http://www.asyura2.com/15/hasan96/msg/373.html
Tweet |
eader id="articleHd" class="rics-column">
★阿修羅♪ > 経世済民96 > 373.html ★阿修羅♪ |
|
Tweet |
eader id="articleHd" class="rics-column">
家族そろってハマってたNHK朝の連ドラ「あまちゃん」では、とりわけ有村架純さんのことを長女が注目してたので、その動向は気になるところだったりします。で、いま有村架純さん主演の映画「ビリギャル」がヒットしていて、映画の元ネタにあたる『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』(坪田信貴著、KADOKAWA/アスキー・メディアワークス)や、『ダメ親と呼ばれても学年ビリの3人の子を信じてどん底家族を再生させた母の話』(ああちゃん著、さやか(ビリギャル)著、KADOKAWA/アスキー・メディアワークス)の書籍もベストセラーになってるとのこと。しかし、「【支出】ビリギャルとトップギャル 親の学費はどう違う? 映画放映開始にあたり計算してみた。」の指摘を見ると、やはり、「子どもの貧困」問題との関連を紹介しておきたくなります。
「【支出】ビリギャルとトップギャル 親の学費はどう違う? 映画放映開始にあたり計算してみた。」の指摘が正しいとすると、「中学校と高等学校の合計で335.2万円」「2年間の学習塾240万円」「慶応大学の学費548.5万円」で、ビリギャルの中学から大学までの学費と塾費用の合計は1,235万7千円になります。
上のグラフは、文部科学省「子供の学習費調査」(2012年度)による幼稚園3歳から高校3年生までの15年間の学習費総額です。すべて公立に通った場合では約500万円、すべて私立に通った場合では約1,677万円で、最も支出額が多いケースは、最も支出額が少ないケースの約3.36倍にもなっています。ビリギャルの「2年間の学習塾240万円」というのも貧困状態にある世帯ではとても負担できるものではありませんが、そもそも私立の学費自体も貧困世帯では負担できません。
この「社会経済的格差」と「学力」と「子どもの努力」がどういう関係にあるのかについて、内閣府「第2回子どもの貧困対策に関する検討会」(2014年5月1日)で、耳塚寛明お茶の水女子大学理事・副学長が「全国学力・学習状況調査(きめ細かい調査)の結果を活用した学力に影響を与える要因分析に関する調査研究」という報告をしています。この報告では、「家庭の社会経済的背景」(SES)という概念が使われていて、これは保護者に対する調査結果から、家庭所得、父親学歴、母親学歴の3つの変数を合成した指標で、当該指標を4等分し、Highest SES、Upper middle SES、Lower middle SES、Lowest SESに分割して分析しています。
この報告の結論をざっくりまとめると、学習時間(=子どもの努力)が学力に与える影響としてはポジティブな効果がどの「家庭の社会経済的背景」の子どもであっても、学習時間(=子どもの努力)が多いほど高い学力になっているけれど、学習時間(=子どもの努力)の効果は限定的で、「家庭の社会経済的背景」がLowest SESの子どもが毎日「3時間以上」勉強して獲得する学力の平均値は、Highest SESで「全く勉強しない」子どもの学力の平均値よりも低くなることから、「家庭の社会経済的背景」の不利を学習時間(=子どもの努力)で克服することは難しいということです。(▼下のグラフ参照)
さらにざっくり言うと、貧困状態に置かれている子どもはいくら努力しても、私立学校に通えたり、2年間で学習塾に240万円も支出できる状態にあるような子どもの学力に追いつくことは難しいということです。スタート地点が違い過ぎるということです。このことは、「親の年収多いほど高い学力」と文部科学省が分析していることとも符号しています。
最近、タレントの方が、「私達夫婦は、親の用意してきた道を歩んできたのではなく、学歴をつかみとってきたという誇りがある。努力の証明書として学歴がある」と発言しネットでも話題になっています。それに対して、赤木智弘さんが「努力という言葉に見る日本の落日」として次のように指摘しています。
