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中国語の看板で中国人観光客を大々的に出迎える東京・秋葉原の家電量販店
中国人はここまで「面子」を重んじる! 日本土産を買う際の最も大切な判断基準
http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20150511-00043720-biz_jbp_j-nb&ref=rank
JBpress 2015/5/11 12:04 宮田 将士
日本を訪れる中国人の勢いは衰えるところを知らず、中国の連休、清明節(4月3日〜5日)、労働節(5月1日〜3日)は、花見やショッピングを楽しむ中国人で日本各地がごった返しました。
中国のメディア報道でも、「日本経済新聞」の報道を引用する形で、3月15日から4月15日までの1カ月間で日本を訪れる中国人は35万人(2014年の倍)、日本滞在期間中に消費される金額は70億元(約1400億円)にも達したと紹介されています。
・中国游客疯狂去日本看樱花:一个月花费70亿
(中国人観光客、日本に大挙押し寄せてお花見:1カ月で70億元を消費)
連休のたびに1000億円以上を消費する、まさに「爆買い」ですが、今後もしばらく勢いが収まりそうありません。
前回(「中国人はなぜ日本の炊飯器を愛してやまないのか」)は中国人の日本製品購入の3つのポイント「品質、面子、贈り物」のうち、日本人とは異なる「品質」の考え方について紹介し、なぜ中国人が日本製品を買うのかを明らかにしました。第4回目の今回は、ふたつ目のポイントであり、中国人の行動を理解する上で最も重要な「面子」について説明し、なぜ中国人があんなに大量に買うのかを明らかにしたいと思います。
■中国人の行動指針「面子」から爆買いを理解する
第2回目の記事(「中国人旅行者は日本みやげをこう選ぶ」)で面子について少し説明しましたが、それだけでは十分ではありません。「面子(ミエンズ:mian zi)」とは中国人が物事を決定するうえで最も重要視している行動指針であり、「有面子(ヨウ ミエンズ:you mian zi)」(=面子が立つ)かどうかが最も大切な判断基準になります。
面子と爆買いの関係図日本旅行を宣言した以上、両親やそれぞれの友人の面子も立てないといけない。相手の面子を立てるためにはお土産が必要。その結果、お土産は自然と大量になる(筆者作成)
例えば、今、自分が中国人張さん(仮名)になり、奥さんと夫婦2人で日本へ旅行することになったと仮定してみましょう。当然ながら、自分の両親、奥さんの両親、自分の友人、同僚等に自分が旅行で日本へ行くことを知らせます。
この時点で、張さん個人は既に面子が立った(有面子)ことなります。なぜなら張さんは両親や友人、同僚等に自分が夫婦2人で日本へ行けるほどの経済力があるという点を自慢できているからです。これは張さんの奥さんも同様で、奥さんの面子も立っています。
さらに張さん夫婦の両親はどうでしょうか、これは「自分たちの子供は日本へ旅行することができるくらい経済力がある」という自慢ができることで本人たちほどではないにしても一応の面子は立ちます。
では、張さんの友人や同僚にまで広げてみるとどうなるでしょうか。自分の友人が日本へ行けるほど経済力があるという話は、自分の自慢にはなりにくいですし、むしろ若干の嫉妬を覚えることのほうが多いと思います。
■相手の面子も立ててバランスを取る
中国人の面子は単に自分だけのひとりよがりな自慢ではありません。面子の重要な点として、自分の面子が立った分、そのバランスを取る形で、相手の面子も立てることが必須だということがあります。
つまり、先ほどの張さんの例でみてみると、自分たちの面子が立った分、両親や友人の面子も立ててあげる必要があるということです。自分の面子が立った分、相手の面子(ここでは両親や友人、同僚等)も立てなければ、中国では人付き合いが成り立ちません。そしてそのための解決方法が、日本での爆買いとおおいに関係があるのです。
張さんは回りに日本へ旅行すると自慢して、自分の面子を満足させた分、両親や友人、同僚の面子も立てて帳尻を合わせなければなりません。張さんと奥さんの両親、親戚、友人、同僚等の面子を立てるために日本のお土産を購入するとなると、相当な数のお土産が必要になります。例えば冷却ジェルシートを買うにしても1〜2パックでは足りず、1〜2ケースと箱買いする必要があります。
訪日中国人が日本で医薬品や化粧品を箱買いし、そんなに買ってどうするんだ? というくらい家電製品を大量購入しているのも、多くはそうした面子の帳尻合わせのための買い物であることが多いのです。
