーポン)にもつながっている。一般的にクーポンが高く利回りの高い債券ほど、ディレーションは低い。高クーポンの債券ほど、保有期間中に利払いとして回収する額が大きいので、償還時点での総投資収益は少なくなるためだ。反対に、低クーポン債ほど、償還時の価値は高くなる。
金利がこれほど低いので、各国政府や企業は超低クーポンの債券を発行してきた。このためデュレーションが高まり、これらの債券はリスクが高くなった。このため、中央銀行がより正常な水準に向けて金利を戻し始める場合、債券投資家は特に打撃を受けやすくなるだろう。
量的緩和をめぐる高揚感は当初、債券価格を大気圏外まで押し上げた。中央銀行がアクセルから足を外し地表に向けて落下すると、大きな痛手になるだろう。ただし、これは計算上のことにすぎない。https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0CB4QqQIwAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB11967417060534283459204580634103568177026&ei=MLxQVe-nB6W2mAXqgYHgDg&usg=AFQjCNHe0g-LEFE7CFKB7NG5mP7oMJTuuQ&bvm=bv.92885102,d.dGY
米経済、原油安が追い風どころか逆風に
By JUSTIN LAHART
原文(英語)
2015 年 5 月 11 日 16:28 JST
米経済、原油安が追い風どころか逆風に Associated Press
原油価格の下落は今年の米国経済の追い風となるはずだった。今のところ、それはむしろ逆風となっているようだ。
原油安が米国経済の成長を後押しするという理論の根拠は単純だ。シェールオイルブームで国内生産が拡大したとはいえ、米国は依然として原油の純輸入国である。原油価格が下がると、米国の消費者や企業は海外生産品に対する支出を減らし、国内生産品に対する支出を増やす。それで国内総生産(GDP)が増大するというわけだ。
ところが、1-3月期のGDP成長率は年率換算でわずか0.2%だった。しかも、この数値は下方修正される可能性が高い。こうした景気の減速には厳冬や西海岸の港湾労働争議の影響もあるが、4-6月期の経済成長も低調に見える。米調査会社マクロエコノミック・アドバイザーズは今年のGDP成長率が2.2%にとどまると見込んでいる。
このことは景気の基調的な弱さを物語っており、原油安が少なくともその一因となっている。というのも、倉庫や発電所を含む非居住用建造物への民間投資の落ち込みがなければ、1-3月期のGDP成長率は0.75%高かったはずだからだ。
この落ち込みの半分以上は油井・ガス井やその探査への支出である。1-3月期の資本設備への投資は実質的に横ばいだったが、鉱山・油田機械の購入減少がなければ、増加していたはずだ。しかもこうしたカテゴリーには、石油業界が手控えたその他の設備投資(トラックやコンピューターなど)は含まれていない。
ガソリンなど燃料支出が税引き後所得に占める割合(出所:米商務省)
石油業界の投資の落ち込みは4-6月期も続く見通しだ。米国で稼働中の掘削設備(リグ)数は1-3月期末から15%減少している。
この間、石油業界で働く多くの人々がレイオフされ、残った従業員の多くも神経質になっているはずだ。米油田開発サービス大手ハリバートンは過去2四半期に9000人の人員削減を行ったが、その数はまだ増えそうだ。油田サービス世界最大手の米シュルンベルジェは昨年末に9000人の従業員を解雇したが、4-6月期にも1万1000人のレイオフを計画している。こうしたことは、人々の消費意欲を大いにそぐ可能性がある。
確かに、原油・天然ガス採取業がGDPに占める割合は約2%で、全雇用者数に占める割合は0.1%でしかない。掘削装置を製造する会社、油田の近くにあるバーのバーテンなど、間接的な影響を積み重ねていったとしても、経済全体に占める割合はごくわずかである。しかし、原油価格下落に対する否定的な反応は迅速だった。一方でその恩恵が現れるのにはまだ時間がかかるかもしれない。
例えば、消費者はガソリンスタンドで節約した分をまだあまり使っていない。米商務省によると、米国人の税引き後所得に占めるガソリン購入額の割合は、昨年のピークは6月の2.9%だったが、今年3月は2%となった。ところが、節約分の全てが別の品目の購入に充てられたわけではない。これまでに未消費で蓄積されてきた節約分は500億ドル(季節調整済み)に達している。
いずれは消費者も燃料費の節約分をもっと消費に回すようになるだろう。同じことが企業にも言える。それでも投資家は、その恩恵がすぐにパイプラインから流れてくると期待してはいけない。https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0CB4QFjAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB11967417060534283459204580634070227795424&ei=77tQVb6bBOS1mwXvqoDwDQ&usg=AFQjCNGJanogCqw6f96u7_DXPRJt8bKXOA&bvm=bv.92885102,d.dGY
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