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火口周辺警報でGWの蔵王に異変 深刻な客離れで廃業するホテルも
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00291715.html
05/04 17:55 FNN
箱根山で火山活動活発化が懸念される一方、現在、御嶽山、新燃岳など全国13カ所の火山で、噴火警報が出されている。そのうちの1つ、宮城県と山形県にまたがる蔵王山では、噴火の可能性があるとして、4月13日、火口周辺警報が出された。
本来、多くの観光客が訪れるはずのゴールデンウイークだが、深刻な客離れから、あるホテルは、ついに廃業に追い込まれる事態となった。
季節の移り変わりとともに、表情を変える蔵王のシンボル「御釜」。
東北有数の観光地「蔵王」で、このゴールデンウイークに異変が起きていた。
蔵王国際ホテルの佐藤俊宏副支配人は「この時期は、残雪も残っていまして、新緑も見えるということで、大変いい時期でございます」と語った。
雪と満開の桜のコラボレーションを眺められることで人気のホテル。
しかし、帳簿にびっしりと引かれた、キャンセルを示す赤い線。
蔵王国際ホテルの佐藤副支配人は「これが4月の予約の台帳です。(横線を引いているのがキャンセルですか?)そうです、キャンセルの線です。やはり、火山の報道が影響したのかと思います」と語った。
そして、佐藤副支配人は、「キャンセルがこんなに入ることはありません。まずないことだと思います」と語った。
宮城県と山形県にまたがる蔵王山。
その異変は、2014年10月、火口湖の御釜で、湖面の一部が白くにごる「白濁」を確認したことから始まった。
さらに、火山性地震は、2月は7回、3月は18回だったが、4月は319回を記録。
頻発する状況になったことなどから、気象庁は4月13日、噴火の可能性があるとして、警戒レベルを「火口周辺警報」に引き上げ、火口周辺の1.2kmほどの範囲で、大きな噴石に警戒が必要とした。
こうした中で迎えたゴールデンウイーク。
4月24日に開通する予定だった、御釜へと続く道は、閉ざされたまま。
そして、にぎわうはずの麓の温泉街も、人が少なかった。
観光客は、「気に(する)っていうより怖い。震災と御嶽山とは、別にはできないですよね」と話した。
4月の警報発令以降、キャンセルが相次いだホテルも、蔵王温泉街にある。
しかし、警報の対象地域からは5km以上離れていることから、ホテルでは、ウェブサイトなどを通じて、利用客に理解を求めている。
蔵王国際ホテルの佐藤副支配人は「安心して、お客さまにはご宿泊いただけると思いますので、積極的に私どもから、情報は発信していきたいと思います」と語った。
しかし、深刻な客離れから、ついには廃業を決めたホテルもあった。
標高1,346メートルにあるスターライトホテル「樹氷の家」。
スターライトホテル「樹氷の家」の武田義和支配人は、「ゲレンデには音楽とかも流れていますし、それなりににぎわっていたと思いますけれど」と語った。
目の前がゲレンデという好立地で、主に小中学校の修学旅行などに利用されてきた、このホテル。
武田支配人は「本来、5月の連休明けですか、ことしだったら、6日までスキー場やってるはずですけれども、やはりこういう状況で、お客さんが少ないっていうことなので...」と語った。
警戒範囲の外にはあるものの、火口域から3km程度の場所にあり、毎年利用していた学校が宿泊を取りやめるなど、キャンセルが急増した。
武田支配人は、「ここだって、畳入れ替えたばかりなのに...」、「(どうするのですか?)捨てるしかないです。部屋にあったサイズだから、どこにも使い回しできませんから」と語った。
今シーズンの売り上げは、2014年の半分以下にまで減少。
創業58年の老舗ホテルは、5月20日をもって廃業することを決めた。
各地で活発化している火山活動。
それらは、地元を支える観光業の将来を、大きく左右しようとしている。 (仙台放送)
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