中国人の大量のお土産購入を、楽しみではなく、中国の社会の中で人付き合いをしていくための義務と捉えてみると(中国語では「做人的道理(zuo ren de daoli)」といいます)、彼らのお土産選びの真剣さにも納得がいくかもしれません。
【まとめ】
1.面子は中国人の最も重要な行動指針
2.自分の面子だけでなく、相手の面子も立てる必要がある
3.日本旅行で自分の面子を満足させた後はお土産で相手の面子も立てる必要
があるので、お土産の購入量は自然に大量になる
■筆者が購入したお土産の例
私は中国の女性と結婚して中国に住んでいるので、日本へ旅行した際にはたくさんのお土産を購入します。私が日本人であるため、奥さんの両親や友人へのお土産だけになりますから、一般的な中国の方よりは量は少なくなりますが、それでもかなりの点数です。実際、前回の春節(旧正月)期間中に家族で日本へ里帰りした際にお土産用に購入した商品をリストにしてみると、以下のようになります。
「中国人が春節の日本旅行中に買ったモノ」ランキング(※)購入したことを中国のソーシャルメディアに書き込んでいたものをカウントして筆者が作成(※)商品として目立ったものは独立してカウント
・炊飯器 1台
・炊飯器用変圧器 1台
・魔法瓶 2本
・お菓子(スナック菓子、キャンディー等合わせて合計25点)
・歌舞伎顔フェイスパック25パック
・日本製低刺激シャンプー4本
・セラミック包丁2本
・日本製有名ブランド乳液 6本
・冷却ジェルシート 5箱
・虫除けスプレー 2本
・子供用飲み風邪シロップ 2本
・ワンピース原画集 2冊
これでスーツケースがひとつ埋まるくらいの量になりますから、夫婦ともに中国人で旅行した場合、さらには家族で旅行した場合にはお土産を入れるためのスーツケースだけで3つから4つは必要になるのも普通です。
私は日本人なので、奥さんの友人も遠慮するかと思いきや、全くの逆で日本人ということで向こうの要求レベルも逆に高く、普通の中国人では探すのが難しいようなモノを頼まれることもよくあります。
「面子は双方のバランス」だと理解している中国人は、相手に何かを頼む場合もあまり遠慮せず、本当に欲しいものをかなり具体的に頼んできます。日本で爆買いしている中国人は、こうした頼まれモノを必死になって探しているのです。
■ランキングを通して見る面子のためのお土産選び
下のグラフは以前にも紹介した、2015年春節(旧正月)期間の日本での購入お土産のランキングですが、各商品を面子のためのお土産という視点から分析してみたいと思います。
人気のお土産と面子の関係図容量や価格等によって、想定されるプレゼントの相手が異なる。面子はその判断基準にもなる(筆者作成)
2強の医薬品、化粧品は面子のためのお土産という視点からみても最高の商品であることが分かります。まずほとんどの商品は日本でしか売られていないとう点で既に相手の面子を立てることが可能になります。また、容量が小さいものが多いので大量購入が可能ですし、小分けにできるのでたくさんの人に分けてプレゼントすることもできます。
自分で使うために購入することもできる、日本でしか売られていないので両親や友人にプレゼントすれば相手の面子も立てられる、容量が小さいので大量に買うことができる。医薬品、化粧品は三拍子そろった最強の面子お土産なのです。
では、中国人の日本土産“四宝”(「中国人はなぜ日本の炊飯器を愛してやまないのか」)と呼ばれている温水洗浄便座、炊飯器、魔法瓶、セラミック包丁はどうでしょうか。
温水洗浄便座や炊飯器は大きいので大量購入が困難ですが、逆にそれを買って買えると相手も感動しておおいに面子が立つということもあり、両親や親戚、親しい友人へのプレンゼントに使われることが多いようです。反対に魔法瓶やセラミック包丁は値段も安く、医薬品や化粧品ほどではないにしても容量が小さいため、複数購入ができますから、友人や同僚へのお土産として人気があります。
このように中国人は、日本で爆買いをする際も、自分用、プレゼント用、さらにプレゼント用の中でも、両親・親戚向け、親しい友人向け、友人・同僚向けと区別しながら、購入する製品を選択しています。そしてその選択基準が、上で説明したような自分の面子と相手の面子のバランスを取るという点にあるのです。この面子の帳尻合わせ消費の構造を理解することは、訪日中国人へのアプローチを考える上で非常に大きなヒントかつポイントになります。
今回は、中国人の日本製品購入の3つのポイントとして「品質、面子、贈り物」のうち第2のポイント「面子」について詳しく紹介しました。次回は第3のポイント、「贈り物」について、より詳しく紹介したいと思います。
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