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ギリシャはデフォルトしてもユーロ圏に留まるのか?
ギリシャ情勢の今後の見通し
2015年4月30日
ロンドンリサーチセンター シニアエコノミスト 菅野 泰夫
◆2015年4月24日、ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)がラトビアの首都リガで開催され、ギリシャへの第2次支援プログラムの4ヵ月間の延長について協議された。協議では過熱した論議が繰り広げられたが、結局、最終合意に至らずブリュッセルグループ(EU、IMF、ECBの旧トロイカ)による72億ユーロの融資実行は延期された。
◆4月27日にはこれまでギリシャ側交渉団を主導していた、バルフォキス財務相を相談役に更迭、ツァカロトス外務副大臣をトップに充てる人事が発表された。ただし、責任者の一人を交渉の第一線から退けたところで状況が大きく変化するとは考えづらい。債権団を説得するだけの改革案を作成する余力が、既にギリシャ政府および作成を主導するギリシャ財務省の担当官僚に残されていないことは容易に想像できる。
◆また仮に6月末の第2次支援プログラムの延長が合意されなかった場合、その時点でECBがギリシャ向けの緊急流動性支援(ELA)を停止することは確実であり、ギリシャとの取引が中止されギリシャ中銀は新通貨発行に追い込まれる。さらにデフォルトと認定されることで、ユーロ圏周辺国の金利は急上昇し、ECBはその結果としてイタリア、ポルトガル等の南欧諸国に対するOMT(危機時にECBが国債を買い入れするプログラム)等の発動を余儀なくさせられるだろう。
◆ギリシャが厳しい改革条件を突きつけられるユーロ圏内にいつまでも留まるとも想定しづらい。ここに来てロシアの存在感が増している。4月初めにはチプラス首相がクレムリンを訪問し、プーチン大統領に7月に期限切れとなるEUによる対ロ経済制裁の解除をほのめかすなど、支援継続に難色を示すEUとの対立姿勢をちらつかせている。ギリシャとロシアは、文化・宗教的な面で結びつきも強く、両国の関係は新たな経済圏の枠組みを予感させる。
http://www.dir.co.jp/research/report/overseas/europe/20150430_009687.html
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