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警戒以前の大桶谷(C)日刊ゲンダイ
地元は大打撃 箱根山噴火警戒“風評被害”で吹き飛ぶ数十億円
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/159606
2015年5月9日 日刊ゲンダイ
「噴火より風評被害の方が心配です」
噴火警戒レベルが1から2に引き上げられた神奈川・箱根山の地元観光業界からは、そんな本音も聞こえてくる。実際、箱根の一部宿泊施設では数十〜100件近い予約のキャンセルが出始めているという。
「2001年6月に箱根山で群発地震が発生した時は、前年同月比で5%ほど観光客が減っています。箱根・湯河原地区の観光消費額は例年1000億円前後ですから、5%減でも大打撃ですよ。それでなくても箱根山で警戒レベルが2になるのは初めて。これから先、客足がもっと遠のく恐れがあります」(地元関係者)
気象庁は警戒レベルの引き上げについて、「これまでとは明らかに違う事態」「どれぐらいで沈静化するか分からない」などと説明。長期化も示唆しているだけに、“被害額”は数十億円に上る可能性もある。
「GW前の4月に噴火警報が出た東北の蔵王山周辺では、宿泊客が半分にまで減って廃業を決めた老舗ホテルもあるそうです。その点、GW最終日に警戒レベルを引き上げられた箱根山は気象庁に配慮されたフシもありますが、いずれにせよ観光産業に与える影響は大です」(経済ジャーナリストの岩波拓哉氏)
■関連銘柄の株価も下落
箱根山の噴火警戒は、関連銘柄にも影を落としている。箱根小涌園を運営する「藤田観光」の7日の株価は、前営業日比8.49%減の431円。箱根湯本までロマンスカーを運行する「小田急電鉄」も同2.97%減の1142円。それぞれ1日で、48億円と257億円が吹き飛んだ計算になる。
それだけに地元観光業界も必死だ。
箱根温泉旅館協同組合の鈴木茂男理事長もきのうの会見で「立ち入り規制エリアは噴煙地を中心に半径約300メートルの区域です。エリア外では通常通り観光できます」とアピールしていた。
もっとも、本当に噴火したら“被害額”はそんなものでは済まない。昨年9月、警戒レベル1のままで噴火し、63人の犠牲者が出た長野・御嶽山の例もある。
「ネット上では〈命が優先だろ〉という批判的な声も上がっています。あまり風評被害ばかり強調しすぎると、いざ噴火した時が怖い。箱根全体の信用が失墜、観光収入の1000億円をそっくり失う羽目になりかねません」(岩波拓哉氏)
地元観光業界にとっては死活問題だけに、悩ましい話だ。
◇
箱根山火山活動 町が風評被害対策 立ち入り規制は全体の0.3%
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00291993.html
05/08 19:37 FNN
火山活動が依然活発な状態が続く神奈川・箱根。観光への打撃を懸念する町は、規制区域外の安全を訴え、風評被害に神経をとがらせている。
大涌谷周辺が立ち入り規制となって、8日で3日目。
その影響は、静岡県にも広がっていた。
浜松市西区にある養鶏場は、箱根名物「黒たまご」の養鶏場だったが、現在は出荷を中止している。
「1個食べれば7年寿命が延びる」として人気の大涌谷名物「黒たまご」。
野田養鶏では、1週間におよそ10万個もの卵を大涌谷へと届けていたが、立ち入り規制で突然、販売が中止となった。
野田養鶏顧問の野田博志さんは「(箱根への供給が)突然中止になって、(新たな)納品先の確保が大きな問題になっています。(影響が)突然やってくるということが驚いた、実感した」と語った。
依然、火山活動が活発な状況が続く箱根山。
地元である箱根町での市民生活に目を向けると、地元の足となる路線バスは、通常通り運行している。
地元の旅館で働く人は、「普段暮らしている中では、特に問題なくて」、「1回地震があった朝起きたくらいです。(緊迫の雰囲気は?)そんなには感じない」と語った。
人々の生活自体に大きな変化はなく、朝の町には子どもたちが通学する、いつも通りの風景が見られた。
箱根町の小学校では、子どもたちが校庭で体育の授業をしていた。
警戒される小規模噴火が起きた場合でも、危険が直接及ぶとされる範囲は限られている。
現在、立ち入りが規制されているのは、大涌谷周辺の半径300メートルのエリアだけ。
これは、町の面積のおよそ0.3%にすぎない。
箱根町では、箱根湯本や芦ノ湖、さらに仙石原といった観光地や温泉街の安全は確保されているとしている。
しかし、地元の旅館で働く人は「このへんの旅館で働いているけど、やっぱりキャンセルが多くなって」と語った。
箱根の観光業に大打撃を与えるおそれのある風評被害。
9日からの週末を前に、町役場には、不安を訴える問い合わせが寄せられていた。
不安の払拭(ふっしょく)に向け、箱根町が動き出した。
箱根町の総合観光案内所には、箱根全体で見て、規制エリアがどれくらいの大きさなのか、英語で書かれた地図が置かれ、外国人観光客にもわかりやすくなっている。
町ではさらに、ウェブサイトなどを通じ、警戒レベルマップを公開した。
風評被害を最小限に抑える対策を講じている。
8日、強羅地区の旅館を取材すると、宿泊予約に明るい兆しも見え始めていた。
蔵のや本館のおかみは、8日の予約表について、「テレビでご覧になった方が、大丈夫だと思ったのか、3件予約してくださった。また増えてきたので、うれしく思っています」と語った。
蔵のや本館では、ゴールデンウイーク中、25件のキャンセルが出たという。
安全性のアピールを受け、問い合わせが増え、新たに10件の予約が入ったという。
おかみは「いい季節ですので、もったいないなと思っています。新緑を少しでも見ていただきたい」と語った。
8日、観光庁を所管する太田国交相は、全国の旅行業者に対して、正確な情報提供を行うよう指示したことを明らかにし、風評被害の防止に努めていく考えを示した。
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