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採用の面接官は、どこをみて何を考えているのか?禁断の必勝法 何をどう訴えるべきか
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150505-00010000-bjournal-bus_all
Business Journal 5月5日(火)6時0分配信
新学期になって大学のキャンパスに行ってみると、リクルートスーツに身を包んだ就職活動中の学生が多数目につく。昨年よりも短縮されたとはいえ、多くの学生が長い就職活動期間を過ごしている。
採用の最終的な合否はほとんどの場合、面接の結果によって決まる。これは、面接をする側の人物評価能力を考えると驚くべきことだ。もちろん、「学歴フィルター」と呼ばれるような大学別格差や履歴書段階での評価の差は厳然とあるが、人は面接を経ないと納得して他人を採用しない「面接で決める生き物」なのだ。
筆者は過去に12回ほど転職しているので、面接を受けた回数は多い。また、自分が面接する側に回ったことも数多くある。本稿では、主に学生に向けて、面接に当たって重要だと思うポイントをお伝えしよう。
●最初の5分
第一に、面接に当たっては最初の5分が決定的に重要だ。心理学の実験では、面接時間の長短とその候補者の採用合否は無関係という結果があるようだが、裏を返せば時間の長い面接はその分だけ無駄な時間を掛けていることになる。そしてこれは、面接する側の気持ちとしては納得がいく。
面接官は、履歴書の特徴と容姿などから候補者の人物像について一定の仮説を立てようとする。このために掛ける時間はせいぜい最初の5分くらいだろう。そして、残りの時間は、自分の仮説が正しいかどうかの検証をしているというのが、大まかな面接官の思考の推移だ。最初の5分で面接官に好ましい仮説を立てさせることができなければ、形勢を逆転させるのはかなり困難といえる。つまり候補者は、最初の5分に集中すべきである。
では、その最初の5分で何を訴えるといいのか。面接官が判断したいのは、「仕事を任せるに足る能力の有無・優劣」と「候補者は自分たちの仲間にふさわしいかどうか」の2点に集約される。能力や人柄は、短期間に変えられるものではないが、現在持っているものを前提として、これを効果的に売る商談が面接だ。
●「自信」と「敬意を伴った興味」
相手に、伝えるべきイメージは、第一に自分が求められる仕事ができるということに対する「自信」であり、第二にその会社に対する「敬意を伴った興味」だ。自信のない態度に対して、人は不安を覚える。また、人は自分たちのグループそのものないし仕事に対して尊敬の念や興味を持つ相手に好感を持つ。
そのため、通り一遍の自己アピールよりも、相手の会社を有効に調べてきたことが伝わるようにすべきである。事前の情報収集では、会社のホームページにあるIR(インベスターズ・リレーション)関連の資料を読み込んでおくのがいい。最新の有価証券報告書と、2〜3期分の決算短信くらいは読み込んでおきたい。
一部で流行っている学生側の「自己分析」はほとんど時間の無駄だ。面接官は、候補者の自分探しに付き合うほど暇ではないし、まして人生相談をするつもりもない。彼らが知りたいのは、候補者に十分な能力があるかどうかと、「仲間の匂い 」がするかどうかだ。後者のためには、相手と短時間で波長を合わせることが大事だ。話のテンポや使う語彙などを相手に応じて使い分けることができると有効だ。
●「仲間」と思われる要素
「仲間」として好ましいと思われる要素は、会社によって異なる場合もあるが、概ね共通する。誠実な人、自分で考える人、明るい人、成熟した大人の4要素である。
小さな嘘も含めて、嘘を徹底的に排除しなければならないのは、「誠実ではない」という印象につながるからだ。
「自分で考える人」をアピールするには、少し注意が必要だ。会社側が求めているのは、突拍子もない独自の考えを持つことではなくて、相手の考えていることに十分気が回るような機転が利く人物だ。そう思われるためには、相手の質問を正確に聞くことと、質問に対応した受け答えができることが重要だ。質問の内容からずれた受け答えは嫌われる。相手の言っていることを正確に聞いていることがわかるように答えよう。
「明るい人」が「暗い人」より好かれるのは、面接でなくとも当然だろう。人は一緒にいて楽しいと思う人物と仕事をしたい。加えて、職場にトラブルを持ち込むような人物でなくて、大人同士としての距離感を保つことができる成熟した人物が好まれる。面接で自分の親のことを「お父さん」「お母さん」と呼ぶような幼児性は一発でアウトになる可能性がある。社会人らしく「父」「母」という言葉を使うべきだ。
いわゆる「圧迫面接」はやるほうがバカで失礼なのだから、そんな会社は相手にしなくてもいいと筆者は思うが、内定を取っておくのは無駄ではないから、圧迫があろうとなかろうと、「対等の大人」として礼儀正しい受け答えを返すべきだ。断るのは内定を取ってからでいい。
●面接官の人物評価能力は大したものではない
前述のように、面接をする側の人物評価能力は大したものではないのが現実だ。従って、相性や運が影響することは避けがたい。面接で落とされるのは気分の悪いものだが(筆者は何度も経験がある)、深刻に気にすることは無益だ。また、場数を踏むと上達するので、面接には練習が必要だ。臆せずに何度も出かけよう。
総括すると、会社の業績をよく調べて面接に臨み、「自分は、誠実で、気が利く、明るい、成熟した大人で、良い感じの人物だ!」と自己暗示を掛けつつ、面接室のドアをノックしよう。そして、挨拶を済ませて相手と目があったら、「相性のいい人と会えて良かった」ともう一つ自己暗示を掛けて、最初の5分に注力するのだ。
学生のみなさんのご幸運を祈る。
(文=山崎元/楽天証券経済研究所客員研究員、マイベンチマーク代表)
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