この赤木智弘さんの指摘に同感です。上記の文部科学省の客観データも示すように、本人の努力すら親の年収に左右されるわけですから、高収入の人を努力した人と単純に讃え、低収入の人を努力しない人と単純に蔑むという、よく見られる「自己責任論」は客観的事実として間違っているわけです。それから、奨学金問題対策全国会議共同代表の大内裕和中京大学教授はツイートで次のように指摘しています。
それから、以前、私がブログで紹介している阿部彩さんの指摘です。
阿部彩さんは、2008年に「子どもの最低限の生活水準」についてのアンケート調査を実施。1800人を対象に、「現在の日本の社会においてすべての子どもに与えられるべきもの」について聞いたところ、いま全世帯の高校進学率は97.5%に達しているのに、アンケート結果では、「希望するすべての子どもが高校に行けるべき」と答えた人は61.5%、「希望するすべての子どもが大学に行けるべき」と答えた人は42.8%しかなかったのです。
このアンケート結果について、阿部彩さんは、次のようにコメントしています。「子どもが希望したとしても、親が貧困なら、高校にも大学にも行けなくても仕方がない――このような最低限の生活水準に対する貧しい価値観であるというのが残念ながら日本の現状といえます。これは、『貧困は自己責任』とする考え方が、親のみならず、その子どもにまで浸食しているといえるのかもしれません。こうした状況で、『教育の平等』や『機会の平等』を訴えても、支持されないはずです。しかし、『教育の平等』『機会の平等』が支持されない社会とは、どのような社会でしょうか。不利な状況を背負って生まれてきた子どもたちが、そのハンディを乗り越える機会を与えられない社会とは、どんな社会でしょうか。自らが属する社会の『最低限の生活』を低くしか設定せず、向上させようと意識しないことは、次から次へと連鎖する『下方に向けての貧困スパイラル』を加速させ、結局、社会全体の活力や生活レベルを下げていくことにつながります。私たちは、まず、この貧しい価値観、この貧しい“『子どもの貧困』を見る目”を改善しなければなりません。『子どもの貧困』に対する政治の無自覚は、じつは社会の無関心、私たちの無関心の裏返しでもあるのですから」
以上のような指摘にあるように、「ビリギャル」がヒットする日本社会の一面として、いまだに6人に1人にのぼる子どもの貧困が日本を蝕んでいることには無自覚でありつづけ、「貧困は自己責任」「学歴も自己責任」「努力しない人間がダメなのだ」というディストピア的「努力主義」の根強さがあるのだと思います。「ビリギャル」の「ダメな人間などいない。ただ、ダメな指導者がいるだけ」という言葉は印象的だ。――とのことですが、「ダメな人間などいない」ということに本当の意味で共感するのなら、「駅前トイレで寝泊まりするトリプルワークの女子高生らの貧困を深刻化させ格差拡大し経済成長損なう安倍政権」「自販機の裏で暖を取り眠る子ども、車上生活のすえ座席でミイラ化し消えた子どもたちの声が届かない日本社会」を改善するために「子どもの貧困」を根絶することにも共感を寄せて欲しいと思います。
最後に、以前、紹介した大内裕和中京大学教授と、田端博邦東京大学名誉教授の指摘を紹介しておきます。
戦後経済成長を支えてきた「努力すれば何とかなる」という努力主義が、努力しようと思ってもできない「不平等」や「不公正」を見えなくさせている。努力することは確かに美徳だ。しかしそれが努力を支える条件への視点を欠落させた「努力主義」となった時、新自由主義の「自己責任」を無批判に受容するイデオロギーとなってしまう。
北欧をはじめとするヨーロッパでは、大学の授業料が無料というだけでなく、大学生に生活費が支給されます。つまり、大学に行きたい人は誰でも生活が保障されて通学することができるのです。
ところが、日本などの「自己責任社会」では、教育費はプライベートに負担する考え方が支配的で、とりわけ高額な授業料となっている日本の大学教育においては自己責任が貫徹しています。教育費が私的に負担される「自己責任社会」では、私的負担の教育費は個人がそれによって将来の利益を得るためだけの投資と考えられ、それで獲得した知識や能力は、個人の利益を追求するためだけに使われるべきものと考えられることが多くならざるをえません。その教育費を負担することができない個人は、そうした利益を得ることができませんが、投資をしていないのだからやむをえないという考えが基本的になってしまいます。
