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108兆円が流入し需給にミスマッチ−米TBがマイナス利回り
2015/05/11 15:33 JST
(ブルームバーグ):このところの一斉売りが不安を呼んだ中・長期債市場とは逆に、米財務省短期証券(TB)には大量の資金が流入して品不足状態になっている。
先週は財務省が発行高引き上げを突然発表したにもかかわらず、利回りは一時的にしか上昇しなかった。過去2週間に、TBの一部はマイナス 利回りとなり金融危機以来の低水準に達した。
供給が数十年来の低水準 にある中で、マネー・マーケット・ファンド(MMF)の安全性を高めるための規則がTBの品不足を助長する懸念が投資家から出ている。JPモルガン・チェースは向こう1年半に9000億ドル(約108兆円)が1兆4000億ドル規模のTB市場に流入するとみている。
JPモルガンの米金利戦略責任者、アレックス・ローバー氏は「流動性が高く安全な資産を求めるマネーが供給を圧倒的に上回っている」と述べた。
低金利の中で財務省が長期の調達に傾いていることによる供給減に加えて、MMFをめぐる新規則に対応するため運用会社が民間企業の短期証券からTBに投資先を変更していることが需給逼迫(ひっぱく)を悪化させている。
需給ミスマッチを反映して4週間物 のTB利回りは4月29日にマイナス0.0304%となった。これは終値ベースの2008年12月以来の最低。3カ月物もマイナス利回りになり、財務省は5月6日の四半期借り換え計画で発行高を増やすと発表した。一部の短期金利は一時これに反応したものの、8日には4週間物利回りは0に戻っていた。
こうした状況の中では米金融当局が利上げを開始した後もMMF投資家のリターンは向上しにくく、米国の貯蓄者は報われないことになる。
原題:The $900 Billion Influx That’s Wreaking Havoc in Treasury Bills(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:ニューヨーク Liz Capo McCormick emccormick7@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先: Dave Liedtka dliedtka@bloomberg.net Michael Tsang, Garfield Reynolds
更新日時: 2015/05/11 15:33 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NO68ZV6KLVRB01.html
日本株続伸、米雇用統計と中国利下げで広く上昇−東芝は急落
2015/05/11 15:47 JST
(ブルームバーグ):11日の東京株式相場は続伸。米国雇用統計の回復や中国の利下げで投資家のリスク回避姿勢が後退し、電機や商社、非鉄金属など海外景気敏感業種のほか、小売や情報・通信など内需株も高い。今期は最終黒字転換を見込むJXホールディングスなど石油株も上昇。半面、不適切会計で決算を先送りする東芝 はストップ安。
TOPIX は前週末比10.57ポイント(0.7%)高の1598.33、日経平均株価 は241円72銭(1.3%)高の1万9620円91銭。
りそな銀行の黒瀬浩一チーフ・マーケット・ストラテジストは、世界的な調整が一時見られたが、「原油が上がり続けるわけではなく、金利も落ち着き、株価の下落がいったん止まった。そこに中国の利下げの影響も加わった」とみる。
米労働省が8日に発表した4月の雇用統計によると、非農業部門雇用者数は前月比22万3000人増加した。速報値で12万6000人増だった前月は8万5000人増に修正され、2012年6月以来の低水準となった。家計調査に基づく失業率は5.4%と、08年5月来の最低水準だった。
雇用統計の内容を好感した同日の米国株は、ダウ工業株30種平均が200ドル以上上げるなど主要3指数が1%以上上昇。欧州株も、ストックス欧州600指数が2.9%高、ドイツDAX指数が2.7%高と大幅高となった。投資家の恐怖心理を示すシカゴ・ボラティリティ指数(VIX )は、15%低下の12.86に下がった。
三井住友信託銀行の瀬良礼子マーケット・ストラテジストは、米雇用統計は「悪くない数字だが、利上げができるほど強いわけでもなかった」とし、中国の利下げ実施も含め「今の株式は金融相場だ。そうした中、為替が安定しているのもプラス」との認識を示した。
中国人民銀行(中央銀行)は10日、経済支援強化のため、11日から政策金利である貸出基準金利(1年物)を0.25ポイント下げ5.1%、預金基準金利(同)を0.25ポイント下げ2.25%にすると発表した。りそな銀の黒瀬氏は、「市場センチメントを崩さないための意思表示。実体経済がゆっくり減速している状況は変わらず、それを加速させない程度のセンチメントの下支えで十分」と言う。
日経平均一時300円高、東芝やシャープは急落
米雇用統計の改善や欧米株高、中国の利下げと海外市場の動きを好感し、週明けの日本株は朝方から幅広い業種に買いが優勢。日経平均の上げ幅は一時300円に達した。みずほ証券の倉持靖彦投資情報部長は、株価の戻り歩調の要因として企業業績の堅調さを指摘。「日本の16年3月期決算も今の段階では経常ベースで1割を上回るとの見方で、日銀短観で示されたものよりだいぶましだ」と話していた。
きょうのドル・円相場はおおむね1ドル=119円70−90銭台と、前週末の日本株市場の終値時点119円96銭に対し落ち着いて推移した。
東証1部33業種は石油・石炭製品、卸売、倉庫・運輸、非鉄、証券・商品先物取引、小売、通信など30業種が上昇。精密機器、保険、銀行の3業種は下落。東証1部の売買高は28億9377万株、売買代金は2兆8468億円。値上がり銘柄数は1309、値下がり460。
売買代金上位では、今期の連結営業利益計画が市場予想を上回ったミネベアが急伸。東京エレクトロンや野村ホールディングス、村田製作所、三菱商事、三井金属、東ソーも高い。半面、不適切会計問題で前期業績計画を未定に変更した東芝はストップ安。優先株発行や減資を含めたさまざまな資本政策を検討していることを明らかにしたシャープも急落し、テルモやナブテスコも売られた。
記事についての記者への問い合わせ先:東京 竹生悠子 ytakeo2@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先: Sarah McDonald smcdonald23@bloomberg.net 院去信太郎
更新日時: 2015/05/11 15:47 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NO5OBQ6TTDS101.html
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