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「有名大至近、学生限定」の無料カフェが急増
「就活だけじゃない」。企業スポンサーが殺到する本当の理由
2015年5月7日(木) 広岡 延隆
「知るカフェ」を運営するエンリッションの柿本優祐社長
「スマホが充電できて無線LANも使え、無料でコーヒーやオレンジジュースが飲める」。お金のない大学生にとって夢のようなカフェが増殖中だ。店名は「知るカフェ」。学生の間で今、注目度が急上昇している。
知るカフェの立地場所は、有名大学の目の前ばかりだ。2013年12月に同志社大学前店ができてから、京都大学前店、早稲田大学前店と相次ぎオープン。今年4月から6月にかけて名古屋大学前店、東京大学前店、慶応大学前店など一気に7店舗をオープンしている最中だ。店名以外の大学に所属する学生も、もちろん自由に利用できる。知るカフェを運営するベンチャー企業、エンリッション(京都市)の柿本優祐社長は「来年には20店舗を目指す。海外展開も検討中だ」と意気込む。
スポンサー1社あたり90万円
学生が無料で飲み物を楽しめるのは、就職活動時に「自社のことを知って欲しい」という企業のスポンサー費用で運営しているため。スポンサー企業は店舗ごとに異なるが、三井物産や関西電力、野村総合研究所など大企業からベンチャー企業まで様々だ。1店舗ごとに30〜40社のスポンサー企業を募る。スポンサー料は1社当たり90万円だ。
スポンサー企業は学生に対して適宜、会社や業界のことを説明する少人数イベントなどが開催でき、興味のある学生はネット経由で予約する。企業側1人に対して学生5人までに予約を制限し、丁寧に説明できる環境作りに腐心している。週に3〜4回のペースでイベントが入っている店舗が多い。4月末、大手企業のイベントに参加した学生は「会社に入った後の生活までざっくばらんに話してくれて、イメージが広がった」と話していた。
「企業の人事部に話を持って行くと非常に受けがよく、最近は先方からの問い合わせが引きも切らない状況だ」(柿本社長)。昨年から学生の売り手市場となっている影響もありそうだが、柿本社長の「真の狙い」は大学4年生の就職活動支援とは別のところにある。「むしろ1〜2年生が、会社や社会のことを知るキッカケにして欲しい」(同)というものだ。
「知るカフェ」の店内
実は、知るカフェは柿本社長が就職活動の時に思いついたアイデア。大学3年生の4月の時点で柿本社長は、ある大手商社に志望企業を絞り込んでいた。「たまたま、社会人の友達が多かったため仕事の話を聞く機会が多かった」と振り返る。ところが、当時周囲の友達を見渡すと「これから志望業界を見つけて研究しよう」という人ばかりだったのに、ヒントを得た。
「知るカフェを起業するために、最短距離で自分を鍛えてもらえる企業に入って成果を出せるようになる」。そう決断して志望先を変更し、業務ソフト開発のワークスアプリケーションズに入社。2013年に独立して、エンリッションを設立した。
硬直した就活に一石
知るカフェのポリシーは、人材斡旋業ではなくあくまでもカフェであること。気軽に来られる魅力ある場であってこそ、学生とスポンサー企業がウィンウィンの関係となり、事業も軌道に乗る。「ライバルはスターバックスなどの喫茶店。無料だからといって飲み物や接客に妥協しない」と柿本社長は言う。
企業や業界事業を十分に知った上で、志望先を決めて就職活動に臨む。そんな「当たり前のこと」を改めて示すことで躍進する「知るカフェ」は、硬直化した日本の就活事情に一石を投じたのかもしれない。
このコラムについて
ニュースを斬る
日々、生み出される膨大なニュース。その本質と意味するところは何か。そこから何を学び取るべきなのか――。本コラムでは、日経ビジネス編集部が選んだ注目のニュースを、その道のプロフェッショナルである執筆陣が独自の視点で鋭く解説。ニュースの裏側に潜む意外な事実、一歩踏み込んだ読み筋を引き出します。
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