逆にヨーロッパなどの「社会的責任社会」「連帯社会」では、教育の機会が親の経済的地位で左右されるのではなく、社会の構成メンバーの経済的能力を高めるためにみんなで支え合う公的な教育を提供する必要があるとベースで考えています。「社会的責任社会」「連帯社会」では、教育への投資は、個人の「自己責任」ではなく、「社会の責任」ですから、教育の成果は、個人の利益だけに還元されるべきものではなく、社会に還元されるべきものとなります。ヨーロッパでは、大学まで含む教育全体が公共サービスと考えられているのです。
私は「自己責任社会」と「社会的責任社会」「連帯社会」の大きな違いが、この教育に対する考え方にあるように思えるのです。教育を提供する社会の考え方と、教育を受ける個人の考え方は、相互に強め合う関係になるのではないでしょうか。教育を自己責任にしないで社会の責任として提供する社会には、社会的な意識の高い個人が生み出され、そうした個人が構成する社会はさらに強い「社会的責任社会」「連帯社会」を生み出していき、まったく逆の流れで、教育を自己責任とする社会では、さらに強い「自己責任社会」が生み出されてしまうことになると考えられるかもしれません。
(田端博邦東京大学名誉教授談、文責=井上伸) eader id="articleHd" class="rics-column">
【支出】ビリギャルとトップギャル 親の学費はどう違う? 映画放映開始にあたり計算してみた。
ビリギャルの人気はすさまじいですね。
今週末に映画も上映も開始されてます。(映画サイト)それに先立ってビリギャルのお金の事情をみてみましょう。
そのビリギャルの進学状況を見て、ビリギャルになるコスト、親の負担という目から、シミュレーションしてみました。仮にトップギャルは慶応の幼稚舎から
わかってきたのはビリギャルの人生は将来明るいものになること、これは間違いなし。
しかし、ビリギャルって意外と・・・・
(イメージ:学校の授業中は塾のために寝ていたそうです。)
公立高校でぐれていたわけではなく、ビリギャルはなんとお嬢様学校に通っていらっしゃいました。
中→高→大学をエスカレータ式の私立高校の金城学院中学校・高等学校。名古屋では有名なお嬢様学校で、偏差値は60を超えている名門女子中高です。
そこで掛け算も、歴史も、なにも勉強しておらず、個別対応の学習塾の先生(平井塾)と出会って著しい成長を遂げる物語です。
慶応大学の学部は慶應義塾大学 総合政策学部 ⇒ 過去問を見てみたい人はクリック(日経の過去問のサイトで内容を見ることができます。)
小論文の過去問を見てみました。
以下の問題をデータ収集・解析方法とともに論じるなどと言うものがあるようです。(参考までに)
いずれも今の社会問題を扱っており、社会人でも難しいものです。
【お知らせ】気になるニュースをお届けしますシミュライズ《無料》
日常生活から、就職、婚活、買物、教育など人生のさまざまなライフイベントについて
周りに溢れるお金の情報を整理しご提供
入学試験の科目は英語と小論文 英語の能力がガーン!とアップしないと受からないですね。小論文も書き方をしっかりと学ばないといけないですが。
経済学部、商学部、文学部、総合政策学部を受験して、総合政策学部に見事合格でしたが、他の3つは不合格。
慶應義塾大学総合政策学部教授には 竹中平蔵氏(兼慶應義塾大学アカデミーヒルズ理事長)などもいて、ビジネスを始めるには大変おもしろそうな学部です。
湘南藤沢キャンパスアルファ館(本館)
さて本題の学費についてみてみました。ビリギャルはすごい学費がかかっていたのでしょうか?見てみましょう。
金城学院中学校・高等学校の毎年の学費をまとめてみました。中学校と高等学校の合計で335.2万円となっています。
金城学院には小学校はなく、幼稚園が付属であるようです。
【6年間の学費】
学年 | 授業料 | 諸経費 | 合計 | 合計 | |
金城学院中学 |
中学1年 | 486,000 | 45,600 | 531,600 | 1,671,000 |
中学2年 | 486,000 | 120,700 | 606,700 | ||
中学3年 | 486,000 | 46,700 | 532,700 | ||
金城学院高校 | 高校1年 | 486,000 | 62,700 | 548,700 | 1,681,100 |
高校2年 | 486,000 | 119,200 | 605,200 | ||
高校3年 | 486,000 | 41,200 | 527,200 |
小学校はないので、公立の小学校か、私立の小学校に行くかでかなり違いますが、今回は中学、高校、大学で比較します。
詳細な内訳は以下のようになっています。
【入学金・授業料等】
(出典:金城学院ホームページより)
