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高資格を持っていても社会で生きづらい思いをする女性は少なくない(写真はイメージです)
高資格が仇に…女性弁護士ワーキングプアの窮状
http://diamond.jp/articles/-/70900
2015年5月7日 池上正樹 [ジャーナリスト] ダイヤモンド・オンライン
過去の記事がヤフートピックスの関連記事などに取り上げられるたび、感想などのメールがどっと寄せられてくる。当連載の記事は、そんなゾンビ現象がよく繰り返されている。
1年ほど前に掲載した「高学歴女子ゆえに地元で職につけない…地方公務員ワーキングプアの不条理な実態http://diamond.jp/articles/-/53380」の記事に対しても、最近ふたたび、数多くの反響が寄せられてきた。
弁護士の資格を持ちながら、社会と上手くつながることができず、引きこもり状態の人たちに近い特性をもっている50代前半のA子さんも、その1人だ。
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<大卒ですが、有名国家資格を2件取ったためにワーキングプアになりました>
そう明かす彼女は、ここ5年ほど、弁護士としての仕事がまともになく、資格を隠して、細々と週1回、関係のないアルバイトをしているという。
<別の仕事もいくつかやってみましたが、以前から、その仕事をしていた人たちに追い出されてしまいます。(弁護士)資格の年会費も払えず、やめざるを得ないかという状態に追い込まれています>
こうした窮状を訴えると、A子さんに関わりたくない人たちが離れていき、かえって社会とのつながりが減っていった。
<生きていく策を見つけるために必死で、うつ病になる余裕さえありません。>
A子さんは、「引きこもり」というカテゴリーには当てはまらないかもしれない。ただ、いま抱えている状況は、当事者たちのそれによく似ているように思う。
■大声で叫びながら平手打ち、物を投げる 実母からの理不尽な虐待
A子さんは元々、理屈がわかる4歳くらいになった頃から、専業主婦だった母親の虐待を受けてきた。
「些細な失敗も、大ごとだと決めつけ、躾と称して、大声で叫びながら無理やりお尻を何回も平手やものさしなどで打ち据える。顔を打たなかったのは、外からわからないようにするためだと言われてきました」
一方の父親は、商社に勤める会社員で、妻と娘を避けるように、ほとんど家にいなかった。
父親が帰宅するのは、いつも深夜。休日は朝からゴルフに出かける。家にいるときはテレビばかり見て、A子さんが邪魔になると殴った。
そんな両親による夫婦喧嘩は、日常茶飯事だった。
それだけではない。
A子さんは、食が細いのに、母親が口をこじ開けて無理やり食べさせる。気に入らないことがあると、物を投げつけたり、こわしたりすることもあった。
ピアノの練習のときには、少しでも間違えると、大声を挙げて、叱りつけられる。テストでは、100点を取らないと許されず、記述式の回答では、模範解答と一言一句同じでないと言いがかりをつけられたという。
また、学校でいじめられても、「いじめられたほうが悪い」「父が学校に行かないのが悪い」などと言って、わざと放置された。
「私の大切にしていたもの(小学校の卒業アルバム、切手帳など)を勝手に捨て、自宅に来た従弟や引越し屋のせいにする。小遣いはわずかで、少しでも私が使うと、『勝手に使った』と、わめき散らします」
母親は、必要ないものを無理やり買い、「買ってやった」と恩を着せる。
A子さんは中学生のときから、勉強以外のことをさせてもらえず、学校から「直帰するように」と強要された。
友人との交流も、学校以外では原則禁止。「友人よりも親を大切にすべきだ」と教えられた。
その一方で、母親は教育費をかけることを極度に嫌い、娘を塾には行かせようとしなかった。
「自分での勉強が進まないと、努力不足と決めつける。飼い猫が勝手に魚を食べたなど、些細なことを全部私のせいと言いがかりをつける。中学から高校にかけての時期になると、症状がひどくなり、近所の人がうわさをしている、変な音楽を流しているなどと言っていました」
