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新機種「Xperia Z4」を手にするソニーモバイル社長の十時裕樹氏
ソニー、異例の新作スマホ連発の謎 生き残りに必死、意外性乏しく残念感満載…
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150503-00010001-bjournal-bus_all
Business Journal 5月3日(日)6時0分配信
ソニーモバイルコミュニケーションズは4月20日、新しいフラッグシップスマートフォン「Xperia Z4」を発表したが、なぜこの時期に、しかも日本で発表するに至ったのかについては、疑問の声も多く上がっている。
●MWCで見送られた新フラッグシップが国内で登場
スマートフォン事業の不振に苦しむソニーは、「Xperia」シリーズのスマートフォン開発を手掛けるモバイルコミュニケーションズの社長を、元ソネットの副社長である十時裕樹氏に交代するなど、大幅な事業再編を実施した。ターゲットとする市場を日欧・アジア主体に絞り、ハイエンドモデルに注力することで再編を図る方針を示している。
そこでソニーモバイルは「Xperia Z」シリーズの投入回数を変更すると発表している。実際、ソニーモバイルが例年、新機種を発表していた世界最大の携帯電話の見本市「Mobile World Congress」(MWC)において、今年はタブレットのフラッグシップ「Xperia Z4 Tablet」こそ発表したものの、スマートフォンのフラッグシップモデルは発表していない。現在主力の「Xperia Z3」が発表されたのは昨年9月であり、計画見直しを発表したソニーモバイルが新たなフラッグシップを投入するのは時期的にも早いため、今回はMWCでの発表は見送ったのだろうと思われていた。
しかし4月20日、ソニーモバイルは「Xperia Z4」を発売すると発表したのだ。サムスン電子の「Galaxy S6/S6 edge」同様、キャリアが発表する前に端末の発表会を開いたことにも驚きがあったが、世界で端末をアピールできたMWCからおよそ1カ月しかたっていないにもかかわらず、あえて日本国内で新機種を発表したことが、大きな驚きをもたらしたのも事実であろう。
●端末の洗練度は上がっているが、疑問も多い
Xperia Z4は、これまでのXperia Zシリーズを踏襲したオムニバランスデザインを採用しながら、クアルコムの最新CPU「Snapdragon 810」を採用し、LTEのカテゴリ6にも対応するなど、端末・通信の両面で高速化を実現。それでいて薄さ6.9mm、重量144gと一層の薄型・軽量化が図られたほか、キャップレス防水のUSBコネクタを備え防水・防塵の確実性が高まるなど、より完成度が高められたモデルとなっている。
また十時氏が「カメラスマホを極める」と話している通り、定評のあるカメラ機能はさらに強化され、「プレミアムおまかせオート」では従来弱点とされてきた料理も自動で判別し、美味しそうに撮影してくれるようになった。さらにフロントカメラが510万画素に強化され、レンズも25mmと広角のものを採用。人気を高める“セルフィー”(自撮り)のニーズに応える機能を備えている。
確かにXperia Z4は、多くの部分で進化が見られるなど完成度が高まっており、安心して購入できる端末に仕上がっている。だがアップルが「iPhone 6/6 Plus」でディスプレイを大型化し、サムスンがGalaxy S6/S6 edgeで大胆なデザインの変更を実施するなど、フラッグシップモデルの大幅なリニューアルを実施している中、従来の路線を踏襲しているXperia Z4のインパクトは弱い。
またXperia Z4は、日本で発売することは決まっているものの、それ以外の国での発売は未定とのこと。それゆえ日本での新機種発表となったようだが、フラッグシップは年に1回発表するという方針を示しながらも、Xperia Z3の発表から半年で新機種の発表に至るというのは、やはり腑に落ちない部分がある。
●キャリアの戦略が大きく影響している可能性も
ではなぜ、ソニーモバイルがXperia Z4をこのタイミングで発表するに至ったのだろうか。そこには国内キャリアの戦略が大きく影響していると考えられる。
今年の夏商戦を考えると、NTTドコモが3月に発表した、LTEで下り最大225Mbpsを実現するPREMIUM 4Gに対応するスマートフォンの登場が期待されるタイミングでもあり、KDDI(au)も今後同様の高速化を図る予定だ。すでにサムスンがGalaxy S6/S6 edgeでPREMIUM 4G対応を打ち出しているが、キャリアとしてはLTEの高速化に対応したラインナップを、より多く揃えてユーザーにアピールしたいのが本音であろう。
ソニーモバイルは高価格帯での端末販売を重視した再建策を打ち出しているが、強みを持つ欧州ではミドルクラスの販売が拡大していることから、フラッグシップモデルの販売は伸ばしにくい。それだけに、人気が高い日本市場にかける期待は大きく、キャリアの意向に沿うかたちで新機種の投入に至ったと見ることができよう。
また、ドコモがiPhone発売前の「ツートップ戦略」で、「Galaxy S4」と「Xperia A」の2機種を優遇して販売した時期から、今年で2年が経過するタイミングでもある。実は、Xperia AがGalaxy S4の倍近い販売台数を記録するなど、ツートップ戦略の恩恵を最も大きく受けたのはソニーモバイルであり、同社の成長の契機にもなっている。それだけに、2年縛りが解けるタイミングでインパクトのある新機種を提供できなければ、ユーザーが他の機種に流れてしまう可能性がある。Xperiaシリーズの潜在的な顧客を逃さないためにも、この段階で投入することが必要だったといえそうだ。
ソニーモバイルは格安スマホ市場に向けても、ソネットや楽天モバイル向けに「Xperia J」を提供しており、あらゆる手を尽くして国内での販売拡大に努めている様子を見て取ることができる。再建に向け苦しい台所事情があるのは確かだろうが、やはりユーザーがXperiaシリーズのフラッグシップに期待しているのは、新しい価値や意外性ではないだろうか。それだけに今後同社には、より腰を据えて開発されたハイエンドモデルの投入が求められるところだ。
佐野正弘/ITライター
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