入学金 | 生徒会入会金 | PTA入会金 | 同窓会入会金 |
190,000円 | 500円 | 1,000円 | 10,000円 |
<月額>
授業料 | 施設・設備費 | 生徒会費 | PTA会費 |
33,500円 | 6,000円 | 300円 | 700円 |
入学時の納入金を除いた年額(授業料、施設・設備費、生徒会費、PTA会費の合計)は486,000円
但し、月額の学費(授業料、施設・設備費、生徒会費、PTA会費)については3ヶ月ごとにまとめて納入。
【授業料以外でかかる費用】
2011年度の諸雑費(年間)については以下のとおりです。
諸雑費は家庭科の実習費や理科の実験費、テキスト代、遠足・鑑賞会など費用が含まれます。(但し、年によって若干変わることもあります。)
中学1年 | 中学2年 | 中学3年 | 高校1年 | 高校2年 | 高校3年 |
45,600円 | 120,700円 | 46,700円 | 62,700円 | 119,200円 | 41,200円 |
【お知らせ】気になるニュースをお届けしますシミュライズ《無料》
日常生活から、就職、婚活、買物、教育など人生のさまざまなライフイベントについて
周りに溢れるお金の情報を整理しご提供
また学習塾は坪田塾で高校2年時から通っていたらしい。
坪田塾は子ども別で個別指導をとっている。
ホームページ上では
高校1年生・中学生で週2回、1回2時間(つまり週4時間)のケースですと、33000円(税別)。
よって、1時間当たり2000円程度。
この塾は格別高いわけではないので、通常の教育費であるが、
たとえば高校2年生で中学校レベルまで戻ってだと、週に12時間(2時間*6回)で月50時間で10万円ほどかかっていたのではないでしょうか?
10万円/月を2年間で240万円になります。
これはでかい!ビリギャルやっぱりお金持ち!!
慶應義塾大学総合政策学部の学費は以下のようになります。
ビリギャルも受かってからの学費は大変だったはずです。
中学・高校の6年間をはるかに凌ぐ548.5万円となっています。
【大学4年間の費用】
学年 | 授業料 | 諸経費 | 合計 | 合計 |
大学1年生 | 980,000 | 341,350 | 1,521,350 | 5,485,400 |
大学2年生 | 980,000 | 341,350 | 1,321,350 | |
大学3年生 | 980,000 | 341,350 | 1,321,350 | |
大学4年生 | 980,000 | 341,350 | 1,321,350 |
内訳は以下のようになっています。
分類 | 項目 | 金額 |
学費 | 入学金 | 200,000 |
在籍基本料 | 60,000 | |
授業料 | 980,000 | |
施設設備費 | 270,000 | |
実験実習費 | 0 | |
その他の費用 | - | 11,350 |
初年度納付金合計 | - | 1,521,350 |
在学生納付金合計 | - | 1,321,250 |
タウ館(大学院棟)
これに寮生活、賃貸アパートの費用や食費等を合わせるとさらに年間200万円程度の仕送りが必要になります。
(遊びの費用はそれほど都会ではなくので良いかもしれませんね。ビリギャルは満足したのかな?)
慶応に幼稚舎から通う費用は以下のようになっています。
総額2,094万円
になっています。下宿や寮の費用、食費、交通費は含まれません。小学校の受験に必要な金額だけ足してあります。
ビリギャルの中高一貫校での費用が335万
に対し、
トップギャル中高一貫校での費用が643万
と金額がかなり開いている。というか2倍近いのが目立つ。さらに幼稚舎(小学校)がさらに高く、大学を上回り752万円というのがさらに驚きだ。
【慶應義塾大学】
・ 幼稚園時に小学校受験教室に通う想定。1年〜1年半程度で150万円の費用を想定
・ 慶應義塾幼稚舎から中等部、高等学校と進学し、そのまま慶應大学経済学部へ入学
区分 |
期間 |
費用(万円) |
小学校受験教室(想定) |
- |
150 |
慶應義塾幼稚舎 |
6年間 |
752 |
慶應義塾中等部 |
3年間 |
340 |
慶應義塾高等学校 |
3年間 |
303 |
慶應義塾大学総合政策学部 |
4年間 |
549 |
合計 |
2,094 |
大学の費用は一緒なので、ビリギャルの愛する両親への負担は中高の学費の高いトップギャルほどではなく、ぐれていたことへの親への精神的な負担だけがすこし大きめだったようだ。