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短期は損期!?短期売買で破産する投資家たち 投資の基本は“長期投資”
http://diamond.jp/articles/-/70862
2015年5月7日 ミスター・サスペンダー ダイヤモンド・オンライン
外資系金融機関、コンサルティングファーム、海外著名MBA、投資ファンドなどを経て香港に会社を設立する傍ら作家に転身した「ミスター・サスペンダー」が、他経済媒体で人気を博する『グローバルエリートの母も見た!』の著者であり、投資ド素人でもある母「ミセス・パンプキン」にファンドマネジャー並みの知識を持たせるべく、投資のノウハウを伝授する連載第2回。今回は「儲けてる人が実践する売買タイミング」について。
■投資で大儲けする人は多少儲けたくらいでは売らない
「なんでこの投資、10倍にならなかったんだ? 本来ならもっと儲けられた案件だ。5倍儲かったが、私は非常に不満に思っている」
これは私のシンガポール滞在時代、現地の代表的な富裕層の投資家であるチャンさん(仮名)に、5倍も儲かった投資先の案件の成功報告に行った時の驚きのやりとりである。
チャンさんとともに一緒にとあるメーカーに投資して5年ほど保有したのちに見事5倍の収益を生み出し、鼻高々にチャンさんに説明しに行ったときに開口一番怒られたのが、この言葉である。
5倍も儲かって何十億も稼いだのに、まだ不満なんや……。私はチャンさんの強欲さに閉口したが、その理由を聞いて私はいたく納得した。
Photo:カシス-Fotolia.com
確かにこの案件は、もっとリターンを出す余地があった。早期にコストカットに踏み切れたはずだし、別の買い手ならもっと値段を払ったかもしれない。途中で不要な投資をしてコストがかさんだのも事実だ。
しかし私は5倍もの利益を上げたので結果オーライと思っていたのだが、世界の資本市場で投資し、実に投資案件の8割で成功しているという百戦錬磨のグローバル投資家であるチャンさんに言わせれば、“その案件の潜在的な利益を実現しなければ、多少儲かったところでその投資は失敗だ”と言うのである。
私はこの強欲なチャンさんとの会話から、ふと思い出したことがある。確かに投資で大儲けする人は、多少儲けたくらいでは売らないのだ。
短期的に多少儲けたくらいでも売らないが、ある程度損失が出たら規律を守って売り抜ける。考えてみれば、投資で失敗している人は、まさにこの逆の投資行動をとってしまっていることが多いのだ。
■損失はいつまでも耐えるのに多少株が上がったら売ってしまう人々
私の周りのファンドマネジャーたちを見渡しても、成功する人はいい株に3年、5年といわず、10年だろうが20年だろうがずっと一緒に添い遂げる。
ファンドマネジャーの先輩で非常に成功している人は“株と心中するつもりで添い遂げろ”と言っていたものだが、せっかく長期的に成長し、市場平均よりも高い伸びを持続できるいい会社を見出したのに、多少儲かったくらいで“利食い”売りをしてしまう人は、せっかくいい会社を見出しても大して稼ぐことができないのだ。
しかしながらこういう人に限って、負けるときだけは我慢強い。株が3割下がろうと5割下がろうと意地になって“さらに割安になったから買い増す”などと全財産をその負け株につぎ込み、最後、会社がスキャンダルまみれのニュースで倒産寸前の株価になっても“今更売り抜けられない”と、まさに負け株と心中してしまう。
これでは株式投資で勝てるわけがない。勝つときはとっとと利食い売りして、負けるときは倒産するまで意地になって持ち続けるのだから。
株式投資は市場との戦いの前に自分自身との戦いだ、と私が尊敬するファンド業界の大物が忠告してくれたものだが、その忠告の一つに、「株価が3割下がったら有無を言わず自分の間違いを認めて株を売れ」というものがある。
株価が3割も下がったら自分の“投資理由”は何かが間違っていたはずだ。しかし人は株で大負けしたとき、大抵すでに理性ではなく感情的になってしまっている。
そんなときに“今後予想通りの展開に戻っていくシナリオ”をつべこべ考えずにとにかく手じまいして、冷静な頭で次の投資に臨め、と“負けている時の規律の大切さ”について強調していたものである。
ちなみに、くしくもこの“投資の基本は長期投資”というのは、投資音痴の代表選手・わが母・ミセス・パンプキンと私が先日交わした会話の中でも確認できた事項である。
世界的に有名なグローバルファンドマネジャーでも、近所の金持ちの叔父さんが株で儲けるときも、その根底にある基本中の基本は、“本当にいい会社を見つけたら、何倍儲かっても持ち続ける”ことなのだ。
それでは「オバハン・ファンドマネジャー」を目指すミセス・パンプキンとの先日の会話を少し、紹介させていただこう。
〔教訓:バフェットも近所の金持ち叔父さんも、投資の基本はバイ・アンド・ホールド〕
サスペンダー:お母さん、知り合いの人で、株で成功した人いいひんの?
