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オープンした成田空港の第3ターミナル=4月8日
成田空港、LCC誘致に活路 専用ターミナル開業、羽田やアジア各国と対決へ
http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20150503-00000000-biz_fsi-nb
SankeiBiz 2015/5/4 08:15
成田空港で4月8日、格安航空会社(LCC)専用の「第3旅客ターミナル」が開業した。成田で新しいターミナルビルが稼働したのは22年4カ月ぶり。東京都心から近い羽田空港で国際化が進むほか、アジアの主要空港との競争も厳しさを増している。“内憂外患”を抱え、地盤沈下が現実味を帯びる中、成田は「LCC誘致」を活路の一つとしていく考えだ。
実際に第3旅客ターミナルに入ってみて印象的なのは、その簡素なつくりだ。天井は仕上げ板がなく、配管類や柱がむき出しになっている。利用客が機内に乗り込むときも搭乗橋は備えておらず、「エプロンルーフ」と呼ばれる伸縮可能な搭乗通路を用いる。とにかく建設コストを切り詰めた。一方、こだわりもある。LCCは早朝便も多く、空港で一夜を明かす利用客のために、横になって休めるソファベンチを100席以上設置。国内の空港で最大規模という約450席のフードコートは午前4時から営業している。
建設費は約150億円。既存の第1、第2旅客ターミナルに比べ、建設コストを1平方メートル当たりで4割削った。これにより航空各社が負担する施設使用料を既存の旅客ターミナルの半額程度に抑えたほか、利用客が支払う施設使用料も国内線出発(大人)の場合は約14%安い。現在、成田に乗り入れているLCCは14社。このうちジェットスター・ジャパン、バニラ・エア、春秋航空日本など5社が第3旅客ターミナルに移った。
ただ、最寄りの鉄道駅がある第2旅客ターミナルからは離れた場所に位置するため、利用客は約500メートルある連絡通路を歩くか、直通の連絡バスに乗る必要がある。それだけに、京成電鉄の眞下幸人常務は4月30日の決算発表会見で「第3旅客ターミナルは駅から遠く、必ずしも鉄道(の利用客)が増えるかどうか分からない」と述べた。
成田がLCC誘致に力を入れるのは、国内外で空港間競争が激しさを増す中、手をこまねいていては地盤沈下が進みかねないとの危機感があるためだ。国内線が主体だった羽田では国際線の拡充が進み、昨年3月の発着枠拡大では欧州や東南アジア向けの中長距離路線が昼間でも利用できるようになった。このため、航空会社が欧州向けなどの便を成田から羽田へ移す「成田離れ」の動きも出た。
それは数字にも表れている。国土交通省東京航空局がまとめた2014年の速報値によると、国際線旅客数は、羽田が発着枠拡大の効果もあって前年比32.8%増の1059万3059人と大きく伸ばしたのに対し、成田は2.6%減の2693万2949人とさえなかった。首都圏空港には長らく、「国内線は羽田、国際線は成田」というすみ分けがあった。だが近年は、羽田で国際化が進む一方で、成田はLCC誘致を通じて国内線を強化している。
国交省は20年の東京五輪までに成田、羽田の発着枠を年4万回程度ずつ増やす方針で、五輪後の航空需要拡大への対策として成田、羽田で1本ずつ滑走路を増設する案もある。増えた発着枠の扱い次第では、首都圏空港の垣根はどんどん低くなる可能性が高い。
さらに成田は、台頭著しいアジアの主要空港との間でハブ空港の座をめぐる競争にもさらされている。成田と羽田を合わせた国際線旅客数は11年に、韓国の仁川空港やタイのバンコク空港に逆転され、香港空港、シンガポールのチャンギ空港を含めたアジアの主要空港の中で最下位に転落。データが最新の13年まで、その状況が続いている。
運営する成田国際空港会社(NAA)の夏目誠社長は、LCCについて「成田にとっては(全日本空輸や日本航空のような)フルサービスの航空会社と並ぶ一つの大きな柱」と期待を寄せる。日本は12年に「LCC元年」を迎え、若者や女性を中心に少しずつ支持を広げている。成田では旅客便全体に占めるLCCの割合は13年冬ダイヤで11.5%だったが、15年夏ダイヤでは24.1%に上昇した。
第3旅客ターミナルには余裕があり、NAAは国内外のLCCに入居を働きかけている。新規就航の航空会社を対象に、条件を満たせば着陸料が最大で1年間無料となる取り組みも始めた。LCCも含めて「航空会社の路線開設を支援する」(夏目社長)との狙いがある。
ただ障害もある。成田は騒音上の問題もあり、午後11時から翌朝6時まで原則として離着陸ができない。LCCは、最大の売りである低運賃を実現するため、機材を1日に何度も往復させて効率良く運航することが求められる。それだけに成田の離着陸制限は「大きなハンディキャップ」(証券アナリスト)といった声もあがる。
国内線でのLCCのシェアは7%台とみられる。欧米では国際線と国内線を合わせたLCCのシェアが3〜4割に達しており、日本は開拓余地が大きい。その受け皿に成田がなり、空港間競争で勝ち残れるか。正念場を迎える。(森田晶宏)
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