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コラム:脱グローバル化が投資家に与える「試練」
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投稿者 rei 日時 2015 年 5 月 07 日 17:47:46: tW6yLih8JvEfw
 

コラム:脱グローバル化が投資家に与える「試練」
2015年 05月 7日 16:11 JST
James Saft

[5日 ロイター] - 世界はより大きくなりつつあるが、現在の過程は金融市場や投資家にとって喜ばしいとは言えないかもしれない。

7日の英総選挙から、ギリシャ支援問題や環太平洋連携協定(TPP)まで、市場が注視する数々のイベントは、その根底に脱グローバル化という共通項がある。

こうした動きは、世界中で資本やモノやサービスの自由な移動を可能にし、長い間続いてきたグローバル化の流れに逆行している。脱グローバル化を促すさまざまな力は2008年の金融危機以降に現れた。各国政府は銀行への支配強化を求め、先進国の政治家や組合などはグローバル化によって中間層の雇用と所得が脅かされると主張した。

グローバル化がやり玉に挙げられている証拠を見つけるのは簡単だ。

7日に行われる英総選挙は、英国の欧州連合(EU)離脱とスコットランドの独立という2つのリスクをはらんでいる。単独過半数を獲得する政党はないとみられる同選挙だが、キャメロン首相は自身の保守党が勝利した場合、EU残留か離脱かを問う国民投票を2017年末までに行うと表明している。一方、スコットランド民族党(SNP)が急速に票を伸ばせばキャスティングボードを握る可能性が高まり、英国からの独立の是非を問う投票が再び行われる可能性も浮上しかねない。

英金融大手HSBCは、金融危機以降に導入された「規制・構造改革」を受け、国外への本社移転の可能性について検討。同行はまた、英国がEUに残留するかどうかについても懸念を表明している。最も厳しい銀行規制を含む英国のこうした改革は、EU離脱の可能性とともに脱グローバル化の一形態を示している。

また、ギリシャの債務をめぐるユーロ圏の債権団との対立は結局のところ、グローバル化の力を一部利用しようとした通貨統合の限界をもたらすことになるかもしれない。

米国内でTPPへの反対勢力が急浮上していることも、脱グローバル化の動きと言える。より自由な貿易の拡大は誰の利益にもなるというのがグローバル化の中心的な考え方であり、支持者は経済のあらゆる側面を利すると考えている。中道左派の民主党議員と右派の共和党議員が異例にも結託し、世界経済の40%をカバーすることになるTPPに異を唱えている。こうした反対者はとりわけ、世界的な競争が高まれば米国民の雇用と所得に悪影響を及ぼすと懸念している。

<緩やかな統合>

グローバル化の進展ペースを計るうえで重要な指標となる世界貿易の伸びは減速している。オランダ経済政策分析局によると、貿易量は1月に1.6%、2月は0.9%減少した。さらに、金融危機以降の伸び率は世界の経済成長率程度にしか拡大していない。危機以前は通常、同成長率を優に上回っていた。

国境を越えた資本移動も金融危機以前のピークには戻っていない。つまりこれは、世界の金融システムが以前に比べて十分に統合されていないことを示唆している。統合の一因だったはずのリスク選好は、現在は賢い選択とは考えられていない。また、HSBCが懸念を示したように規制が統合の足かせとなっている。

各国政府には、自国金融システムの門を閉ざす格好の理由がある。危機の際には自国の負担を制限できるほか、自国のニーズのためにより適した資金調達が可能となるからだ。

もしグローバル化が急成長を導いたとしても、利益の分配が不平等であるなら、脱グローバル化はそれとは正反対の効果をもたらすだろう。すなわち、成長は緩やかながら、より平等に富を分配するということだ。それが望ましいかどうかは見方によるが、投資家や金融市場関係者であれば、ほぼ間違いなく望ましいとは思わないだろう。彼らは最大限の利益を求めているからだ。

脱グローバル化を支持する勢力が勝れば、投資家は2つのシナリオを容易に予測できる。第一に、成長が鈍化すれば、資産価格の下落につながる可能性が高まる。また、より平等な分配は企業の利益率低下を意味し、これも資産価値の下落を招くことになる。

第二に、世界中の経済や市場のつながりが弱くなれば、その相関性も弱まる。参入障壁の高い資本市場は独自路線を行く傾向にある。

脱グローバル化がもし起きるなら、それは緩やかだが、決して平たんな道ではない。投資家にとっては、さらに痛みを伴うプロセスとなるだろう。
http://jp.reuters.com/article/jp_column/idJPKBN0NS0F320150507  

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コメント
 
01. 2015年5月07日 18:15:06 : nJF6kGWndY

グローバル化は、生産性の高い企業と関係者を利し、既得権産業を直撃するから、抵抗は大きい。

最大の受益者である消費者にとっては広く薄い恩恵だから、あまり目立たない上に、反体制メディアは危険性やデメリットばかりを強調しがちになる。

結果として、特に国民の受益が小さい先進国での抵抗が強まって、進まなくなるのは、過去の南北問題と共通している。


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