パンプキン:一人、20年くらい前の話で知り合いの叔父さんがな、シマナカ(仮名)っていう冷凍のショーケースを造る会社に勤めたはって、55歳かなんかで定年間際に大手のガス会社に引き抜かれはってん。厨房関係の器具の知識では日本で第一人者だったらしい。急の退職願いにシマナカ側では、退職金代わりに会社の株を渡さはったらしい。
退職金渡せへんかったから、株で支払うことにしたんやて。この叔父さんが、それを価値の低い紙切れ同然のままだと思って放っておいたら、10年くらい経った後に、凄く値段が上がっててな。元同僚に10年ぶりくらいに会って、その話を聞いて放っておいた株を探して値段調べたら、3000万円になってん。それでボルボ買うたり、旅行をしたり、豊かな生活したはったわ。
サスペンダー:これは何気に、投資の基本のバイ&ホールドで、いい企業の株、一旦買ったら長期間放っておく。ウォーレン・バフェットも言ってるねん。
パンプキン:その有名なウォーレン・バフェットか誰かが言ってたけど、株と博打は勝ち逃げはない、いつか負け続けて、底まで負けて終わるんやって。
サスペンダー:いや、それウォーレン・バフェットは言わへんやろ、あの人、株をずっと買って大儲けしてはるねから。とにかくいい企業でほんまは長く持つといたほうがいい株も、売買で手数料稼ぐ営業がすぐ売買させるから、あかんねん。
パンプキン:ビーゼット(仮名・地元の有力スーパーを経営する資産家)のおじさんが言うてはったわ。(株の営業の人に)“おまえら、手数料稼ぐためにすぐ売買させやがって、儲かるときは2割くらいしか儲からへんのに、損するときは紙切れになるまで持たせるやないか”と。
やっぱりバフェットか誰か知らんけど、一回株を買ったら、ずっと長いこと持っとくのが、儲かる秘訣なんかいな。
■オバハンへの忠告:頻繁に売買させようとする証券会社を信じるな
さて、今回のコラムでは、投資の基本は長期投資で、逆に投資で失敗する人の典型的な癖として、“勝つときは少し勝ったら手じまい、負けるときは破産するまで持ち続ける”という不思議な癖を上げた。
そして投資で大切なのは自分との戦いである自己規律で、特に株価が一定以上下がったら自分の当初の判断が間違っていたことを早期に認め、感情的に持ち続けないよう損失拡大を防ぐことの大切さも学んだ。
またミセス・パンプキンとの会話の中で出てきたように、証券会社など“取引をさせて手数料を抜く”アドバイザーたちは、株が多少上がっただけで売却させ、さらに手数料を稼ごうとすることが多いことも学習した。
実際今、全体的な株高を受けてさぞかし大手投信も運用残高が増えてビジネスが潤っているだろうと想像していたら、実態は違うようだ。
最近、某外資系大手運用会社のファンドマネジャーの友人と話したところ、株価が上がっている間に証券会社が解約を進めて、株価は上がっているのに運用残高は大きく減少して商売がアガッタリだ、と嘆いていた。
そのような“投資アドバイザー”のエージェンシーコスト(顧客の利益の最大化と、自分の利益追求行動の間の利益相反)を考えると、投資をするときに一体誰の助言に従えばいいのか不安になられるかもしれないが、ご安心頂きたい。
次回のコラムでは、「オバサン・キャピタルに群がるイカさま投資アドバイザーたち〜いったい誰の話を信じればいいのか?」特集で、イカサマ投資アドバイザーの見抜き方を皆様と議論していきたい。
その日まで、多少株価が上がったところで決して売ることなく、ただし株価は3割下がったらとにかく手じまおう。
この基本原則を忘れず、規律ある投資で次回コラムをお読みになるまでに大切な資産を守り、増やしていってください。
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