そのうえ、些細なことで狂乱状態になり、わめき散らし、物を投げて壊し、「自分は何でも正しい、言うことを聞け!」などと主張。少しでも気に入らないことがあると、何回聞いたかわからないほど繰り返し文句を言われた。
母親は、A子さんの受験期に、精神疾患を発症。病院に入院もして、失語症を発症した。
入試は、第1志望の東京の大学に合格したものの、父親が母親の精神状態を恐れて上京を認めず、関西の有名大学に進学。その後も、成人式などの節目ごとに発作を起こした。
A子さんは、大学卒業後、税理士資格を取得。大手税理士事務所に就職する。
しかし、就職後も、母親は職場から直帰するように強要。「自分の思い通りにいかないのは、全部他人が悪い」などと言って、家事をせずに寝てばかりの「引きこもり」状態に入った。
その後、A子さんは実家を出た。
■就職先ではセクハラ被害 窮状を訴えると半日監禁も
就職した税理士事務所では、A子さんを採用した上司からかわいがられたため、先輩から仕事を教えてもらえずに1人で放置される、仕事を与えないといった嫌がらせを受けた。
就職して数年後に配属された先の上司からは、「酒を飲めるようになれ」と強要され、たびたび二人きりになる環境をつくられては、セクハラされた。
この上司は、気に入った女性がいると、かたっぱしから手を出す人だった。言うことを聞いてくれた女性には特別賞与を支給し、拒絶した相手を最低評価に落とした。
セクハラの被害を所属長に訴えたところ、泣き寝入りを強要され、父親に「娘を黙らせるように」と電話までかけてきた。
繁忙期になっても、A子さんは仕事をまったく与えられず、勤務評定を最低に下げられた。
他の役員に窮状を訴えたところ、その事務所に半日監禁された。
最初に依頼した弁護士にも、納得のいくような交渉をしてもらえなかったため、解任して別の弁護士に代えたところ、ようやく職場での嫌がらせは収まった。
税理士資格が仇に…
合格しても弁護士事務所に入れない
そんな体験がきっかけとなり、司法試験の受験勉強を開始。その後、1年余りで合格した。
ところが、司法修習中に就職活動すると、税理士の資格を持っていることがネックとなり、ひどく嫉妬された。
■「クライアントを取られる」 「税理士にはろくな奴がいない」
などの暴言を吐かれ、どの事務所にも入所させてもらえなかった。
結局、修習先の弁護士が拾ってくれて、大手企業の系列会社の「社内弁護士」として契約社員になった。
ところが、親会社からの出向者は、プライドが高く、誤りを指摘しても、自分が悪いとは認めず、意地でも是正しない。
そんな出向者の誹謗中傷が影響して、A子さんの仕事は極端に減少。毎日、職場に行っても、ほとんどすることがなくなった。
問題点の修正も行われないまま、会社の業績は下がり、A子さんも雇い止めとなった。
■貶められた能力ある人たちを協調できる人と一緒に救いたい
以来、人と上手く関わることができなくなったA子さん。
「周囲の人たちが、2つの国家資格を持つ私を見て、嫉妬や固定観念などから、受け入れようとしてくれませんでした。私は受け入れてもらおうと必死で考え、努力や工夫をしましたが、周囲の拒絶反応に遭って、取りつく島もない状態だったんです」
A子さんは、いまは細々としたバイト以外の収入がなく、社会保険料も弁護士としての年会費も支払えずにいる。
そんな仕事のない状況が何年も続いてきた。しかし、これから先、A子さんは「協調できる人と連携して、打開策を探りたい」という。
「どんな人にも、何かの能力はあります。日本では、個人の能力開発が極端に遅れているので、それに気づかないだけなのです。私は仕事柄、さまざまなタイプの人にお会いしてきましたので、そのお手伝いができると考えています。自分たちの能力を世界に向けて発信し、協力者を求めていきたいのです」
協力し合うからこそ、個人では得られないプラス要因をたくさん見い出し、マイナスを補完することができる。A子さんは、国際社会に向かって、日本のこのような現状を知ってもらい、「迫害されている人々の救出」を次のように訴える。
「日本では、能力のある人たちが貶められ、闇に葬り去られています。毎年3万人もの自殺者が出ています。どうか助けてください!」
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